伝え方を追求していくのは大変だったが、良い経験を得られた|長期ボランティアのくりりん

私は去年の夏、初めて山賊キャンプに参加しました。私の父がこどもの時に通年の山村留学だいだらぼっちに参加しており、その存在を知ってはいたものの、九州に住んでいることや部活動が忙しいことから参加できず「大学生になったら参加してみたい!」という興味から、大学一年生の夏、相談員として参加しました。

参加したキャンプは驚きの連続でした。こども達が決めるスケジュール、生きていくために必要な仕事の数々、引率者でも指導員でもない「相談員」という立場、環境に配慮した食器洗いやゴミ分別、初めてで戸惑うこともありましたが、とても学ぶことが多く充実した時間でした。そして、そこで長期ボランティアや裏方のスタッフに出会い、その人たちの働きがあってキャンプが成り立っていることを知りました。沢山のことを学ばせてくれた山賊キャンプの役に立ちたい、泰阜で出会った仲間にまた会いたい、という気持ちから今回の長期ボランティア参加を決めました。

 私はこの夏、長期ボランティアとしてキャンプに参加する中で「伝える」というキーワードを大切にしていました。これは、自分が誰かに何かを伝える時にどれだけ分かりやすく伝えられるか、そしてこどもたちが伝えたいことを、聞き手としてどれだけ正確に読み取れるか、という「伝える」ことに関する2つの目標を忘れないようにするために、自分の中で常に持っていたものです。長期ボランティアはキャンプでは、マネジメント(道具管理などを行う)やナース(怪我や病気の対応などを行う)、フード(食料管理、炊き出しなどを行う)として全体を見て行動していくことが多くなります。その仕事の一つとしてセーフティトークがあります。年齢もキャンプ経験も異なる子供たちに出来るだけ分かりやすく、伝わるように話をするにはどうすれば良いのか、長老や他のスタッフの話し方を見て沢山学ばせてもらいました。相互コミュニケーション、目を見る、大事なことを繰り返す、簡潔に…頭で理解しても、実際に話すのはとても難しかったです。自分の伝え方一つでこどもたちのその後の行動が変わってしまうという環境の中、常に、さらに良い伝え方を追求していくのは大変でしたが、とても良い経験になりました。

また、私は今回ナースとして現場に入ることが多かったのですが、こどもたちが泣いている時にその理由を読み取るのが難しかったです。周りの状況をよく見て、よく話を聞き、よく会話をして気持ちを読み取る…そしてこどもが仲間の元に帰りたくなるように、常に考えながら関わっていくことを心がけました。今までに経験したことがないことの連続で関わり方に迷うこともありましたが、長老や相談員さんのこどもたちとの関わり方から沢山学ばせてもらえて、とても勉強になりました。 今回長期ボランティアとしてキャンプに参加して、本当に充実した夏を過ごすことが出来ました。沢山のこどもたちや相談員、スタッフに出会い、他の長期ボランティアのみんなと話をして、自分の将来のことも考えました。学んだ沢山のことを心に刻み、色々なことにチャレンジしていきたいと思います。関わってくださった皆さん、本当にありがとうございました!