【研修事業】川のリスクマネジメント講座 @伊那谷親子リフレッシュプロジェクト

先日、伊那谷親子リフレッシュプロジェクトのみなさんに「川遊びを中心としたリスクマネジメント講座」を行ってきました。

こちらのみなさんは、2011年の福島原発の事故後から南相馬の親子を招待しているそうです。様々な体験を提供している中で、特に川遊びの際に危ない場面がいくつかあったとのこと。ぜひメンバーの危機意識を高めるためにも講座をお願いしたいということでした。

まずこちらから伝えたのは

・リスクマネジメントは「知識」と「経験」の両方が必要ということ

・危険には「リスク」と「ハザード」の2種類があること

・リスクマネジメントがなぜ必要なのか?

という基本を伝えます。ひとつめの「知識」と「経験」ですが、どうしてもリスクマネジメントを教えてほしいというと、「知識」を求められがちになります。特にケガや有事の際の対処法を聞かれます。もちろん対処法を知っておくことは重要ですが、それ以上に大切なコトは、「危険な状態にならないようにするにはどうしたらよいか?」です。また「何が危険か?」という知識を伝えても、自然は場所や状況、環境、天候によってそのリスクは変わります。それらを見抜く経験がなければ無意味なものになります。

今回は、「使える川遊びの安全講座」を目指し、プロジェクトのみなさんが使っている川に特化して、専門的な要素は出来る限りわかりやすく伝えるように努力しました。

そこで参加者のみなさんから「川の危険」を出してもらい、まずは経験レベルをチェックさせていただきます。それぞれ発言してもらうことで、自分たちの活動を立体的に思いだし、講座で話される内容とリンクできるようになるからです。

「知識」と「経験」が大切、と言っても川遊びには特別な知識が必要です。川の基本の「セルフレスキューファースト」の考え方から、「ハイポサーミア」「パニック」「ストレーナー」など知らないと対応できない危険についてや、「セーフティートーク」の重要性、川遊びの体制作り、「範囲設定」「点呼」の重要性などを重点的にお話ししました。

川遊びは専門的知識がとても多い。ですがそれをこどもにそのまま伝えると理解されません。私たちが「山賊キャンプ」で実践している、こどもが理解できるように伝える方法もお伝えします。

その後、「もしも」の際の心臓圧迫とレスキュー呼吸を合わせたCPRとAEDの講習をして終了3時間の講座はあっという間に終了しました。

みなさんとてもモチベーションが高く、積極的に取り組んでいただきとてもやりやすい講習でした。

思う存分遊ぶことそのものがこどもを育てます。その場が失われつつある現代社会では、大人が「危険」について、「なんとなく」ではなく「事実として」理解する必要があります。そのためのお手伝いをこれからも続けていければと考えています。