2021教師指導者育成プロジェクト~モアイ 7、8月の研修報告~

 NPOグリーンウッドでは、次世代を担う教師を育てる「教師・指導者育成プロジェクト」を実施しています。育成プロジェクトでは山村留学だいだらぼっちや信州こども山賊キャンプなどグリーンウッドの様々な事業に関わり、こどもたちと生活を共にし、実体験を積む中で人間としての土台を拡げることを目的にしています。今年度参加者のモアイ(森 大樹さん)の7、8月のプロジェクト研修報告です。

 夕方以降に学童やだいだらぼっちのこどもたちと関わるという日常。それ以外の時間で山賊キャンプの準備(キャンプ場の設営やコロナ対策の会議)を進めたという7月。山賊キャンプの相談員としてキャンプに出させて頂いたという8月でした。

 

「学童」
 学童で考えたことは、ここの豊かさは何かということです。これまで学童ではこどもたちと一緒に畑で野菜を栽培し、それを調理して食べることや、一緒にサッカー等の外遊びをすることに時間をかけてきました。それはそれで有意義な活動だと思うのですが、だいだらぼっちのこどもたちと近くの森にクワガタを探しに行ったりする中で、近くににいろいろな生物が生息している森があることがここの豊かさではないかと考えるようになりました。なので、7月の学童ではできるだけこどもたちと森に遊びに行くこと、学童以外の時間では一日一回森に足を運びここでどういう遊びができるかをイメージすることを行いました。


 これを実践してみて、良かった点はこどもたちは森で、虫取りや景色および、うっそうとした雰囲気等をそれぞれ楽しんでいたこと。逆に気になった点としては、自分が数人のこどもを連れて学童の施設から離れてしまうため、残りのスタッフへの負担が大きくなる可能性があるということ。この解決策としては、学童前などの隙間時間に自分の考えや今日こどもたちと何をする予定でいるかを共有すること等が挙げられるので、それを意識して行いたいと思います。

 

「キャンプ」

 初めて山賊キャンプの相談員をさせて頂いた中で、特に感じたことは2点です。1点目は「ありがとう」をちゃんと言葉にすることの重要性です。ある組ではいろいろな族の問題点がある中で、「ありがとう」をいっぱい口にすることを族の相談員と共に意識しました。正直その効果があったか否か、こどもたちの様子からは分からなかったのですが、最後の組で他の相談員から「ありがとう」を沢山かけていただく中で、まず自分が人と関わることの心地よさを感じることができました。


 また、キャンプ後の振り返りで、キャンプで意識したことの一つとして「ありがとうをたくさん口にすること」と話したときに、長期ボランティアの方から、それによって生活をしやすくなっていると言っていただけたので、これからも継続して意識していきたいと思いました。

 

 2点目は、チームとして場をつくることの面白さです。族の良いところや問題点は何かチームで共有し、その良いところを伸ばすために、あるいは問題点を解決するために、自分たちがどういう行動をするのか共通認識をもって動く。そのアクションが狙い通りいくときもあればいかないときもありますが、それも含めて面白いなと感じました。


 普段の事業でも、チームとしても個人としても狙いをもって行動するためには、毎日あるミーティングや報告の時間を今まで以上に大事にすることと、それ以外の時間のコミニケーションを大事にすることだと思うので、そこを意識していきたいです。

 

<7、8月研修担当ぱるのふりかえり>
 学童では、自然の中で暮らしこどもたちと日々を重ねる中で見えてきた気づきから、これをやろう!と決め取り組んできたモアイ。決めたことをコツコツと、でも気負い過ぎずにこどもたちにかかわる姿勢は、確実にこどもたちの日常を変えていってくれていました。モアイのいい意味で“気負い過ぎない”“結果を期待し過ぎない”あり方は、こどもと関わる上でとっても大切なこと。モアイの魅力であり強みだなと感じます。

 またキャンプでは、チームとして取り組むことの面白さや大切さに気付いたとのこと。これまでモアイからは「対自分」「対こども」の気づきや学びを聞くことは多くありましたが、共にこどもと関わる「対大人」について聞くことはあまりなかったように思います。こどもと関わる大人が互いの考えを共有し、目指す方向に向かって一緒に取り組めるかどうかは、場の安定を左右し、結果的に目指す方向へたどり着けるかどうかに大きく影響します。これはこどもと関わる場に限らず、どんなフィールドであっても言えることです。

 キャンプでの気づきを、学童で、またその他のあらゆる場面において活かしてほしいなと思います。モアイのさらなる飛躍に期待しています!