ここではみんな個性を持っていて、違いを受け入れ、楽しんで暮らしていた|NPO短期インターン(みこ)

—今回インターンに申し込んだ経緯は?

普段の私は、嫌な思いをしたくないという気持ちから、自分の意見があっても言わず、我慢するような形で、周りに気を使って過ごしていました。その中で夏、冬のキャンプでの活動を通して、この場所なら普段とは違う自分を出せることに気づきました。キャンプで関わった相談員はみんな、お互いを尊重し合える人たちばかりで、とても暖かい空間だからこそ出せた自分がありました。しかし、数日間のキャンプから帰ると、もう普段の私に戻ってしまうので、キャンプとは違う形でもっと長い期間ここで過ごして、自分を変えたいと思い今回参加しました。

 

—こどもとの関りから学んだことはありますか?

だいだらぼっちでの暮らしでは、驚かされることがたくさんありました。一つ目は、自分の意見をハッキリみんなの前で伝えられることです。ここでは、定期的に話し合いの場があり、話し合いに参加した際は、順番に意見を言っていくのではなく、みんなそれぞれが自分の意見を持ち、手を挙げてやりたいことを伝えあっていました。そして毎晩行われる、次の日の予定や役割を決める連絡の場では、みんなが自主的にやりたいという気持ちで、米とぎや食事当番をじゃんけんしてまで参加していることが多く、家事を大変にしか思わない自分はすごいと感じました。

二つ目は、何かトラブルがあってもそれを引きずり過ぎず、切り替えて次のことに取り組んでいるように見える場面が多かったことです。実際、すぐには切り替わらない時も少なくないとは思いますが、一年間ぶつかり合いながらもそれを乗り越えなければ暮らしていけないという環境も、だいだらならではのことだなと思いました。ここでのみんなの当たり前は、自己表現が苦手な私にとってすごく難しいことだったので、この当たり前を作れるだいだらの環境、そしてそれを行っているこどもたちは本当に素晴らしいなと思いました。

 

いってきました(学童)では、たくさんのこどもたちとの関わり方に何度も悩みました。みんなで遊んでいた際に、一人になった子に声をかけると、「全然大丈夫だから。」と言われたことがありました。「本人が気に留めていないなら介入しない方がいいのかな…」と悩み、結局何もできませんでした。ただ、そういう引っかかりをそのままにせず、他スタッフに相談したところ様々な意見をもらいとても勉強になりました。最後には、たった10日間しか関わっていない自分に、また会いに来てね!と言ってくれたり、手づくりのプレゼントをくれた子が多く、とっても嬉しかったです。

 

—スタッフとの関りから学んだことは?

この場所が、暖かい雰囲気でこどもたちや村の人たちにとって居心地の良い場所だと感じてもらえるのは、スタッフひとりひとりがお互いを認め合い尊重することを当たり前として関わりあえているからだと思いました。ここに来たばかりの時は、初めて関わる職員も多く、不安や緊張でいっぱいでしたが、自己紹介の際、みんながとてもやさしい笑顔で私の話を聞いてくださり一気に変な緊張が抜けました。普段、学校では浮かないように必死で、気を張りすぎて疲れることが多かったけど、ここではみんな個性を持っていて、違いを受け入れ、その違いを楽しみ、私はそのままの自分を受け入れてもらえてすごく幸せでした。いつもとは違う自分での暮らしはすごく楽しかったし、心がすっきりしました!

あとは人とのつながりがグリーンウッドを支えていることを知りました。

グリーンウッド職員や、だいだらのこどもたちに、ここに来たきっかけを聞いたところ、ほとんど人が、知人からの紹介、山賊キャンプへの参加からここに来たと言っていました。それは、だいだらぼっち、いってきました、山賊キャンプをはじめとするすべての場でグリーンウッドに関わってきた人が創り上げた結果だと思います。職員でもボランティアでも、グリーンウッドの名前を背負うひとり一人の振る舞い方、印象でグリーンウッドのイメージが決まります。この意識を常に持つことで、私はいい緊張感を保つことが出来ました。グリーンウッドのイメージは、私を含めたここに携わる全ての人にかかっている!と思うと自分の発言、行動ひとつひとつに責任があるということを自覚することが出来ました。

 

—日常の業務から学んだことはありますか?

ここで働く中で大切だと思ったことは自分の時間管理です。特にだいだらぼっちで過ごしているとやらなきゃいけないことをわかっていても、気持ちを切り替えることが出来ないことが多くありました。しかし、こどもとの関りが楽しいからといってずっと一緒に過ごしていていいというわけではなく、きちんと時間を守って関わることが大事だと思います。取るべき時に自分の時間を取って、休む時はしっかり休み、リフレッシュして次の日を迎えることことの大切さを身をもって実感しました。自分で時間を決めて、コントロールしなければいけないのは、与えられた仕事ひとつひとつに関しても同じです。私は今まで与えられたこと、やらなければいけないことは終わるまでやる、という考え方で進めてきました。しかしそうではなく、自分で時間を決め、その時間までにやり切る気持ちでやるのが仕事では重要と言われ、考え方が変わりました!

 

—これから短期インターンシップに来るか悩んでいる人へ、一言!

行くか行かないか迷っていたら、絶対に来た方がいいです!

自分に自信が無くても、不安なことがたくさんあっても、何事も頑張る気持ちさえあればやりきれます。ここにいる人たちはあたたかい人ばかりです。分からないことは考えて、聞いて、学んでいけます。最初から全部分かっていたらここに来る必要はありません。何かを変えたいとか、今のままでいいのかとか、そう思えることはすごいです。でも自分から挑戦をしてみないと何も起こらないし、始まりません。小さな勇気で、将来は大きく変わります。

ここに来て、慣れないことや大変なことも多かったですが、それに向き合おうとする気持ちが、私自身の学びになったと思います。今のその気持ちを後回しにせず、最高の経験と学びを持ち帰ってください!