口は悪かったけれど、まなざしはやさしかった ~受け継ぐ時が来ている~

隣の家のおばあま(おばあ様の意味の方言)が亡くなりました。
98歳。
大往生です。

私が泰阜村に来たのは25年前、
その時、このおばあまは73歳。
すごく元気で、怖くて、よく叱られたっけ(笑)
小学校が閉校する時に、PTA役員として、昔の話を聞きに行ったなあ、そういえば。
口は悪かったけれど、まなざしはやさしいものでした。
本当に、本当に、ずいぶんとお世話になりました。

葬儀がありました。
もともとこの村の葬儀は、お組合(自治会)ですべてとりおこなってきた歴史と風習があります。
葬儀屋におおよそを任せて簡便な関わりになってきた現代でもなお、その風習の本質が息づいています。
朝から夕方まで、おばあまの98年の歴史を感じる豊かな時間でした。
そして直会(神式の葬儀なので)の席。
相変わらず長老陣の仁義なき「そんなんじゃ入らんな~」攻撃に、しこたま飲まされてしまう自分でした。

この25年で周りのひとびとはすっかりと歳をとっています。
もちろん、小さかったこどもが、今や立派な青年になっています。
受け継ぐ時が来ている、とひしひし感じます。

おばあま、この村に来てから四半世紀、本当にありがとうございました。

代表 辻だいち