スタッフ研修:児童養護施設 一宮学園

1月末に千葉県にある一宮学園という児童養護施設に、いっちー・ゆべし・おらふの3人で2泊3日の研修に伺いました。

目的は、児童養護施設の環境やこどもたちの様子、スタッフの接し方、考え方から、自分たちの活動に活かせるものを学ぶということです。

研修内容は大きく分けると、こどもたちと一緒に過ごす時間と、座学の時間の2つでした。どちらの研修も私達のためにしっかりと時間を作っていただき「2泊3日では学びきれないので、もう何度か研修に伺わせてほしい」と3人全員が思うほど、驚きと学びに溢れた時間でした。

まず、驚いたのはこどもたちの様子です。2泊3日通して感じたことは、どこにでもいる普通のこどもたちと変わらないという事でした。もちろん、私達に見せる姿と毎日一緒に過ごしているスタッフに見せる姿は違うと思います。ですが、こどもたち同士で外を駆けまわり、宿題を行い、ご飯を食べ、寝転がりながらテレビを見たりゲームをしたりしながら笑い合っている姿は、私がイメージしていた児童養護施設の様子とはかなり違うものでした。

また、小学生未満から高校生までと、グリーンウッドより幅広い年齢のこどもたちが一緒に暮らしていましたが、小さいこどもたちも自分の時間を大切にしつつ、互いのことを尊重しあっていることにも驚きました。また、帰る際に高校生から言われた「小さい子達と遊んでくれてありがとうございました」という言葉に、仲間との深い絆を感じる事もできました。

そして座学の時間。こどもたちの様子にも驚かされましたが、それを支えるスタッフたちの言動に隠された理論にも驚かされました。

まず教わったのは、施設入所児の置かれている環境についてです。児童相談所に何万件も通告されて診断がくだるなか、約2%しか施設入所に至らないこと。そして、施設にいるこどもたちが、傷ついた状況で来ていることや、それ故に出やすいストレス反応、怒りのサイクルを学びました。その後、心の理解の講座や、世界の最先端技術の性被害サポートの話、”生教育”(生きていくために必要な、性教育を含む、自分自身のことや、他人との距離感や関わり方等)や”暴言暴力を用いない対応スキル”という、こどもとより良い関係を築くための伝え方について等、たくさんのことを教わりました。

私も暮らしの学校だいだらぼっちや山賊キャンプ等、様々な現場を経験し勉強してきたつもりでしたが、学ばなければいけない知識はまだまだあるということを改めて感じました。また、今回教わった知識を腑に落とすことができたのは、今までの苦悩と経験があったからこそだとも思いました。理屈や理論でこどもの行動や気持ち、それに対する対応を説明されたことで、今までの自分の言動を振り返ることができたのも大きな学びでした。

今回教えていただいた座学ですが、なんと副施設長や部長という立場の方が、出張前の忙しい時間をさいてまで教えてくれました。これは、一宮学園の仲間づくりに対する意識の強さの現れでもあり、惜しみなく時間も最新の知識も伝えてくれる姿に感謝の気持ちを持つと共に、自分たちの視察対応や新人研修にも活かせるものがあると感じました。また、今回研修に伺わせていただいた経緯も、部長の方が昔山賊キャンプのボランティアとして関わってくれていた縁から来たものであり、そういった繋がりの大切さを改めて学ぶことも出来ました。

今回の2泊3日を通して学んだことは、全て人と人との関係性の中にある事だと思います。こどもの気持ちやそこから表面に出てくる言動。それを理解した上での伝わる声がけや行動。また、こどもを支える仲間づくり。どれもグリーンウッドの活動でも大切にしていることなので、研修を受け入れていただいた一宮学園の皆さまや、送り出してくれたグリーンウッドスタッフのためにも、今回学んだ事を今後の活動に全力で活かしていきたいと思います。

私達の研修受け入れをしていただいた、一宮学園の皆様、本当にありがとうございました。