山賊キャンプ復活!「しかし」の状況と「それでも」の想い。

山賊キャンプが2年ぶりに再開!

左京川キャンプ場に、待ち望んだこどもたちの声がこだましています。

新型コロナウイルスの感染拡大を受け中止した2020年度の山賊キャンプ。たったの2年ではありますが、キャンプができる喜びとなによりこどもたちが大自然の中でイキイキと、そしてのびのびと過ごす様子に胸が熱くなりました。

山賊キャンプ全面中止によりグリーンウッドは経営の支えを失いました。しかし、それよりも大きな影響は、「教育を通じて社会をより良くしたい」と集まったグリーンウッドスタッフたちにとって、多くのこどもたちに私たちの想いを伝える場が奪われたことです。

参加者1000名から240名に。満員御礼から100名以下に。

なんとしても今年度はキャンプを再開したい。
そこで新型コロナウイルスの対策を考え、参加者数を例年の1000人から1/4の240名に縮小。毎年300人が参加するボランティアもできる限り少なくし、長く関わるボランティアとグリーンウッドスタッフで運営できるような体制を作りました。また緊急事態宣言の発出、あるいは感染が拡大している地域の方をお断りするという基準を設け、参加者の方に事前に伝えて募集しました。
5月末の募集開始と共に定員の240人をあっという間に埋まり、300件を超える申し込みがありました。申し込みと共に届く「再開されるのを楽しみにしていました!」といったたくさんのメッセージに、スタッフ一同、前に進む勇気をいただきました。

しかし、ご存じの通り都市部を中心に感染者が増加。7月に3度目の緊急事態宣言が東京に発出されました。申し込んでいたにも関わらずたくさんのこどもの参加をお断りすることになってしまいました。

そして240人だった参加者はB1実施時点では100人を切ってしまいました。

これまでも我慢に我慢を重ね、キャンプを心待ちにしていたこどもたちの気持ちを考えると本当に申し訳なく感じます。あるいは「またか」というあきらめを教えてしまっているのではないかと逡巡する日々です。

実施か中止か。キャンプ開催への想い

正直言えばキャンプを実施することに迷いもあります。参加できずに悲しい想いをするこどもが増える中でもやるべきなのか。いくら基準を設けても感染拡大の中でやるべきなのか。参加者がここまで減ってしまうと経営的な判断も当然しなければならなくなります。

それでも実施を決断しました。
それは未来を創るためです。こどもたちは体験を通じて学びます。体験の裾野が広がれば、自ずとこどもの可能性という山は高くなります。このコロナ禍で「リスク」という言葉で奪われてしまったこどもの体験は、未来の人材が育成できない、すなわち社会の損失に他なりません。
コロナのリスクと未来のリスク。どちらを取るのか、社会は選ばなければならないのです。

もうひとつはグリーンウッドスタッフのスキルを落とさないことです。山賊キャンプという限られた日数で、初めて出会うこどもたちと過ごし、その中で最大限にこどもが体験できる場を創り出すスキルや、1000人のこどもを受け入れる事務スキルは、筋トレと同じで継続しないと落ちてしまいます。日常を取り戻したとき、多くのこどもたちに成長の場を届けるために備えておかなければなりません。それは今年来られなかったこどもたちとの約束でもあります。

今年もリピーターのこどもたちがたくさん帰ってきてくれました。おととし3年生だったこどもは5年生となり、すぐにはわからないほど大きくなっていました。小学2年生からキャンプに来ていた子が、今や大学生となって長期ボランティアに来てくれています。たくさんの想いや願いを集め、人の縁が円となって作られる山賊キャンプ。多種多様な人が集まる輪の中で自分の関り方をみつけ、新たな関係性を作るその一歩を学びます。コロナ禍においてなお、こどもの育ちに人との関りは不可欠なのだと改めて気づかされます。

未来を創るこどもたちのために、意地でも山賊キャンプ守り続けていきます。応援よろしくお願いいたします。