今、「希望と未来」を語るんだ ~NPO法人化20周年にやるべきこと~

5月は私の誕生月だ。
51回目を迎える。
人生にとって、ものごとにとって、節目はどんな意味を持つんだろう。
震災から5年、10年にどんな意味があるのか。
考えても答えが見つからないものもある。
一方で、やはり節目や区切りは意味があるな、と想うものもある。

4月21日。
私たちにとっては、少々特別な日でもある。
20年前のこの日、2001年4月21日。
私たちはNPO法人化した。
それまでは任意団体として活動してきた。
何がなんでもNPO法人に!というわけでもなかった。
何でもよかったというと語弊がある。
が、ちょうどNPO法が施行されたタイミングだった。
その時点での私たちの考えと、NPO法の趣旨がある程度一致した。

21世紀に切り替わる時代。
そのころ、中央教育審議会や生涯学習審議会で「生きる力」が提唱されていた。
国全体に、青少年の体験活動を強く推し進める雰囲気が漂っていた。
その真っただ中に、時代の流れに押されるように法人化。
まだ私も30歳前後。
今は年配のスタッフもまだまだ若かった。
勢いがあったのかな。

そのころ、どんな文章を書いていたのだろうとふと想う。
私は1999年7月からグリーンウッドのHPにコラムを書き続けている。
20年前のコラムをのぞいてみる。
とがっている(笑)
もう、一所懸命、必死な文章だ。
でも、30歳そこそこでしか書けない文章、発せない言葉なんだと想う。
自分にもこんな時があったんだな(笑)
やっぱり文字は残しておくべきだと想う。
※HPの私のコラムに入ると読めるのでご笑覧ください(笑) 文章が若くて若くて…

20年前の2001年4月に法人化。
10年前の2011年4月は東日本大震災直後。
今はあたりまえとなった私の大学授業も4月からスタートしている。
法人化とは関係ないが、30年前、40年前、50年前と、想い出してみるに、大きなできごとの前後と重なっていた。
節目に意味があるのかと想うが、俯瞰してみると一定の法則みたいなものがあるのかもしれない。

今、2021年。
コロナ禍真っただ中で迎えたNPO法人化20年の節目。
祝賀会などやってる場合じゃない。
視界が晴れぬまま、2年目の低空飛行に入っている。
いつ燃料が切れるのか、いつ方向感覚を失ってしまうのか、その恐怖と向き合い続けている。
今こそ、20年という時の試練に耐え抜いた実践の価値が問われる。
20年前のようなはじける言葉はもう書けない。
しかし「天命を知る」50歳代だからこそ書けることがあるのだろう。
この危機的状況をいかに乗り切ろうとしているかを、記録しなければ、書かなければ、発信しなければ。
厳しい現実を受け止め、世に問うんだ。
次のステージ、未来を提唱するんだ。
言葉を産み出す時間がないと「後まわし」にしたくなる。
が、その「後で」は、永遠に訪れない
苦しいけど、今、未来を語るんだ。

丁寧に言葉に紡ぐことをあきらめてはいけない。
視界が晴れたその先に、混沌とした営みのその先に、きらめく言葉が産まれると信じている。
20周年にやるべきことは「発信と提唱」だ。