考えることをあきらめてはいけない ~260人の学生とともに~

立教大学で秋学期(後期)授業が始った。
「自然と人間の共生」という授業。
自然と人間の関係性がどうあるべきかを「考える」のがこの授業の目標だ。
その達成のための教材として、泰阜村での自然と向き合う人々の暮らしや、その暮らしを土台にした教育活動を紹介する。
後期は新座キャンパス。
あてがわれた教室は、なんと500人以上も入る大教室。
「こんなに広い教室でやるのか」と、ちょっと圧倒された。

秋学期もまた履修学生が260名までふくれあがった。
まばらに見えるが確かにその人数だけいる。
そんなに人気があるのかな、この授業が。
学生さんに「なぜこの授業を履修したのか?」という理由をリアクションペーパーに記入してもらった。
「ちょうどこの時間が空いていた」
「単位を取りやすいと先輩から聞いた」
正直に書いていいよと言いましたが、本当に正直な学生だ。
なるほど、人数が多いわけだ(笑)。

一方で、友人・先輩から前向きにすすめられている理由もある。
「友人から、絶対とるべき授業と聞いていた」
「昨年、抽選で外れてしまったので、今年はリベンジです」
「春学期に、先生に教わった友人にとてもすすめられたので!」
ありがたい限りだ。

次のような理由も多かった。
「今まで見たシラバス(授業計画)の中で一番魅力のあるシラバスだったから」
「往復10時間もかけて先生が講義に来るという授業がどんなものか気になったから!」
「10時間もかけて来ることに驚き、なにか一本筋の通った熱意があるんじゃないかなと想ったからです」
そりゃそうだよな、私が学生でも、そんな先生に興味を持つと想う。
ワクワク感が、学生を衝き動かしたのかもしれない。

「自分は都市部で生まれ育ったのであまり山村の暮らしがわからず、接点もなかったので学ぶよい機会になる」
「まちづくりやSDG’sに以前から興味があるのでこの授業はストライクゾーン。震災の話も聞けるということでさらに興味がわきました」
「出身が田舎だったのもあり、限界集落の気持ちが少しわかるのではと感じました」
「震災のことや社会問題についてさらに詳しく知りたい」
こんな理由も多く見受けられた。
そう、考えよう。
今後、自然と人間の関係がどうあるべきなのかを。
この数年、自然災害が後を絶たない。
今年も台風の被害に心が痛む。
現状から一歩出よう。
考えることをあきらめてはいけない。

「いつも受けている授業は先生が話したことをただ聞くだけの授業だったけど、今日の授業はいつもと違って積極的に参加していく授業でとても興味深かった」
「自分が春学期に履修していた講義は100%生徒が聞くような形態だったので、最初からびっくりした」
「とても広い教室で先生との距離も遠いなあと思っていたので、参加型の授業で面白かったです」
「最初にやったワークや席替え、ディスカッションなど、思い描いていた授業かも!と思いました」
「すごい大人数で、最初はうるさくて大変にならないかなと思っていましたが、今日の雰囲気もよくてすごく受けやすいと思いました」
「この大教室でグループ活動のようなことをしたのは初めてだったのでとても面白かったです」
「他の学科の人、他の学年の人と知り合えてよかった。普段の授業ではみんな遠慮して教授の質問にも手を挙げづらいけど、今回の授業は良いスタイルだと感じた」
「参加型のアクティビティから始まり、全カリで他人と交流する機会は少ないので、アットホームな雰囲気に期待が高まりました」
授業後の感想は、他人と一緒に考えること、他人と関わることで場があたたまることを感じた言葉が並んだ。
さあ、260名の若い力と、毎週毎週、未来について考えようと想う。

代表 辻だいち