やすおか暮らしを楽しむ会「てまひま」 季節の染物づくり

村とグリーンウッドが協働で実施しているイベント、やすおか暮らしを楽しむ会「てまひま」。今回は泰阜村がどれだけ自然が豊かなのかを実感するために季節の植物で「染物」をしようという企画です。6家庭22名が集まりました。

「へぇ~。こんな色が出るんだ!」
まずは講師役のなおみちが、これまで染めてきたものをみんなに見せます。木や花を煮出すと様々な色がでます。明らかにみどり色の葉っぱなのに染めてみると思っていもいない色が出たり。自然の豊かさを別の面で見られるのです。

特別なものを使うより、誰でも見つけられて、簡単に集められる身近な植物で染めよう!というテーマだったので、今回は2種類、やすおか村でお馴染みのものを選びました。

まずはマリーゴールド。

村の「花いっぱい運動」という活動で、村内いたるところで植えられ、村を彩ってくれる花です。10月を過ぎたころには枯れ始めるので、枯れる前の花を摘ませていただきました。ちなみに村の道路は桜に、アジサイに、ハナモモにと季節によってさまざまな花が咲いています。村の方が有志で育ててくれているものも。村外の方が来られると「花がきれいな村ですね」とよく言われます。

次は「そよご」。

こちらも村のお祭りでは「榊」の代わりに使われる植物で、村内のいたるところに生えています。「そよご」は葉っぱが風にそよぐようにうねっているのが特徴です。名前の由来なのでしょうか?
それぞれ花と葉っぱをちぎって、煮出した後でゴミを取り出しやすいように袋に詰めます。

こどもたちもしっかりお手伝い。

大きなボールに入れて、いよいよ煮出します。果たしてどんな色がでるんでしょうか?

待っている間に布を絞って模様をつけます。

先人の知恵が詰まったしぼりの技術。なんでこんな模様が出るんだろうと不思議に思うものばかり。本やなおみちの話を参考にそれぞれビー玉や割りばしを使って輪ゴムで絞りしていきます。「これでいいや」とあっという間に終わらせる人もいれば、何度も布を折ったり、一度絞ったものをほどいてやり直したり。この絞りがそれぞれの個性が出てくるのがおもしろいところです。またそんな努力とは関係なく仕上がってくるのも染物の面白いところです。

こどもたちはすぐに終わって思い思いに遊んでいました。今回は最近村で生まれた双子ちゃんのところに集まり、ちょっとお兄ちゃんお姉ちゃん気分であやしたり、なでなでしたり。
この子たちがみんな村の仲間になっていくのだなと思うと不思議な感じです。

煮出すこと1時間半。いよいよ布を投入します。

先ほどまで黄色だった「そよご」を煮出した水の色が、布を媒染したミョウバンに反応して赤くなりました!
みんな「すごーい!」と感動の声。また火をかけて1時間煮たら、今度は火を止めて冷やします。煮物と一緒で冷える時間で色が染まっていきます。

赤いものが「そよご」で黄色が「マリーゴールド」しっかりいい色に染めあがりました。さあいよいよ絞りを外していきます。どんな模様が出てくるのか、一番楽しみな時間です。

ジャーン!見事な格子柄です!思った通り、思わぬ形、どちらにしても開いた時に感動します。

自然の植物で染めてきた先人たちの知恵。しかもどんなものでも染まるわけではありません。暮らしを少しでも華やかにしたいという想いや、欲しい色を発見するまで途方もない時間をかけ様々な植物にチャレンジしてきたのかなと思うと先人の努力に感動します。

「またやってみたい!」という声がたくさんあがった今回の「てまひま」。やってみると意外と簡単な染物ですが、その「やってみる」という一歩がなかなか難しいものです。今回は「てまひま」に参加した仲間がいるから簡単に、そして楽しいものになりました。

材料となる植物が、泰阜村にはそこかしこに当たり前のようにあります。次はぜひそれぞれでもチャレンジして、お互いに教えあえれば、もっと豊かな楽しい村になるなと感じました。

次回は昨年40名越えの参加者が集まって、大変好評だった「伸し餅づくり」。今から楽しみです。