意見を言い合うことはマイナスじゃない|愛知教育大学実習受け入れ

 

-今回グリーンウッドを実習先に選んだ経緯は?

 私はもともとスクールカウンセラーを目指して学んでいました。その授業の一環で実習に行くことになったのですが、その選択肢の中にグリーンウッドがあり興味をもちました。最初は参加しようか迷っていましたが、ホームページを見たり、グリーンウッドの元スタッフである教授の話を聞いたりしているうちに、ここで行っているこどもたち主体の暮らしの魅力にどんどん惹かれていきました。現在もボランティアとして短期的にこどもと関わる機会はあるのですが、長く特定のこどもと関わる機会がなかったでの良い経験になると思ったのもきっかけの一つでした。そして、実際にこどもたちがどんな風に生活をしているのか、また、その生活を支えるスタッフの方たちはどのように子どもたちに接しているのかを自分の目で見て学びたいと思い、今回の実習に申し込みました。

 

 

-こどもとの関りから学んだことは?

いってきましたでは、人の意見を否定せず、理由を聞くことの重要さを学びました。こどもたちと鬼ごっこをした時のことです。ある男の子が鬼ごっこに誘ってくれ、一緒にやることになった時に、周りにいたこどもたちも「入れて―」とどんどん参加していきました。ただ、一人の男の子が同じように「入れて―」というと、近くにいた男の子が「入れたくない」と言い出したんです。すると、周りのこどもたちが理由を聞き始め、聞き終わると、「きみだってそういうときもあるでしょ」、「その理由は仕方がないことじゃん」と話していました。理由を簡単にまとめると、一緒に遊んでいるときの遊び方が嫌だったそうですが、入れてほしい子のことも入れたくない子のこともどちらの意見も否定せずに、理由を聞き、その理由が入れない理由になっていないと判断し、それをきちんと入れたくない子に伝えているところに、こどもの精神的な育ちが垣間見れたように感じました。つい声が大きい人の意見に流されがちですが、そうではなく一人ひとりがきちんと話し合えていたことが、すごかったです。

 

だいだらぼっちでは、自分の意見を他の人に伝えることの大切さを学びました。私は普段、周りの空気を乱さないように、意見があっても言いたいことが言えないことがあります。しかし、だいだらのこどもたちは連絡の時間だけでなく、普段から暮らしをより良くするために考えて意見したり、嫌なことは嫌と伝えたりと自分の気持ちをきちんと相手に伝えていると感じました。そして、言われた方もその意見について考え、意見していました。そのため、こどもたち同士の信頼関係が強いものになったり、自分の気持ちを言語化する力が養われていたりするのではないかと考えました。これまでは、「意見することは空気を乱す」という風に捉えていましたが、「違うんじゃない?」など自分の意見を包み隠さず伝えることで、色んなものは改善されていくしそこがあるからこそ、より信頼関係が深くなり、意見を言い合うことは自分がいる環境を良くするために必要なことだと学びました。

 

-スタッフとの関りから学んだことは?

グリーンウッドのスタッフからは、様々なことを学びました。自分のやりたいことを実現することの大切さを学びました。様々なスタッフの話を聞いたり、通信を読んだりして、自分のやりたいことにまっすぐな方が多い印象を受けました。そして、そのやりたいことを実現する力がだいだらぼっちやいってきましたのこどもたちとの関わりの中で受け継がれているのではないかと感じます。

また、スタッフ同士で、とにかくたくさんのコミュニケーションを取るんです。だからこそ、互いに頼り頼られる関係性が育まれていると感じました。そしてこれまで私が行ってきた活動では、「こどもに何かを与える大人」という関り方しかありませんでした。そんな中で、ここでは「大人」というより一人の「仲間」のような関わりをみなさんされていたのが印象的でした。

 

 

-事務作業などの時間から学んだことは?

グリーンウッドがこれからも続いていくために、また、より多くのこどもたちにグリーンウッドの活動に参加してもらうために、たくさんの仕事があることを学びました。事務作業があることは想像できていましたが、それだけではなくミーティングでの情報共有や他機関・地域との連携、物資の補給、報告会の準備などグリーンウッドが成り立つための仕事を間近で見たり経験したりすることが出来ました。自分の周りで行われていた動画編集や発注、車の点検など仕事は多岐にわたって、そうした数えきれないくらいのひとつひとつの作業がだいだらぼっちや山賊キャンプといった事業につながっているんだと職場に身を置いたからこそ知ることができました。

こどもたちに関しても、スタッフさんに関しても、一番に感じたことは温かさです。インターン中に体調を崩してしまった時には、「大丈夫だった?」と声をかけてくださったりたり、入った初日に、夕食をどこで食べようかあたふたしていたら一人の子が「ここで食べる?」声をかけてくれたりと、たった数日しかインターンに参加していなかったにも関わらず、たくさんの温かさを感じました。

こどもたちがだいだらぼっちの暮らしについて説明している機会があったんですが、その際に「ひとりひとりを大切にが根底にある」ということを言っていました。ここで感じた温かさはまさに、そうした思いをみんなが暮らしの中で大切にしているからこそ感じたのだと思います。

 

 

-インターンや実習先として参加するか悩んでいる人へ、一言!

私も参加するかどうかで迷い、申し込んだ後も当日まで不安な気持ちがありました。でも、実際に来てみると自然の豊かさや人の温かさ、暮らしの中での学びなど多くのことを経験し、不安に思っていたことは杞憂でした。最初の一歩は不安や心配が付き物かもしれませんが、踏み出してみると新しい世界が広がっています。是非参加してみてください!