働くお母さんの研修の場に

2か月ほど前、過去に山賊キャンプにボランティアとして参加していた方からメールで相談がありました。実は奥さんも元ボランティアで、山賊キャンプがきっかけで結婚されたそうです。その奥さんは小学校の先生でこの4月から復職するとのこと。その前に「子育てすること」と「働くこと」を体験的に学び、自信を持って職場復帰をしたい、ついてはグリーンウッドで2週間ほど働かせてくれないか?というものでした。

グリーンウッドは常にこどもがいる職場です。山村留学のこどもや学童のこどもだけではなく、スタッフのこどもがいることも。そういったある種特殊な職場が、復職のリハビリになるのならと、二つ返事で引き受けることになりました。

こちらがかなぶん(キャンプネーム)とのあちゃんです。

こどもがいることに慣れている職場とはいえ、参加したかなぶん、のあちゃんにとってははじめてで刺激的な場所。当初は慣れずにとまどっていたそうですが、今は「1日24時間あっても足りない!」というほど、ここでやりたいことが増えてきたそうです。

2週間を終える前に少しインタビューをさせてもらいました。

―率直な感想は?

2週間過ごすにあたって、いくつか仕事を頼まれたんだけど、思っていた以上にこどもがいながら仕事をするのは大変でした。もっとやりたい!やりきりたいという想いと、こどもにとられる時間のバランスが難しかったです。

ここで過ごしてよかったことは、ひとつは泰阜村の小学校を見させていただき、先生たちとお話しできたこと。そこに元教員の方が地域おこし協力隊として関わっていて、とても刺激を受けました。

ふたつめは、これまで娘と二人きりの暮らしから、スタッフの大人やだいだらぼっちのこどもたちと関わる中で、いろいろな視点で娘を受け入れてくれる安心感、みんなに育ててもらっていると感じたこと。言葉の量が増えたのは驚きでしたし、他人を意識したりと少しずつ自我のようなものを感じました。

あと子育てを終えた人、今まさに子育てしている人、これから子育てに関わる人といった、同じ境遇の人だけでない、多様な人との関わりの中でこどもが育っていく豊かさを感じました。

みっつめは、高校時代からボランティアで関わっていたときに感じた、グリーンウッドスタッフのこどもに接する姿勢や想いと、若いスタッフたちが自分の仕事と世界がつながっていることを意識しながら働いている姿を見て、改めて感動しました。

復職したら、得た学びを生かしてやっていかなければという力みがあったけれど、このままの自分で学校のこどもたちと向きあっていけばいいんだと思い始めています。

―有意義な時間でしたか?

一日が濃すぎて、忘れてはいけないことばかりで。毎日日記をつけてきたけれど、まだ消化しきれていません(笑)。また落ち着いたら話させてもらえれば。

復職前に娘と自然の中で散歩したり、雪遊びをしたり二人の時間が取れたのはよかったです。

大人ふたりの話に飽きて寝てしまったのあちゃん。

我が家のこどもたちものあちゃんと遊ぶことで、また兄弟の関係性も変わってきたように感じました。

社会は響きあい。お互いに助け合い、支え合い、つながる中で育ちあえることが豊かさにつながると信じています。今回はかなぶんたちからの声が上がって実現した受け入れでしたが、もしかしたらこれまでつながれなかった人たちとつながるきっかけになるのではと感じた2週間でした。