2021教師指導者育成プロジェクト~モアイ 5月の研修報告

NPOグリーンウッドでは、次世代を担う教師を育てる「教師・指導者育成プロジェクト」を実施しています。育成プロジェクトでは山村留学だいだらぼっちや信州こども山賊キャンプなどグリーンウッドの様々な事業に関わり、こどもたちと生活を共にし、実体験を積む中で人間としての土台を拡げることを目的にしています。今年度参加者のモアイ(森 大樹さん)の5月のプロジェクト研修報告です。

―ゴールデンウイークの薪作業から―
ゴールデンウイークの2日間、だいだいだらぼっちのこどもたちと相談員全員で行う薪作業がありました。
薪作業では大量の薪をトラックに乗せる人や割る人、積む人などいろいろな役割がある中、私の役割は斧で割り切れないサイズの薪を薪割り機で割ることでした。

薪割り機で割っていると樹種によって、割れやすさ・重さ・腐りやすさ・におい・水分量など様々な特徴があることを実感しました。その感じたことをスタッフのぎっくに話してみると、ソメイヨシノが腐りやすい理由や、逆に腐りにくい木の代表種としてタンニンを多く含むクリがあり、階段の杭などに活用しているなどを教えてもらいました。
この薪作業の経験から樹木の特徴をもっと知りたくなり、現在、樹木の標本をだいだらぼっちの中学生と一緒に作っています。私は学童もあり、なかなか一緒に作る時間が取れませんが、効率良く進めることではなく、こどもと一緒にチャレンジすることを大事にしていきたいと思います。

学童「いってきました」の畑
私は大学時代にゼミの一環として野菜を育てていました。野菜を育てることにより植物がより身近になり、大学で生物を勉強することが少し楽しくなりました。なので、学童でもこどもたちが野菜を育て、食べることの楽しさを感じてもらいたいという思いで一緒に畑をやっています。


学童の畑を紹介するためにお便りを書いていた時に気づいたことがありました。畑作業をしているこどもたちの写真を選び、こどもたちの気持ちを書こうとしましたがイメージができず、自分がこどもたちの心情を想像できていないということに気づいたのです。
その気づきを5月の振り返りの時間にスタッフのくみに伝えると「私は、こどもがどんな言葉を話していたのかも記憶するようにしてるかな。」と話してくれました。
振り返りが終わってからは、こどもとの関わりの中で気持ちを想像したり、発言に注目したりするようになりました。


すると、当たり前になっていた学童やだいだらぼっちのこどもたちと過ごす時間、何となくスルーしてしまっていた一つ一つの場面を、自分の中で大事にできるようになりました。また、こどもたちの心情を想像することで、こどもたちとの関わりが丁寧になってきたと感じます。来月以降もこの意識をもち続けていきたいと思います。

〈5月研修担当くみのふりかえり〉
モアイの薪作業での気づきは、薪を割って積む作業を自分たちでやっているからこその学びだと感じました。様々な樹種に直接触れ、特徴の違いに疑問を持ち、知りたくなる。自然との距離が近い泰阜村の暮らしには学びのポイントがちりばめられています。
モアイも将来、学校現場で生かせるように、だいだらぼっちやいってきましたのこどもたちと、この泰阜村での一年間で“体験から学ぶ”を磨いてほしいと思います。