小学生が企画!こどもキャンプを開催!計画編

スタッフのだいちゃんです!泰阜村の放課後児童クラブ「いってきました」のある日の様子をお伝えします。

2学期が始まってある日、、、突然一人の男の子が「みんなでキャンプがしたい!」と言いだして、手作りの企画書を作り始めました。

遊ぶ時間も惜しんでもくもくと真っ白な紙に、キャンプの日程、場所、ごはんのメニュー、物品、個人の持ち物、アクテビティー、地区へのあいさつなど必要だと思うことを書いていました。「どうしても2泊のキャンプしたいんだよな。そうだ!金曜日の放課後から始めたらいいんだ!」と、今まで活動の経験と、こどもならではのアイディアをどんどん書いていました。一通り書き終えたら「だいちゃん!キャンプしたいから企画書を作ってみたよ!自分たちで全部やるからやっていいよね?やれる?」とワクワクした表情で私の所に持ってきてくれました。私も「すごいじゃん!いいね!」と返事をしたものの、内心は悩んでいました。もちろん、こどもが「やりたいこと」を伝えてくれることはとても嬉しいです。しかし、一方で週末だと色んな事業があってその中で開催できるのか、期待させてやれなかったら悲しませるなど、色んな感情が頭の中を駆け巡りました。そのため「やろう!」とすぐに返事ができなくて「ちょっと他の人にも相談するね」と濁した返事をしてしまいました。その日から、帰ってくると毎日のように「決まった?」「キャンプやれる?」と声をかけてくるようになりました。その様子を見て思ったことは、その男の子は以前「何かをやりたい」と自主的に発言・行動することが少ない子でした。仲の良いお友達や、年上の男の子に合わせた意見だったり同じ遊びをすることが多かったので、自分の「やりたい」をここまで行動で教えてくれることは大きいこと(成長)だと感じました。きっと、去年度コロナ禍に村内で行った数々の活動が彼の中で生きているのだと思います。

(去年度の様子:https://www.greenwood.or.jp/tane/6540/)

私達は、普段こどもたちが自分で決めた「やりたいこと」を応援しています。それは「やりたいこと」を自分たちで実現するまでのプロセスに学びがあるからです。今回は放課後の枠を大きく超えていてもやるべきと、その男の子の行動から逆に私が教えられました。その想いをチームに共有して、前代未聞のこどもが企画・運営するキャンプに大人(スタッフ)も一緒にチャレンジすることを決めました。そうと決まれば、まず参加する仲間を集めるために放課後児童クラブの仲間に向けてのチラシをこどもたちと作りました。

こどもがイメージ図を手書きして、写真などPCが必要な部分はスタッフが入れ込みました。こどもたちは「楽しそうな感じで、なるべく手作りな感じがいいな。でも、俺は字が苦手だから書いてよ」と同級生の子にお願いしていました笑

チラシの配布を受けてなのか、毎日のようにキャンプを計画している男の子の情熱を感じてなのか、ある高学年の女の子は「私の家、畑をやってるから野菜やお米が調達できるかも、じいじに聞いてみるよ」と言ってくれたり、低学年の男の子は「僕は荷物の準備を手伝うよ」と声をかけてくれたりと次々に仲間は増えていきました。私は、そんな様子を見てとても不思議な気持ちになりました。普段、スタッフから「これやってみようよ!」、「〇〇ちゃん手伝ってよ!」と声をかけても、嫌な顔して「え~めんどくさい」と言われることが多いです。しかし、このキャンプに対しては、背中を押さなくても自ら動いています。きっとこの原動力は、提供している体験ではなくて、自分から「やりたい」と思う自主性が根源だと思います。

集まった仲間と準備開始!当たり前ですが、放課後児童クラブは平日毎日あります。そのを強みを生かしてスタッフと毎日少しずつテントや、ランタンなど物品が使えるのか可動チェックと準備を協力して行います。会話で「ごめん。明日習い事でいないから残りよろしく!」、「OK!いいよ!」と声が聞こえました。こんなに前向きに準備ができるなら、毎回お願いしたいぐらいです笑。

保護者の方や、地域の方から頑張っているこどもたちへと、たくさんのお野菜をいただきました。とても嬉しい差し入れです。お野菜の白菜を受け取るときに、一緒にいた1年生の女の子は満面の笑みで「本当にありがとうございます!」とお礼をしていました。感謝の気持ちがあることはもちろんですが、もう一つ理由があります。キャンプは食材次第でつくれるメニューは変わります。その子は「白菜を使ってシチューを作りたい」と話していたので本当に嬉しかったのだと思います。きっと、この白菜をいただいたことは忘れないと思います。

いよいよ来週末にキャンプを控えたある日、事件が起こりました。いつもの放課後の時間にあるこどもが「あれ!そういえば、当日って保育園の運動会だね。行けるかな。」とぼそっと言いました。その発言で空気が一瞬にして止まり、「あれ・・・・そういえば」と兄弟が参加する子は不安そうにしていました。そして、一から一緒に計画していた男の子からも「あれ・・俺も弟いるし、難しいかも。延期とか・・どうかな」とそわそわして相談しにきてくれて、来週に予定していたキャンプを急遽延期することになりました。スタッフも、こどもたちも村内の予定を把握すべきだったと反省です。延期後の日程は問題ないのかこども、スタッフ、保護者まで一丸となって確認しました。

初めてのことにチャレンジすると色々なことが起ります。しかし、その思わぬハプニングも、こどもたちと一緒に考えながら解決していきたいと思います。次回のブログでは開催中の様子をお伝えします。