だいだらぼっちのリアル!ものづくりの集大成、プレゼント交換会

先日みんなで「プレゼント交換会(通称:プレ交)」を行いました!1年間共に暮らした仲間へ、プレゼントを送りあいます。プレゼントといっても、ここでのプレゼントは一味違います。既製品ではなく、こどもたちが手間と時間と相手への想いをたっぷりつめこんだプレゼントを贈りあうのです。今年は贈る相手はくじ引きで決めました。みんな贈る相手はわかっても、誰からもらうのかわかりません。最初の人が贈る人を指名して、もらった人が次の贈る相手を指名していきます。ここまで誰にも知らせずに、ひっそりとコツコツとみんなが準備してくる、まさにものづくりの集大成ともいえる会が、「プレ公」なのです。

始まる前は、みんな緊張した面持ちで集まります。一体誰から始まるのか、自分は何番目かもわからないのでドキドキです。何よりも、「相手は喜んでくれるだろうか」「これで大丈夫かな?」と送った時の相手のことを考えて、頭がいっぱいになります。(自分がもらうときのことなど考えている余裕はありません!)

どんなものづくりの作品が出てくるのかという期待と、相手を思う不安がごちゃ混ぜになって、緊張はピークに達します。

そんな中、会がスタート。順々に想いを伝えあいながらプレゼントを渡していきます。例えばあだっちーが指名したのは、2年間共に暮らしたみー。みーは猫が大好きなので、猫の足跡をモチーフにしたお皿、箸、コースターなどを贈りました。だいだらぼっちではみんな箸も木を削って手作りしていますが、みーが自分の箸を持っていないことに気がついてこれらを贈ることにしたそうです。

 

最年長中学3年生で今年卒業するまなみの相手は最年少4年生のオオダコでした。まなみが送ったのは、鼻炎にいつも悩まされていたオオダコが鼻をかみやすいように作られたティッシュケースと小物を入れられるポケットつきのウォールポケット。なんと藍染やマリーゴールドで布を染めた後に裁縫したものです。右上にある月は「まなみは来年いないけど、この月が私の代わりにオオダコをずっと見守っているからね」というメッセージが込められたものでした。寂しさも相まって、涙ながらにまなみはプレゼントを渡していました。

 

プレ交には相談員も参加します。相談員のぎっくがこうだいに贈ったのは“木刀“。4月にやってきて、その辺に落ちている木を削ってはチャンバラをしていた姿が印象的だったからです。ただ、この木刀には「鞘の内」という言葉が刻まれています。戦うための刀じゃなく、簡単に刀を抜かずして勝つ。心の中に強い刀を持って生きるんだぞというメッセージが込められた木刀でした。

 

1年間共に暮らしたからこそ、相手がどんなものを喜んでくれるか想像できる。作りたいと思ったものを形にしようと思えるのです。特に今年は、こどもたちが等身大の大きさで、自分たちの手の届く範囲で頑張って作り上げてきたのが印象的でした。まさにものづくりの集大成とも言える会でしょう。

最後は机にプレゼントを並べてみんなで観察します。「これどうやって作ったの?!」「間近で見るとすごい!」と大興奮。この探究心とワクワク感こそ、ものづくりの原動力なのだと思います。

ものづくりは暮らしには欠かせません。泰阜村にはコンビニもない中で、村民は当たり前のように食物や道具を自然から生み出します。その後ろ姿を見ながら、こどもたちも日々斧の柄が壊れたら自ら直し、畑で野菜を育て、鶏から卵をもらい暮らしています。これらは暮らしのほんの一部で、だいだらぼっちの暮らしは手足や頭を使って生み出すことが溢れているのです。そんな経験を重ねてきたからこそ、プレ公は面白いのだと感じました。

コメント

  1. 今村夏生 より:

    だいだらで自然、皆との生活、関わりの中で大きく成長していく子どもたち、周りの人、目の前の人を笑顔に喜ぶ事だけを想う気持ちは一生の宝物、かけがえの無い体験に拍手