—今回再び長期ボランティアに申し込んだ理由は?
今年の夏、初めて挑んだ長期ボランティアでしたが、多くの悔いが残りました。失敗もし切れず、できない、カッコ悪い自分を出すのが怖くて、安牌を狙って動いてしまった後悔もありました。そんな後悔を克服したかったことが一つあります。また、今年の夏グリーンウッドで、長期ボランティアからそのまま短期インターンシップをして、2ヶ月近くを過ごす中で、今年休学を決めた自分の中の克服したい弱さの実態が見えてきて、グリーンウッドでの期間がその弱さと向き合うスタートになりました。少しずつ感じている自分の変化が本物なのかどうかを確かめたくて、悔しさの残る夏の山賊キャンプのリベンジとして冬の山賊キャンプの長期ボランティアに挑戦しました。
—こどもとの関りから学んだことは?
やりたいことを我慢しているこどもに対して、「もっと自分勝手に生きていいんだよ」と言ったときに、その子が「自分勝手はよくない」と言ったんです。その子とのやりとりをする中で、”自分らしくいること”と”自分勝手”の違いに気づくことができました。自分勝手にならないように自分らしさを抑えてきたつもりだった自分にとっては、自分らしくいることも自分勝手でいることの違いがいまいち理解し切れてないなかったのだと思います。ハッとさせられた一言でした。
また、人を疑わずに信じるこどもたちの姿から、相手を受け入れるとはどういうことなのか教えてもらったように思います。もちろん相手に怒ることもあれば、仲間とぶつかることもあります。だけど、怒ってもいいぶつかってもいい。その場所を共にする仲間として、その場がより良くなるように相手と折り合いをつけていくこどもたちの姿はすごくかっこよくて、多くのことを教えてもらいました。
—スタッフとの関りから学んだことは?
今回実は、自分の浅はかな行動で、本部の他のスタッフに迷惑をかけてしまうことがありました。おそらく前の自分だったら自分を責めて、勝手にかなり落ち込んでいたことだと思います。ただ、このグリーンウッドという場所は、失敗を否定的にみたりするような人がいないという安心感があったからこそ、この長期ボランティア期間中に、この失敗を取り戻せるように行動でしっかり示していこうと思ってそこから動くことができました。そんな風に思ってそうやって動くことができたのは、紛れもなく、グリーンウッドのスタッフの皆さんが、丁寧に愛情を持ってボランティアの人たちやこどもたちと向き合ってくれているからに他なりません。そんな場所はなかなかないのかなと思います。本当にありがたい場所だとこの失敗を持って改めて実感しました。人を信頼し、仕事を任せることの本質のようなものを体現してくれていた長老たちの姿から共に一つのキャンプを作り上げる仲間として、本部をやらせてもらって、本当に多くのことを学びました。
—本部スタッフとして学んだことは?
実施中、熱を出すこどももいる中で、自分の一つ一つの行動が、キャンプを無事終わらせることに直結している感覚がとてもありました。自分はフード担当として関わりましたが、おそらくナースとして関わったらそれはそれでその責任のようなものを強く感じていたかと思います。
そういった責任は夏の自分にはあまりにも重くのしかかり理解も行動も追いつきませんでしたが、2回目ということもあり、今回冬キャンプではその責任を全うできるように日々丁寧に過ごすことができたように思います。決して楽ではないけれど、自分のまぁいいかが、このキャンプを崩すことにつながるかもしれないという危機感と共に、まあいいかを見て見ぬ振りせず、その時の自分のできる最善の行動を積み重ね行くことの達成感のようなものをキャンプを通して感じることができました。未熟な自分の最善だから、時として足りないこともあるけれど、それは自分がその時知らなかったことである以上悔いても仕方ないので、指摘をもらったなら次の機会から改善していく。そんな心持ちで過ごすことのできた今回の本部はやりがいにあふれていて、学びが非常に多く、とてもありがたい経験をさせていただきました。
また、2つ目の長老コースの最中に、お年取りコースの子たちとの思い出を思い出す瞬間がありました。目まぐるしくたくさんのこどもたちと接することになる長期ボランティアですが、その目まぐるしさの中でも、しっかりとこどもたちとの時間が、その記憶が自分の中にあることを感じることができたのは何だかとても嬉しいことでした。これはいくつものキャンプに出れる長期ボランティアをしたからこそ感じる幸福感だなと思います。
—これから長期ボランティアに来るか悩んでいる人へ、一言!
自分を試したい、新しい自分を見てみたい。そんな想いを、温かく愛情持って見守り、手を差し伸べてくれる場所でチャレンジができます!長期ボランティアと聞くと、相談員にはない難しさがあるように感じるかもしれませんが、だからこその長期ボランティアの良さが必ずあるし、そんな良さを実感させてくれるのが山賊キャンプです!チャレンジする勇気さえあれば必ずみのりある時間になると思います!ぜひやってみてください。

地域での子育てに関心を持ち、2014年に新卒でグリーンウッドに就職。大学時代、間伐ボランティアをやっていたことから、現在は泰阜村の森林を生かした活動に関心がある。また妊娠・出産を経て、子育てに奮闘中。2児の母。