1年間あるからこそ長い時間をかけてチャレンジできることの一つが、『米作り』です。5月の田植えから始まった米作りは、10月の稲刈り、11月の脱穀を経て一通りの作業を終えました。
脱穀では朝からこどももスタッフもみんなで集まり、段取りをとって早速スタート。係のこどもが仕事内容を共有し、その仕事をやりたい人が手を挙げて担当者を決めていきます。
まずは稲架にかけていた稲を一箇所に集めて脱穀機にかける作業。次から次へとやってくる稲をさばくのに必死で、黙々と作業をしていました。
こちらは脱穀機から出てきたワラにもみがついていないかをチェックしながら仕分けるチーム。地道な作業ですが、「全体の収穫量にも関わってくるから」と集中して確認しています。
そして、残ったワラは粉砕して田んぼに撒いたりもしますが、一部はトラックに積んで持って帰ったりもします。
なぜなら、ワラも自分たちの暮らしに活かす大切な資源だからです。
「ニワトリ小屋の床に敷くために使いたい」「ワラを使って猫ちぐらを作りたい!」「粉砕したワラを畑にも撒いて、畑の土を良くしたい」「ワラの釉薬を作りたい!」
自分たちで生み出したものを、より豊かな暮らしをつくるために活用しています。
作業が進んだところで、休憩時間には集めたワラのベッドで一休み。
「意外とあったかくて気持ちいい〜」とのこと!
その様子を見て、僕も!私も!とワラに集まってきました。
少し休憩したら、切り替えて再び作業開始!作業も進み、人手が余ってきたころに今度は落穂ひろいも始まりました。「こんなにいっぱい落ちてる!」「もったいないよ〜」と言いながら一粒一粒丁寧に集めています。
それぞれがいろいろな役割をもち、時には交代をしながら作業を進め、午前中になんとか脱穀を終えることができました。
いつもは途中で飽きて、ついつい虫取りに夢中になったり、座っておしゃべりをしたりしてしまうこどもたちも、今回の脱穀ではそれぞれが集中して最後まで取り組んでいました。
これまでの田んぼ作業は苗を植えたり、田んぼに生える雑草を抜いたり、稲を刈ったり・・・。作業内容やゴールは明確で分かりやすいですが、同じ作業を繰り返すからこそどうしても途中から飽きてしまいます。毎回「ちゃんとやってよ!」「ねえ、なんでやらないの!」と、コツコツと作業しているメンバーから厳しい言葉が飛ぶこともありました。
しかし、今回の脱穀ではさまざまな役割があったので、休憩をとるたびに段取りをとりなおし、こまめに役割分担を変えながら進めていきました。そうして、一人一人が自分でやりたいと思ったものを選択し、それぞれが役割をもったことで“全員で”力を合わせて作業をすることができたのだと思います。
「自分には何ができるのか」「何がしたいのか」を考え、自らの意思で役割を担うことが、それぞれの力を発揮できる場づくりにつながっていくのだと感じました。
大学卒業後、自分自身の視野や価値観を広げるためにデンマークとネパールに留学。海外で共同生活やホームステイを経験するなかで、”暮らし”から得られる学びや、実際に”体験する”ことの価値に気づく。「暮らしから学ぶねっこ教育」を実践するグリーンウッドの事業と考え方に共感し、参画。