2月、スタッフの外部研修として、バズ・くる・あおで静岡県浜松市にある
認定NPO法人クリエイティブサポートレッツへ視察見学に行ってきました。
スタッフ研修では、同業種に限らず、多様な分野の現場を訪ねることを大切にしています。一見すると自分たちの仕事とは距離があるように見える領域であっても、そこにはグリーンウッドの実践につながる視点や発見があると感じているからです。
今回訪問したレッツは、福祉を基盤としながらも、一人ひとりと向き合う「対ひと」の現場であるという点で、私たちと通じる部分があるのではないかと考えました。その場や関係性をどのようにつくっているのか。グリーンウッドと何が異なり、どこに共通する本質があるのか。そうした問いを持ちながら、視察に臨みました。
レッツは2000年に創業し、現在は約22名のスタッフで運営されている認定NPO法人です。福祉を基盤にしながら、文化や表現、地域との関わりを横断し、一人ひとりの「生きる力」や「表現する力」に光を当てる実践を重ねてきました。障害の有無や背景の違いを越えて、「あるがまま」を大切にする姿勢が活動全体に通底しています。
一方で、研修対応をしてくださったスタッフとの対話の中では、理念をあえて固定しすぎず、現場の実践の中で揺らぎ続けるものとして捉えている印象も受けました。明確な方向性を持ちながらも、それを枠にはめすぎない柔軟さが、この団体の特徴の一つなのかもしれません。
視察で特に印象に残ったのは、「違いを受け入れる」という価値観が、言葉として掲げられているだけでなく、日常の中で自然に実装されている点でした。人それぞれの価値観や背景を前提としながら関係性を築いていく姿勢はグリーンウッドとも共通していますが、レッツでは「こうあるべき」という正解をあえて定めず、価値観を揃えようとしないことがより徹底されているように感じました。
例えばシェアハウスの運営では、細かなルールで管理するのではなく、その都度のコミュニケーションを通して関係性をつくっていくことが大切にされています。「やりたいを応援する」というスタンスが、制度や枠組みよりも優先されている印象でした。
スタッフも地元出身者に限らず多様な背景を持つ人で構成され、それぞれが団体に対する意思を持って関わっています。代表の強いリーダーシップがありながらも、それに依存するのではなく、個々の主体性によって組織が成り立っている空気感がありました。また、設立当初は地域から受け入れられにくい状況もあった中で、徐々に関係性を築き、「混ざる」ことを重ねてきた歩みも印象的でした。
施設の空気感も特徴的で、整えられた場というよりも、少し雑多で自由さのある空間でした。支援する・されるという関係を越え、その場にいる一人として関わることが前提にあり、制度の枠に収まりきらない人に対しても、人と人との関係の中で支え合っていく姿勢が感じられました。
さらに、視察の受け入れ方も印象的でした。丁寧に整えられた説明ではなく、最低限の情報共有の後は、その場の空気の中で感じ取ることが委ねられます。あえてすべてを説明しないことで、受け手自身の気づきを引き出す関わり方がなされていました。
事業面では、障害福祉サービスを基盤にしながら、文化・アートの要素を掛け合わせた多様な取り組みが展開されています。生活介護事業「アルス・ノヴァ」や相談支援、ヘルパー事業といった生活を支える機能に加え、「表現未満、」というプロジェクトでは、作品になる前の身体の動きや声、日常の癖といった“まだ表現と呼ばれていないもの”に価値を見出しています。
また、「たけし文化センター」のように街中に拠点を構え、障害のあるなしに関わらず人が行き交う場をつくっていることも特徴的でした。障害のある人が特別な場所に隔てられるのではなく、日常の中で自然に存在している風景がつくられています。地域を巻き込んだイベントも多く、福祉の枠を越えて、まち全体の文化や関係性に働きかけている印象を受けました。
今回の視察を通して感じたのは、私たちグリーンウッドの実践と重なる部分と、そこから一歩踏み出すためのヒントの両方でした。
共通しているのは、「対ひと」であるという姿勢です。一人ひとりに向き合い、その人の力が発揮される場をつくることは、分野が異なっても変わらない本質だと感じました。一方で、価値観や関わり方をどこまで“揃えないか”という視点は、今後の組織づくりにおいて重要な示唆でした。
地域に開かれた「第3の居場所」としての機能、多様な人が関われる入口づくり、そして自分たちの実践や場の価値をどう伝えていくか。今回の学びをもとに、小さな実践を積み重ねていきたいと考えています。
最後に、今回の視察を受け入れてくださったレッツの皆さまに心より感謝申し上げます。これからも外に学び、内に活かすことを繰り返しながら、よりよい現場と組織づくりに取り組んでいきたいと思います。
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埼玉県上尾市出身。高校までの9年間野球漬けの毎日。2013年に長野県下伊那郡泰阜村へ移住。村内でも山奥とされる集落で住み始め、結婚。家族7人と動物たち(黒柴・猫・山羊・烏骨鶏)で田舎暮らし実践中!





