だいだらぼっちも始まって1カ月。こどもたちの手で暮らしをつくるだいだらぼっちでは、暮らしの作業がたくさんあります。特に春は、冬のストーブのためにたくさんの薪を乾かしはじめたり、梅雨にむけて母屋に防腐剤を塗ったりと大忙しです。
そこで、ゴールデンウィークに、家族や今までのOBOGなどに声をかけて助けてもらう最大参加者130名、2泊3日の作業合宿を計画しました。
”ゴールデンウィーク合宿”主催者の責任と面白さ
130名が参加する合宿の運営もこどもたちが行います。合宿を行う決めてからも連日話し合いが続きます。
「ごはんのメニュ―はどうする?」
「働いてもらっただけじゃ申し訳ないから、楽しめる企画もしたい」
「参加してくれる人がケガしないように注意事項もちゃんと考えないと」
などなど、話し合いを進めるほどに主催者側として考えることがたくさんあることに気づきます。
そんな中ごはんを担当してたチームがどうしても来てくれた人達に泰阜村の旬を味わってほしいということでメニューにタケノコごはんを考えました。しかも自分たちで掘ったタケノコで(笑)
忙しい作業の合間の隙間を見つけ、お隣のおじいちゃんに相談して、タケノコを掘らせてもらって、あくを抜いて切ってゆでて冷凍して本番に向けて準備をして、
「これで来てくれた人よろこんでくれるかな?」とわくわくしていました。
ゴールデンウィーク合宿開始!
最高の天気に恵まれ、ゴールデンウィーク合宿が始まりました。
集まってくれた人たちを前に緊張しながらも、注意事項や、合宿に込めた思い、明日からの作業の説明をしました。初日は、みんなが持ち寄ってくれた一品料理の夜ご飯を食べ、ゆっくり五右衛門風呂に入ってもらって明日からの作業に備えます。
人の力ってすごい!力を持ち寄る作業!
2日目は一日中作業の日です。
この日に予定している作業は3つ
・冬のストーブ用や、日々のお風呂に使う薪を割って積む薪作業
・母屋やその他の施設に防腐剤を塗る作業
・鶏小屋の周囲を掘って獣対策をする作業
こどもたちが棟梁になって作業を仕切ります。
薪作業チームは、薪割をするチームと薪リレーをして積むチームに分かれました。
薪割チームには、歴代の薪割自慢のOBOGが集まり、手にマメを作りながらも豪快に割り続けてくれていました。そんな姿に「すごい!僕たちもあんな風に割れるようになるのかな?」と始まって1カ月の現役のこどもたちの目をくぎ付けにしていました。
一方、薪リレーもこどもたちだけでは何回も往復しなければならない距離を一本の列になり、声をかけながらどんどんと運んで積んでいきます。
たくさん用意した薪がどんどん運ばれていく様子に「人の力ってすごい!」と改めて感じるこどもたちでした。
次に鶏小屋チームです。
春休みの間に獣に入られてしまったので、小屋の周りを一度掘って、トタンを埋めて獣の対策をすることが今回の目標です。
単純な行程なので、すぐ終わるかも!と思ったのもつかの間、掘り始めると土が硬くて中々手ごわい!午前中いっぱい、ひたすら小屋の周りを掘る作業になりました。しかし、掘り終わってみるときれいに70センチほど掘られた溝を見て改めて人の力のすごさを感じる瞬間でした。
その後は、トタンのサイズが合わず切りなおす場面もありましたが、夕方前には、トタンを入れ、埋めなおすことができました。これで安心して鶏を飼うことができます。
最後は防腐剤チームです。
母屋の周りに防腐剤を塗っていく作業ですが、広い母屋の壁を塗るのでなかなか大変な作業です。ですが、こちらも大勢の人の力でぐんぐん進んでいきます。高いところは脚立を使い、塗る人、押さえる人など連携を取り、母屋だけでなく他の施設も見事塗り切ることができました。
こうして朝9時から始まった作業は無事に午後4時、作業時間約6時間、働いて目標の作業を終えることができました。
作業後「無事目標の作業を終えることができました。本当にありがとうございました。」という、こどもたちの挨拶に、みんなヘトヘトだけど、どこか清々しい表情でした。
保護者の方々も「思ってたより薪が重かった、こどもたちがどんな暮らしをしているか分かった。」「大変だけど楽しかった」とこどもたちの暮らしを実感する機会にもなったようです。
ありがとうの気持ちを形に
最終日三日目は、お礼を込めてのお楽しみ企画です。
今回考えたのは、早朝だるまさんが転んだ!・五平餅・借り人競争です。
朝6:00からの早朝だるまさんが転んだは、はたしてお礼かどうかはわかりませんが(笑)こどもたちのみんなで遊びたい!という気持ちがこもっています。
五平餅は南信州の郷土料理でもあるので、地元の味を食べてほしいと臼でご飯をつぶし、炭火を起こしてその場で焼いてもらおう!と企画しました。そして、ただ食べるだけでは面白くないということで同時に借り人競争も企画し、五平餅を食べながら楽しめるように考えました。
”持ちよる”ってなに?
よく”力を合わせる””力を持ち寄る”と言いますが、中々言い表すことは難しいし、言葉では中々伝わりずらものでもあります。
しかし、今回の合宿を通してこどもたちは、来てくれた人たちのために”気持ちを持ち寄り”企画しました。また、”ゴールデンウィークに時間を””おいしいご飯を””作業に力を”様々な”持ち寄り”を実感したことでしょう。
最後のこどもたちのあいさつで「本当にありがとうございました。これからも残りの11カ月みんなで作っていくので応援よろしくお願いします!」と話していました。
今回の合宿での”持ち寄る”ことを実感したこどもたち。これからの暮らしが楽しみです。
奈良→北海道を経て2008年に”暮らしから学ぶ”に興味をもってグリーンウッドに参画。季節を五感を使って感じることとてづくりを大切にこどもたちと暮らしを楽しんでいる。