児童養護施設のこどもたちに自由なキャンプを

今年度で3回目となる、児童養護施設一宮学園のこどもたちを対象とした、山賊キャンプの受け入れを行いました。20年前に山賊キャンプのボランティアとして参加していた方が施設職員として勤められていることがきっかけで、団体同士の職員研修など交流が生まれました。施設のこどもたちに「こどもが主役」の山賊キャンプを味わってほしいという想いから受け入れにつながりました。

今年度は小中学生10名、施設職員4名での受け入れとなりました。施設内での公募募集を行い「行きたい」という自分の意志で申し込みをした10名が参加。半数はリピーターでさらに3年連続という子も3名いました。今年度の募集が始まる前から「今年もあるんだったら行きたい」と話してくれていたとのこと。

一宮学園がある千葉県長生郡一宮町から長野県泰阜村まではかなりの長旅ですがキャンプ場につくと、長距離の移動の疲れもありつつも、「空気が違う」「山が近い!」「ずっと楽しみにしてた!」と元気にやってきました。

まずは山賊会議でやりたいことを出し合いました。「2泊しかないから、今日(1日目)の夜、肝試しをやろう」「天気が心配だから、野宿もしたい」という事で、初日からパワー全開で突入しました。夜ご飯の後のすき間の時間でこどもたちが考えた肝試しでしたが、大いに盛り上がりました。

まる一日遊べる2日目はひたすら川遊びへ。川底まで見える美しい左京川で滝に打たれたり、何度も飛び込んでいました。合間に工作で釣り竿やイカダを作りまた川へ。沢登りに出かけ戻って来てから、朝のうちに炊いていたドラム缶風呂へ。「冷たい川で身体が冷えてたから、あったかい風呂が気持ちいい」と当たり前の暮らしへの感謝と共に泰阜村の大自然を満喫していました。

「ごはんづくりが大変だったけど楽しかった!」

朝と夕ご飯はこどもたちがメニューから考えました。食材を切り、火をおこし、顔をすすで黒くしながら全員で協力して創り上げました。「最高の煮物ができた!」「この野菜炒め、美味しすぎる」と達成感を噛み締めました。

施設では基本的に職員の方が食事の準備をするとのことで、こどもたちはお手伝いをする程度だそうです。一人ひとりが自分ができることを探して奔走している姿に職員の方も驚いていました。みんなで一つのごはんをつくるために、得意なことで力を発揮したり、苦手なことにチャレンジする。大変なことをみんなで取り組むことで、楽しさに変わる発見に繋がったのだと思います。

最終日の振り返りでは、「時間を忘れて遊べたのが楽しかった」「川遊びやご飯づくりがみんなとできて嬉しかった」「また、来年も来たい」と語っていました。

この受け入れ事業を継続していく上で最もハードルが高いのは、キャンプにかかる費用です。今年度は昨年度から進めてきたクラウドファンディングで多くの方にご支援をいただき、目標金額を達成。無事に受け入れることができました。

次年度に向け、公益財団法人長野県みらい基金と長野県との協働事業として9月26日よりクラウドファンディングがスタートします。こどもたちのために応援とシェアをお願いいたします。