泰阜村の西を大きく流れる一級河川・天竜川。村内を流れる大小の川はすべてこの天竜川へと注ぎ込みます。
今年度は、この天竜川を「遊びながら知り、学ぶ」ことをテーマに、地域の小学生12人と一緒に川下り(ラフティング)に挑戦しました。
当日はさわやかな秋晴れ。子どもたちは「楽しみにしてた!」「今日は絶対飛び込みたい!」と期待で胸いっぱい。活動の最初は安全確認から始めました。川で危険なことを一人ずつ挙げ、「流されたときはどうする?」「寒さを感じたらどうする?」などを考え合いました。こどもたちからは「ライフジャケットは必ずつける」「一人で行動しない」といった意見も出され、互いに学び合いながら安全意識を高めていきました。
いよいよボートの準備です。大きなボートに空気を入れ、みんなで声を掛け合いながら川まで運びました。「重たいけど、みんなと一緒なら大丈夫!」と仲間と協力する喜びを感じている様子でした。
川に漕ぎ出すと「水が思ったより冷たい!」「揺れるのが楽しい!」と大歓声。自然の中で五感をフルに使う体験は、こどもたちの心を解放していました。
途中の飛び込みポイントでは、「怖いけどやってみたい!」と勇気をふりしぼって飛び込む姿がありました。飛んだ子からは「足がブルブルしたけど気持ちよかった!」「できた自分がちょっと誇らしい!」という声もあり、挑戦する中で達成感や自信を得ていました。
ゴールに近づくと、「もう終わりなの?」「もっと先まで行きたい!」と物足りなそうな声も。それでも「腕がつかれた〜!」「でもまたやりたい!」と、やり切った笑顔で一日を終えることができました。
こどもたちにとって天竜川は普段の風景の一部ですが、川を下りながら見える景色は新鮮でした。
「下から見ると泰阜の山や畑が違って見える!」「こんなところに家があるなんて知らなかった!」と驚きの発見があった一方で、「川岸にゴミがいっぱいあるのはどうして?」と、環境について考える声も聞かれました。
自然に直接ふれ、仲間と協力し、挑戦し、疑問を持つ。この一つひとつがこどもたちの学びの積み重ねです。川遊びは単なるレジャーではなく、地域の自然や環境を見つめ、自分の力を試し、社会で生きていく力を養う大切な教育の場であることを改めて実感しました。

埼玉県上尾市出身。高校までの9年間野球漬けの毎日。2013年に長野県下伊那郡泰阜村へ移住。村内でも山奥とされる集落で住み始め、結婚。家族6人と動物たち(黒柴・猫1匹・山羊・烏骨鶏たくさん)で田舎暮らし実践中!