だいだらぼっちの卒業生にインタビュー まる(2003・2005年度参加)

今の職場は話し合いを大切にしているんだけど、そこに居心地の良さを感じたのは、だいだらぼっちでの経験があるからかも。

だいだらぼっちの卒業生・保護者にインタビューするこの企画、今回はだいだらぼっち18・20期生のまるです。

まるは、だいだらぼっち十八年目(2003年度)と二十年目(2005年度)に、小学6年生と中学2年生という飛び石の二年間をだいだらぼっちで過ごしました。細いのによく食べる燃費の悪いタイプな上に、おなかが弱い(笑)、意外と気を遣う、繊細なまる。小学生の頃はだいだらぼっち内の同級生も多かったので、よくふざけてたイメージもあります。それではインタビュースタート!


  
ーお久しぶりです。早速ですが、自己紹介をお願いします。

小6と中2(2003年度、2005年度)で参加していたまるです。今は妻と2人暮らし。あとはチャボ(にわとり)を2羽飼っています。仕事は小学校教員です。趣味はゲームとお酒。毎日妻とにわとり愛でながら晩酌してます。

ー小学校教員ということですが、どんな学校ですか?そしてどんなことを大切にして教員をしていますか?

『きのくに子どもの村学園南アルプス子どもの村小学校』という山梨にある私立の小学校で働いています。ちなみに妻とは職場結婚です♡(笑) 
ちょっと変わった学校で、1つのクラスに1〜6年生の子どもたちがいる縦割り。クラスそれぞれにプロジェクトがあって、それぞれのテーマは木工、古民家改装、料理、農業、演劇といった感じ。自分は『劇団みなみ座』というクラスで活動しています。一番大切にしていることは「楽しめる」っていうことを考えて仕事をしています。どんなことでもまずは楽しい!って思ってくれればその先に繋がると思ってるから。

ーお仕事で大変だったことや困ったことはありますか?また、それらをどう乗り越えてきましたか?

毎日困って、仕事が終われば今日も大変だった!って思ってるかも。子どもの行動の中には、予測不能な事がたくさんある。それが学校の方針と異なっていたり、誰かの迷惑になったりしているときは、それは困るとかやめてほしいと伝えるけど、子どもの話は面白いから、いかに彼らの発言を学習活動に繋げるかを意識して仕事をしている。そうやって対応できるように、大人としての下準備や心構えをしている。でも、子どもならではの発想は豊かで、大人の固定概念や想像を簡単に飛び越えてくる。それを大人がフォローして、挑戦させてあげられる環境が今はある。大変さや困難は大人の力ではなく、子どもの力で乗り越える場面が多く、大人の役割は結局いかに寄り添えるか、ということ。変に手を出さない我慢が大変だけど、結果として子どもたちがつくりあげるものは面白いし、こどもの充実感にもつながる。ま、結果大人は乗り越えようとして乗り越えていなくて、子どもが勝手に乗り越えていってるって感じ!

ーそれってだいだらぼっちに似ているね。面白い。
お仕事をしていてよかったと思うことや、一番の思い出などあれば教えてください。

なんだかんだ毎日が楽しい!!子どもと「あ〜でもない」「こ〜でもない」って相談しながら活動をすすめていくのがこの学校で働いている醍醐味だと思う。
教員免許は取ったけど、先生と児童って関係になるのが嫌で「何で少し年取ってるだけで、敬語を使われなきゃいけないんだ!」って考えていたから、小学校の先生になるのは嫌だった。けど、子どもの村は変なしがらみがなくて、大人も子どもも対等でいられるのがいい!
1番の思い出は子どもたちが結婚式をしてくれたこと。結婚式を取り仕切ってくれる委員ができて、毎日のように集まって相談してくれていたのはすごく嬉しかった。式当日も子ども達が手作りした指輪を交換したり、ケーキ入刀じゃなくて、丸太入刀をしたりと手作り感満載で世界一の結婚式だったかな(笑)。

ーみけもその結婚式見てみたかったです。きっとあったかい結婚式だったのでしょうね!
今のお仕事に就くまでに、まるが体験したことなどきっとたくさんあると思うので教えてください。

今の仕事につくまでは・・・フラフラしてた(笑)。あんまり書くことはないんだけど(笑)。
ニート時代はだいだらぼっちOBのけーたとか元キャンプボランティアで今は長崎にいるオーガイとかと遊んでた(笑)。遊んでいるとなんだかんだでお金が必要だから、せっかくだし今後絶対にしないことをしてみよう!ってことで葬儀関係の派遣で働いたこともあったよ。少しだけだけど。

ーそうなんですね。みけが知っているまるのバイトはカラオケBOX時代止まりです(笑)。
最近結婚されたまるですが、新しく家族をもって、こどものころには気づかなかったことや改めて感じたことなど何かありますか?

う〜んなんだろう・・・・あるかな〜?・・・晩酌相手がいるのは極上です!
とか言ってたら妻が答えてくれました。
「自分が子どもの頃に見ていた大人は毎日あんまり楽しくなさそうだった。しかも結婚するってことがあんまりプラスに思えなかった。でも、結婚してみたら、毎日が自由で楽しかった」と言っております♡

ーあらまあ、ごちそうさま(笑)。まるはいったいどう思っているのやら…!?(笑)。ところで、まるがいたころのだいだらぼっちはどんな感じでしたか?

6年生のときは旧母屋が取り壊されて新母屋に建て替わった時期だったよね。GW合宿で母屋お別れパーティーをしてた。その連休のすぐ後に学校から帰ってきたら、母屋が柱だけになってたのは衝撃的だった!(笑)
新母屋建設中はあんじゃねと六軒長屋を使っての生活だったから、時間になっても人が集まらなくて大変だった記憶があるな。夜ご飯の後にすぐ話し合いがあるなら、部屋に帰るのはやめよう!とか、あんじゃねは洗い場が狭いから、ごはんの後は食器洗い当番をつくろう!とか、環境が変わって起きた問題を話し合いで解決してたと思う。けどそれは、その年だけじゃなくて毎年のだいだらぼっちだと思うけどね。(笑)


中2の時は自分が年上になったのを実感したかも。小6のときは中2のらっきーとか中3ののび~るとか頼りになる存在がいて、安心感が自分の中にあったと思う。けど自分が年上っていう存在になると、自分がしっかりしなきゃと空回りしていた気がする。話し合いを早く終わらせるために、俺たちでガンガンすすめようぜ!的な感じで池添(当時の同級生イケ)と相談して話し合い進めていたら、「そういうことじゃない!」ってとの(当時のスタッフ)に怒られた気がする(笑)。

ー今話してもらっているように、まるは6年生の時に一度参加して、帰って、中2の時に再度参加しましたよね。あの時はどんな気持ちだったか覚えていますか?覚えていたらその気持ちや再参加したときの自分の気持ちなど、どんなだったか教えてください。

すごく特別な気持ちがあったわけじゃないんだけど・・・まだ行けるタイミングだったし、 チャンスがあるならもう一回だいだらに行きたいなーって思ったんだよね。
小6と中2じゃまわりの見え方がまったく違かった。小6の時は自分のことで精一杯だったけど、大きくなると、全体が見えて、今するべき仕事とみんながしたいことを冷静に考えられるようになったかな。仕事ばっかりじゃ疲れるし、したいことばっかりなら、生活ができなくなるし・・・何事もバランスが大切かな!
なんか質問と答えが一致してないね(笑)。

ーそう?(笑)チャンスがあるならもう一回だいだらに行きたいと思ったということだけど、それは何かやり残したことがあったの?それとも違う年齢で参加してみたかったの?あるいはほかの理由?

やり残し&違う年齢で、のどっちもかな。やり残したことは、具体的にこれ!っていうのはないんだけど…。だいだらぼっちの生活って1年目よりも2年目の方が楽しめるかなって、卒業してから思ったんだよね。まわりのことも見えてきて、自分のしたいこと、全体でする仕事とか、上手く段取りできれば、もっとだいだらぼっちを楽しめるんじゃないかなって。

ーなるほど、だいだらぼっちでの違う世界を見たかったってところかな?
当時の出来事で一番印象に残っていることはなんですか?また、面白エピソードがあったら教えてください。

確か、祭りのときにした「だいだら万博」!いくつかのパビリオンを作って自分はだいだらぼっちの歴史を振り返るパビリオンを担当したんだけど、その準備が大変だった(笑)。
当時の現役や相談員、出来事を模造紙、何枚もつかって年表にしてまとめたんだけど、かにさんかみけが「ちゃんと一枚にまとめたのは初めてかも。これは絶対に取っておこう!」的なことを言ってくれて、すごく嬉しかったのを今でも覚えてる。後は、今までの写真を整理してファイリングしていったのが、思いの他大変で、しんちゃんとか池添と夜遅くまで仕事してた。なかなか進まなくて、キレるしんちゃん見て笑ってた(笑)。

ーあの年はだいだらぼっち20年目で、20周年パビリオンの担当にみけもなって、年表を一緒に作ったことを覚えています。実はあの年表、25周年の記念アルバムを作るときにだいぶ役に立ったんだよ。事務所の印刷室の奥からほじくり出してきたもの(笑)。あれが無かったらもう一回みんなの記憶を掘り起こさなきゃいけなかったから、ほんと、助かりました!
そんなだいだらぼっちでの暮らしは、今のまるにどんなふうにつながっていますか、あるいはどんなふうに位置づいていますか?

自分にとってだいだらぼっちは第二の実家。だいだらぼっちでの暮らしでこれを獲得した!これを学んだ!っていう明確なものはないんだけど…。やっぱ帰ったら、安心できる場所。
グリーンウッドがしている山賊キャンプに相談員として参加した時に、子どもってなんて面白いんだ!って思って、漠然とだけど、将来子ども関係の仕事をしたいな〜、と考えたんだよね。それなら子どもをもっと知らないとだめじゃん!って長考した結果、大学に行って教員免許を取ろう!!だった。だから、今の仕事があるのがだいだらのおかげかも(笑)
それに今の職場は話し合いを大切にしているんだけど、そこに居心地の良さを感じたのは、だいだらぼっちでの経験があるからかも。

ーあと、たまちゃん(元スタッフ)とここ(グリーンウッド)で出会ったからだよね!今の職場に紹介してくれたんだもの!めぐり合わせ、縁とは不思議なものですね。
まるが今夢中になっていることはありますか?あれば教えてください。その魅力も!

みんなでお酒を飲む!職場の人とすごく仲がいいんだけど、その人たちと真剣な話をしたり、他愛もない会話をしてるのがストレス発散になってるかな。
自分はインドア派で家にいるのが大好きなんだけど、まわりが超アウトドアな人たちだから、 キャンプとかに連れ出してくれるんだよね。ありがたい!

ーインドアのまるはすごく想像できるし、誘われて喜んでるまるもすごく想像できる(笑)。そんなまるの夢を教えてください。

しんちゃんに焼肉をおごってもらう。ちゃんと就職したら、高級焼肉をおごってくれる約束があったんだけど、毎回誤魔化されてる。

ーあら、意外とすぐに叶いそうな夢だった(笑)。ぜひしんちゃんと交渉を続けてください(笑)。
最後に今のだいだらぼっちのこどもたちにメッセージをお願いします!

難しいな(笑)。
何してもいいけど、かにさんを大切に!

ーありがとうございました!すごく短いけど、きっとOB・OGみんなが思っていることのような気もします。

 

まるが働いている場所はだいだらぼっちのようにこどもたちを主役にして、大人も一緒にワクワクを追い求めているところ。気が弱くてすぐにおなかにきちゃうまるが、こんな風にこどもたちと野太く活動し、しかもそれをまるがとても楽しんでいることがとってもうれしいです。今度まるがだいだらぼっちを訪れてくれた時には、一緒にこどもたちとのワクワクについて、呑みながら話したいです。その日を楽しみにしているので是非奥様と一緒に来てくださいね!