「わしらが最初から山賊キャンプを支えてきたんだに」 ~今年も山賊キャンプが始まった~

山賊キャンプの開催地:左京キャンプ場。
その地元集落「左京」地区の役員会に出頭。
「お世話になります」と挨拶にいったが、当然そのまま懇親会に突入。
たくさんの話を聞いた。

集落の人びとの根底にある想いは、「こどもたちのためなら支援を惜しまない」という強い想い。
この集落を流れる左京川。
山賊キャンプでこどもたちが遊ぶ川だ。
山岳地帯の泰阜村では、こどもが安全に遊べる川にアクセスできるところは限られている。
この左京川では昔、小学生の水泳学習が行われていた。
夏になると、集落の人びとが総出で安全に遊べる川を整備したそうだ。
そしてそれはそれは賑やかな夏だったという。
学校にプールができて、この集落から夏のこどもの声が失われた。

そして今、山賊キャンプがこの集落に来て、こどもたちの声が取り戻されたのだ。
こどもたちの声を取り戻すために、集落の人びとは今でも、夏になると川に遊び場を作ってくれる。
今は重機で整備してくれるが。

わずか10数軒しかない山あいの集落の人びと。
その人々が、厳しい自然環境と向き合って、みんなで支え合いながら明るく生き抜いてきた気質。
そして当初から30年もの間、私たちのキャンプを見守り続けてきた集落の人びとの想い。
「わしらが最初から山賊キャンプを支えてきたんだに」
歴史を刻んできた尊い想いに、感動する。
そして行動に移す人々の力に、感動する。
この想いと力が、山賊キャンプを土台から支える。

熊本地震で傷ついたこどもたちが山賊キャンプにやってくる。
左京集落の人びとは、「左京の底力の発揮だな」と力強くうなずいていた。
小さな左京集落の人びとにこそできる支援がある。
そんな強い自信が、彼らの顔にあらわれていた。

この集落の人びとの想い、全国から集まる1000人のこどもたちに届きますように。
世界中から集まる300人の青年ボランティアたちに届きますように。
そして熊本から来るこどもたちに届きますように。

地域の人々の強い想いに支えられて、今夏の山賊キャンプがいよいよ始まった。

8月31日まで、約1000人のこどもたちと、約300人の青年ボランティアが、人口1600人の泰阜村を駆け抜ける。

代表 辻だいち