夏の山賊キャンプ開催まで残り2週間。先日山賊キャンプボランティア研修会を、私くみとバズで開催しました!
山賊キャンプのボランティアは高校生から社会人まで様々な人が参加し、こどもたちのキャンプ生活を支えてくれる重要な存在です。
そしてボランティア自身にとっても山賊キャンプが「学びの場」となるように、事前の研修会からキャンプの現場まで一貫したプログラムを提供しています。

過去の研修会の様子
毎年、東京と名古屋へスタッフが訪れ研修会を開催してきました。私たちが研修会で大切にしていることは体験型の研修会であること。
「聞いたことは、忘れる。見たことは、覚える。やったこと(体験したこと)は、わかる。」を基本に作っています。
私も、山賊キャンプのボランティアへ初めて参加した大学3年生の時、当時住んでいた鹿児島から東京へ行き、ボランティア研修会に参加しました。
最初は知らない場所に一人ぼっちで不安でいっぱいでしたが、体験を学びに落とし込むという形のプログラムに飲み込まれ、高揚感とともにキャンプがより楽しみになったことを覚えています。
しかし今年度はコロナウイルスの感染拡大状況を鑑み、ボランティア研修会をオンラインで開催することにしました。
一方通行になりがちなオンラインでも、どうやって体験型の研修会にするのか、初めてのチャレンジです。

まずはアイスブレイクからスタートです!
キャンプ中、ボランティアの大切な役割はこどもたちの安全管理と相談相手になること。そしてボランティア自身もキャンプを楽しむことです。
オンラインでもリスクマネジメントを自分事と捉え学んでもらうにはどうしたらよいか?
オンラインでもどうやってお互い打ち解け合い、心の準備をしてもらうのか?
そんなことを考えながらプログラムを作りました。

工作のリスクについて考えたグループ
ボランティア自身がこどもたちの安全管理を自分事として捉える。そのためにもまずはキャンプ中に危険なこと(リスク)を自分で考え出していきます。
そしてグループで共有しながら、他にも危険なことがないか、対策はどうしたら良いのか出し合います。(Googleの”Jamboard”というツールを使いました。)

川遊びのリスクについて考えたグループ
また、参加するこどもとボランティアはバスに乗ってキャンプ場まで来るので、バス車内や休憩場所での引率も大事な役割です。そこでの危険もイメージしてもらいました。
他の人の意見を聞いて「そんなところにもリスクが潜んでいるんだ」「声をかけて対策をするのが大切だよね」など、よく頷きながらお互いの発表を聞いていました。
特に初めて参加するボランティアは、どうやってこどもたちの安全を守るのか不安でいっぱいです。しかし今回の研修会でまずは自分で考えるという一歩を踏み出したことで、キャンプの本番でも「自分にも何かできそう」と少し自信になるのではないかと思います。
こうして約40名のボランティアに研修を行いました。キャンプへの心の準備ができたようです。
参加してくれたボランティアも
”出てきた危険や対策が多くありました。自分1人の意見ではなくたくさんの人の意見を聞くことができたので、とてもいい機会でした!”
”オンラインという形でしたがリピーターの方や同じ組の人とも話せたのでよかったです。”
”安心感が増してキャンプがより楽しみになりました。”
と感想をもらいました。
あとはキャンプの本番で今回の研修会の成果が試されると同時に、不足していることを判断しフォローすることがスタッフとして求められると感じています。
しかし、東京都の緊急事態宣言(7月12日~8月22日)に伴い、半数以上のボランティアの参加をお断りすることになりました。今回の研修会での学びを生かす本番がなくなってしまい、とても悔しく残念な気持ちです。
ですが、今回の研修会はムダはありません。キャンプ以外の場面でも必ず役に立つものです。ぜひこれからの日々の生活に役立ててもらいたいと思います。
そして私たちもまた全国から人を集めてキャンプができるようになった時のために、オンラインと対面のどちらも駆使しながら学びの場を提供できるように備えたいと思います。

九州で育ち、泰阜村に来て7年目。自己決定を重ねながら人が育つことを大切にしており、こどもとの関わりの上で自身の在り方が問われる日々。山や森に出かけたり、イラストで物事を表現するのが好き。