私たちグリーンウッドでの暮らしでもっとも多く使うエネルギーは「薪」です。五右衛門風呂にはじまり、冬の薪ストーブ、陶芸を焚く登り窯で使います。五右衛門風呂は当然毎日使いますし、薪ストーブも冬になれば4台がフル活用されます。登り窯は、4日間焚き続け1250℃まで温度を上げるため、1トントラックで5、6台分(いやもっと?)は使うでしょうか。
これらの薪は山村留学「だいだらぼっち」のこどもたちが山に行ってとってくることもありますが、最近は地域の方が持ってきてくれることが多くなりました。支障木といった邪魔になった木を倒しても、薪や材として活用されることもなく、場合によっては産業廃棄物となってお金を払って処分しなくてはならないそうで、「だいだらぼっちに持っていけば、無駄にならない、喜んでもらえる」ということで、だんだんといただく機会が増えてきました。
その結果が、これです。真ん中のオレンジ色は作業しているスタッフなおみちのヘルメットです。
しかもこれも全体の一部。同じくらいの量がだいだらぼっちの母屋前にも置かれています。
これらの薪は全て40cm程度に切りそろえ、冬に備えて春のうちに積んで乾かさなくてはなりません。
しかし、この量です。私たちスタッフも休みを返上して、というよりも自分たちの暮らしを守るため3連休を使って薪切り作業です。
4月とは思えない夏日の中、朝から晩まで交替で作業してなんとか切り終わりました。
今の時代、エネルギーと言えば電気や石油。なくては暮らしが成り立たないものになっています。コンセントにつなげばいつでも流れてくる電気は無限のエネルギーのように感じてしまいますが、原発の問題や、石油の枯渇など決して安定しているとはいえません。しかしそれらがどうやって生み出され、どうやって手に入るのかを感じる機会はありません。そんな暮らしの中で、「いつかなくなる」ことを想像することはとても難しいものです。
木を切り、時に地域の方からもらい、薪を割る暮らしは、「自分たち次第」の暮らし。もちろん大変ですが、関わる人や協力する仲間の存在、自然の豊かさなど、感謝するものをたくさん感じられます。それは自分の暮らしが支えられて成り立っているという実感を与えてくれます。
オートマチックで便利で楽な暮らしでは得られないものが、薪の暮らしにはあるように感じた週末でした。

グリーンウッドの代表理事。2004年よりグリーンウッドスタッフとなり泰阜村に移住。一男二女の父。2024年より代表理事となる。