山賊キャンプOGで山村留学「だいだらぼっち」の卒業生のくるが、山賊キャンプの長期ボランティアとして帰ってきました。こども時代から、そして大学を卒業し、今回ボランティアをした経験から学んだこと、感じたことを聞いてみました。

ーはじめてキャンプに来たのはいつのこと?
申し込みしたのは多分、小4の夏。ただ、その組はインフルでなくなっちゃって参加できなかったんだ。山賊キャンプにこれなくて心残りで、だいだらぼっちに興味を持ったの。家事とかは家でやってたし、他の子よりもできる自信もあったけど、1年間家を離れて暮らす実感はそんな持ってなかったんじゃないかな。
多分純粋にワクワクしたんだと思う。仲間と暮らすことや、話し合いをして暮らしを創っていくこと、こどもたちの手でやることにワクワクしたんだと思う。深くは考えなくても心が動いて参加に繋がった。キャンプには、だいだらぼっち参加中の小5の年の夏に、念願かなって参加したよ(笑)
多分純粋にワクワクしたんだと思う。仲間と暮らすことや、話し合いをして暮らしを創っていくこと、こどもたちの手でやることにワクワクしたんだと思う。深くは考えなくても心が動いて参加に繋がった。キャンプには、だいだらぼっち参加中の小5の年の夏に、念願かなって参加したよ(笑)
ー実際キャンプに参加してみてどうだった?
族でご飯作ったことや川遊びしたこと、肝試ししたことや川から水を汲んで運んだこと。イモテンで寝たことなどたくさんのことを覚えている。
1年間やるだいだらとは期間が全く違うから、友達との関係性は一瞬で過ぎ去ってしまったけど、遊びとかその期間を満喫する視点で言うと、濃い時間だった。遊びに全力投球したから、家に帰って遊び疲れてクタクタになったのを覚えてる。そうやって遊ぶことは地元じゃできなかったから自分が小さい頃に学べたいい感覚だった。
ーだいだらぼっちに参加しての変化は?
自分もそうだけど誰かの働きの上で、暮らしは創られていることに気づいたかな。
あとは、だいだらに参加する前には、そこまで自分の言葉や発言が尊重されている感覚がなかったから、言わなくていいかと思うことあったんだけど、だいだらぼっちの暮らしは違う。ホワイトボードにみんなの意見が書き起こされて、ここだとみんなが自分の意見を大切にしてくれると思えた。だから自分も一緒に暮らしが創れたと思う。

ー山賊キャンプにボランティアとして出てみてどうだった?
一番印象に残っているのは、ある日の夕飯のメニューを決める話し合い。一人の子が「誰も自分の主張を聞いてくれない」と輪から外れて黙り込んでいたんだよね。他のメンバーにそれを伝えると、多数決だからいいじゃん、という言葉が返ってきて。それを聞いて、結果的に多数決で物事が決まったとしても、そのプロセスの中で、全員の主張をみんなが聞いたという時間がとても大切なんじゃないかとこどもたちに伝えると、みんなの態度が少し変わったように感じた。そこからもう一度話し合ったんだけど、こどもたちが人の話に丁寧に耳を傾けているように感じて。結果、当初より材料を少し増やし、みんなの意見が加味されたメニューを作るという風に最後はまとまった。自分が感じたことをこどもたちに伝えるのはとても勇気がいることだけど、それでも言葉を伝えられたのは、私自身がこどもと真剣に向き合えたからだと思う。大人やこどもに関係なく、1人の人間として居られる環境が、山賊キャンプにもだいだらぼっちにもあってそうした関りが出来たことが良い経験になった。

ー今回、ボランティアを通して学んだこと得たものがあれば
今は自分自身で場所を借りて、こどもが集えるコミュニティカフェの運営をしているんだけど、その活動の中で、他者の話をきちんと聞くことや、その言葉の背景にどういったものがあるのか想像力を働かせることが大事なんじゃないかって思っているんだよね。ただ、私がそれをできても、場でそれをやってくのが難しくて。だいだらぼっちではそれを当たり前にやっていたから、どうやってその場ができているのか知りたくて今回はボランティアで帰ってきた。
スーパー2組に参加して、他者の言葉を尊重して素直に聞くことが対話に繋がって、色んな物事が決まっていったりモヤモヤしていたことがすっきりすることが、改めて他者と暮らす上で大切なことなんだと気づくことができた。それは学校で学ぶような一つの正解を追い求めるやり方でも、絶対的な何かに頼って物事を決めるものでもない。その場で生まれる言葉に耳を傾け、自分とは異なるそれらを尊重し、一つの方向性を決めていく、そしてその繰り返しを絶えず行っていくような”対話”だと思う。その大切さに気付くことができたのが一番の学びになりました。
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自分のペースでやりたいことに向けて、一歩一歩を積み重ねている、くるにインタビューしていた時間は、私にもたくさんの気づきを与えてくれました。グリーンウッドが大切にしている話し合いの営みは、こうしてこどもたちの中に浸透し、広がっていくのでしょう。私たちが行いたい”未来づくり”を再確認するようなひと時でした。くる、2週間ありがとうございました!

地域での子育てに関心を持ち、2014年に新卒でグリーンウッドに就職。大学時代、間伐ボランティアをやっていたことから、現在は泰阜村の森林を生かした活動に関心がある。また妊娠・出産を経て、子育てに奮闘中。2児の母。