女猟師、大学に登壇 ~彼女は自然との共生のカタマリである~

女猟師が大学に。
立教大学の授業「自然と人間の共生」のゲストスピークは、泰阜村在住の女猟師。
まだ30歳になったばかりの若者である。

この女猟師がなかなかおもしろい。
「けもかわプロジェクト」の代表者でもある。
「獣の皮」と「けものかわいい」を掛け合わせている。
獣の皮を、最大限に活用することを通して、命の大切さを伝えようとしている。
ケモカワプロジェクト → こちらへ

彼女はまさに自然と人間の共生のカタマリ。
村内に最近開設された獣処理施設にも関わる。
処理施設ができるまでは、獣の肉は大部分が山林に捨てられていたという。
一部の肉が、村内の食卓に流れる程度。
それではあまりに獣の命に申しわけない。
獣に敬意を払って、肉も革も最後まで使う。
つまりは命をいただく話をしてくれた。

泰阜村にあって、獣との闘いはシビアだ。
都市部の学生からみれば、とかく都市部では感じる事のない「命のリアル」さなのだろう。
しかし、ふと周りを見渡せば、肉も魚も野菜に囲まれて、命をいただきながら生きている自分に、リアルに気づく。
そのプロセスに学生の学びがあった。

彼女は、実は4年間、NPOグリーンウッドのスタッフだった。
当時一緒に暮らしたこども(もう学生)も、聴講に来てくれた。
スタッフとして働いた後は、泰阜村に残って地域おこし協力隊として赴任し、任期後にもそのまま泰阜村に残って起業した。
残ったという表現は彼女に失礼かもしれない。
若い女性が猟師としても、起業家としても、生き抜いている。
こんなゲストを呼んでくれる大学に感謝しろよ、学生諸君。

代表 辻だいち