季節の草木で布を染める|やすおか暮らしを楽しむ会 てまひま

2年ぶりの開催です。コロナ禍で人が集まるイベントは軒並み中止だった昨年から、むやみやたらに止めるのではなく、十分な感染症対策の徹底をしてやれることはやっていかなければという想いと、周辺地域ではここ数週間感染者も出ていないことから実施することにいたしました。

この「やすおか暮らしを楽しむ会 てまひま」は、村役場とグリーンウッドが協働で行っている事業。村に住む若い世代が村の自然や文化を楽しむことで村の魅力に気づいてもらいたい、またタテヨコナナメの関係を作って、お互いに助け合える輪ができるようにと考えて、2017年に始まった事業です。

今回は草木染。コンセプトは「村の中なら気軽に手に入るもので染める」です。ということで今回の素材はやすおか村ではどこにでも生えているヨモギとキクイモ。果たしてどんな色になるでしょうか?

集まったのは14家庭37名の参加です。4年前の第一回がたった3家族(内1家族はスタッフ)でした。その後回を追うごとに、50名近くの参加者になることもありましたが、イベントができなかったときを考えると感動もひとしおです。

こどもたちも含めみんなでお散歩がてら草を集めようと思っていましたが、あいにくの雨模様のため事前に用意をしておきました。キクイモは葉っぱだけを取り、ヨモギはミキサーにかけていきます。
こどもたちもがんばって作業に参加しています。

いよいよお湯で煮だしていきます。

そもそもこの「てまひま」の会は、山村都市交流を目的にはじまったものです。過疎化と人口減少が進む村に、なんとか移住者を増やせればという目的がありました。しかし村の中を見回すと、せっかく泰阜村に移住してきても関係性が作れなかったり、思っていた生活と違うということ出ていってしまう人がいることもありました。
そこでまずは移住者を集めることよりも、今住んでいる人たちが村を楽しむことが重要ではないかとはじめたのです。

徐々に参加者が増えていったところで、村外の方たちも参加していただける機会を作りました。各回、数家族が参加する状況にもなってきて、軌道に乗ってきたところでコロナが。

今回せっかく再開した「てまひま」。ならばということで、オンラインでの参加にいたしました。さてさて果たして楽しんでいただけたのでしょうか?

その間に模様をつけます。なおみちがいくつか見本を持ってきたので、それぞれの模様がどうやってつくのか、みんな興味津々です。無作為の思わぬ模様も楽しいのですが、「こんな模様になるはず!」と考えてやってみるのもまたおもしろいものです。こどもも大人も真剣でした。

染め物は染液が冷えていくときに布に色が入っていくので、本来であれば1日放っておいた方がよいのですが、今回は限られた時間なので少し速足で進みます。

布を水で洗って、アイロンでちょっと無理やり乾かします。

やはりちょっと上げたのが急ぎすぎたか、思っていたよりも随分薄い色になってしまいました。

それでも参加者のみなさんからは、「スゴイわくわくした」「こんな風に色が出るなって驚いた」ということと、「コロナでずっと人が集まる場所がなかった中で、この会に参加できて本当に楽しかったです」という言葉が。

小さなこどもたちも多く、なんとなくバタバタした会になりました。けれど、みんなが一つの場所に集まって、同じことをやって「共感」を生み出したことが参加者のみなさんにとって、「大切なひと時」になったのではないかと想像しています。

奪われてしまった時間や機会は、改めて人とのつながりの大切さを教えてくれているのだと思います。

次回は川遊び。泰阜村の魅力のひとつの豊かな川で、こどもたちと一緒に思い切り遊びます!