こどもたちよ、明日に向かって、希望を失わずに歩いていこう

こどもたちが行き場を失って、はや3ヵ月。
この間、毎日毎日、泰阜村から空と山を見上げてきた。
春霞にゆれる山々、雨に煙る山々、滔々と流れる天竜川、雲湧き上がる大渓谷、大きな虹がかかる空、そしてまさに星が降ってきそうな満天の夜空・・・

この空と山を見上げて、信州の自然を見つめて、毎日毎日唄い続けてきた歌がいくつかある。
私はちょっぴりギターの弾き語りをやる。
歌もギターも上手くはないのだが(苦笑)。
いつも歌い続けている唄の中から、ひとつ、紹介したい。


みあげてごらんあの山を
山に続く深い空を
 あなたの命より偉大なものは
 何もないんだこの地上には
 あなたが夜明けを告げるこどもたち
 素足で大地を駆け抜けるこどもたち

みあげてごらんあの山を
山に続く深い空を
 あなたが未来に生きるこどもなら
 みんなで一緒に歩いていきなさい
 あなたが夜明けを告げるこどもたち
 素足で大地を駆け抜けるこどもたち

みあげてごらんあの山を
山に続く深い空を
 たとえ悲しい今日があっても
 生きるってすばらしい明日があるかぎり
 あなたが夜明けを告げるこどもたち
 素足で大地を駆け抜けるこどもたち ♪

曲名は「あなたが夜明けを告げるこどもたち」。
作詞者は、もう他界したが「笠木透」という人だ。

もう忘れ去られている昨秋の台風被害。
子どもを取り巻く悲惨な犯罪事件。
権力者や役人が、ウソをウソで塗り固める眼を覆う状況。
そして世界中で人々を途方に暮れさせ続けるコロナウィルス感染症。
そのひずみで、今、ひとびとを分断させる差別が首をもたげている。
地球規模で起こる大災害や、なくならない戦争・内紛・テロ。

それらがテレビをにぎわしている毎日。
逃げ惑い、絶望的な表情をみせる人びと。
無力感に陥り、権力に自発的に服従しつつある人びと。
その現地の情報を、映像として見続けてきたこどもたち。
こどもたちは、命とは尊いものであり一度断ってしまっては二度と戻らないのだという意識を失ってしまうのでないかと危惧している。

こどもたちに伝えたい。
命というのはほんとうに偉大なのだということを。
小さくて不完全で自分勝手なこどもたち。
そんな弱いこどもたちであっても、手をとりあい支えあうことができれば、きっと前に向かって進んでいけると信じ続けてきた。

こどもたちに伝えたい。
必ず明日は来る。
こどもたちよ、その明日に向かって、希望を失わずに歩いていこう。
夜明けを告げるのはきみたちなんだ、と。

私は歌うこともギターを弾くことも上手くはない。
でも、私が伝えたいことは唄ではないのだ。
ましてやギターのテクニックでもない。
私が伝えたいことは、唄に載せた「想い」だ。

行き場も奪われ、遊びも学びも奪われ、希望も奪われそうになっているこどもたち。
そんなこどもたちから、明日を奪ってはならない。
私たちグリーンウッドも、夏の信州こども山賊キャンプをはじめ、こどもたちのための時空間を次々と辞めざるを得なくなっている。
それでもこどもたちに伝えたい。
必ずや君たちの希望の場を、明日を、再び創るからな。
待っていてほしい。

信州泰阜村も梅雨入りした

全国のこどもたちから、明日だけは奪ってはならない。
そんな「想い」を載せて、そして空をみあげて、私は今日も歌う

「あなたが夜明けを告げるこどもたち」
この唄、どうしても、生きづらさを全身に纏い続ける全国のこどもたちに、贈りたい。

代表 辻だいち

コメント

  1. ナカユウコ より:

    三十年前にこの歌に出会いました
    当時3歳の長女は喘息の苦しさで肩で息をしながら歌声が流れる方を指差し「素敵な歌だね光が見える歌だね」となんとその日以来喘息の発作は消えました
    小さな小さな沖縄の離島の小さな舞台に流れる歌声は私家族に大きな幸せを下さいました