100年先の森を守るために|放課後児童クラブ「いってきました」

こんにちは!「いってきました」スタッフのくるです。今回は9月の小学生の振替休日に行った、「あんじゃねの森下草刈り大作戦」についてお伝えします。あんじゃねの森についてはこちら

今回、私はあんじゃねの森の下草刈りを「いってきました」のこどもたちと一緒にやりたいと思い、この企画を作りました。泰阜村に住むまでは森のことなんて身近に考える機会がほとんど無かった私が、こどもたちと下草刈りをやりたいと思ったのは、1学期のこと。中学1年生に向けて「森の授業」を行ったことがきっかけでした。森について伝え、考える場を作る立場ではありましたが、同時に私自身も森について学ぶことが出来ました。その中で私が感じたのは、想像以上に長い年月をかけて大きくなる木のたくましさとそれを守ってきた人々の働きや想いの温かさです。その歴史をこどもたちと一緒に実際に森に行き手を動かすことで体感したいと思いました。

あんじゃねの森

朝、「いってきました」に集合したあと、みんなでバスに乗って「あんじゃねの森」に向かいました。森に到着したらまず初めに、こどもたちに森の中での気を付けること、実際の下草刈りの方法等を伝えました。同時に、この森の大きな木は70年から80年かけて育ってきたこと、木は光が当たらないと育っていかないこと、ここまで大きな木が育ってきたのはこれまで人々が定期的に草刈りや間伐を行い、森を明るく保ってきたからであることを伝えました。森が暗くなると、木が育たないだけでなく、みんなが安心して遊べなくなってしまったり、根っこが育たずに地盤が緩んだり、山の保水力が低くなったりしてしまいます。みんなが大人になっても、こどもたちが遊べる森を育てるためには、今、私たちがこの森を明るく元気に保っておかなくてはなりません。そのために下草刈りをするのだということを伝えました。

はじめに森のことや下草刈りの目的を話しました。

いざ、下草刈り開始!はじめはみんなのエンジンがかかるのに時間がかかりました。目の前に茂る草に圧倒されたり、ペアでやることに慣れなかったり、刈ってよい草と残す草の見分けがつかなかったり、ハードルは沢山ありました。それでもしばらくやっていると、こどもたちも慣れてきて「これは刈っていい草?」「これはなんて言う植物?」と分かる人に聞き合う声も飛び交っていました。今まで下草刈りをやったことがある子も何人かいて、初めてやる子や低学年の子のお手本になっていました。

午前中の作業が終わったら、お気に入りの場所でお弁当の時間!

予定では午後はまるっと森遊びの時間にする予定でした。しかし、思ったより進んでいない森を見て、午後も作業を継続することにしました。午前中の経験を活かして、集中して良いペースで進めていきました。しばらく草を刈っていくと、自分たちが手を加えてきた箇所を振り返って、「すごい綺麗になった!」「見て!すっきりした!」と達成感で顔がほころんでいました。また、ただ草を刈るだけでなく、道がなかったところに新しい通り道を作りだす子もいました。それぞれのアイデアでただ草刈りをするだけでなく、その作業をより面白く楽しく出来るのが素敵だと感じました。

森から出る1時間前に、下草刈りを終了し、森遊びの時間にしました。相談員と一緒に少し遠くまで探検に行ったり、ツリーハウスにまっしぐらに駆け上っていく子がいたりしました。また、ツリーハウスから「やっほー」と森全体に響く声で叫んだり、斜面を活かした2階建ての秘密基地作りに挑戦したり、木登りをしたり、森でしかできないことを全身で楽しみ味わっていました。

斜面を活かして、2階建ての秘密基地作り
小さなお家もできました。
みんなで木登り!
森全体に聞こえる声で「やっほー!」

この下草刈りを終えて、こどもたちに感想を聞きくと、「森が明るくなって嬉しい!」「すっきりして気持ちいい!」「楽しかった!」など色々な声が上がりました。下草刈りと聞くと、大変で終わりの見えない「作業」のような印象も持つかもしれません。しかし、こどもと一緒に草を刈っていると、無我夢中で手を動かす姿や集中した真剣な眼差し、仲間と声を掛け合って物事を判断したり、協力したりする姿などが見られます。その背景には、この森を守るのは私たちであるという当事者になることの喜びや、この先の未来も遊べる明るい森であってほしいという思いがあるのかもしれないと感じました。下草刈りをしたのは日常の中の少しの時間ですが、この経験を通して、森や木の大切さをどこかで実感してくれていたら嬉しいです。これからもまた定期的にあんじゃねの森に行こうと思います。


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