“過程がみえる”畑づくりは“実感”の連続|1年間のだいだらぼっちリアル!

 

スーパーに並んでいる野菜と、自分たちで作った野菜。この2つの違いは何でしょうか。鮮度?苦労?美味しさ?生産者の顔写真や生産地を紹介するQRコードが商品についているので、今や産地に直接行かなくとも“つくる”過程が知れます。自分で育てなくとも、野菜ができるまでの道のりを知ることができるのです。では、だいだらぼっちでは野菜をどのように手に入れているのでしょうか。

 

 野菜は村の方からいただいたり、生協で発注したりしています。なので、畑をやるかどうかは自由です。4月、集まったこどもたちで“1年間どんな暮らしにしたいか”の話し合いを通して、畑をやるかどうか決定します。そして、今年度のこどもたちは「畑をやる!」と決めました。かつ、「やるからには、土づくりから!」と決めたのです。例年、1.5aほどの畑で20種類を超える多数の野菜を育てています。ですが、今年度は7種類のみ!大豆・小豆・落花生・にんじん・サツマイモ・ゴーヤ・ショウガです。種類を減らすことで、1種類あたりの収穫量を上げる。そうすることで、どれだけの量の野菜を自分たちで育てたのか実感しやすい!特に大豆は枝豆として食べることはもちろん、きな粉・納豆・豆腐など活用方法が多岐にわたるので多く育てようとなりました。

「育った大豆できな粉もち作りたい~」「サツマイモではスイートポテト!」などなど、モチベーション高くスタートしました。しかし、すぐ目の前に大きな壁があらわれます。田起こし(土を耕す)です。カッチカチの土をふっわふわにすることが、美味しい野菜づくりへの第一歩。ですが、半年以上手を付けていなかった土は、そう簡単にほぐれません。パラパラにほぐしたいものの、ゴロゴロ土の塊が転がっています。使い慣れない農具に悪戦苦闘しながらも、継続参加者にアドバイスをもらいながら進めていきました。

続いて、複数の種類の堆肥を混ぜて土をより良くしていきます。

さらに、計算された畑の区分けを枝とヒモを使い一目で分かりやすくしています。畑全体を無駄なく使う作戦です。

3日間かけて、植える準備が整いました!

バッチリ準備が整ったところで、種・苗を植えていきます。こちらは、ショウガです。

さぁ、全て植え終わり!!ひと段落~。かと思いきや、ここから毎週末の早朝草取りが始まりました。早いときには5:30に起きて、ジャングル状態の雑草を刈っていきます。これが、中々しぶといもの。毎週やってもグングン伸びてくる雑草と、こどもたちの集中力の戦いの結果は…集中力のほぼ完敗でした…。しかし、1時間だけやる!など時間を決めて、何とかやっていきました。

 

「何植える?」話し合いに始まり、3日間に及ぶ土改良、毎週末の草取りと収穫までの道のりは決して楽ではありませんでした。しかし、苦労したからこそ収穫の喜びは格別です。特に、1番力を入れて育てようと決めた大豆の収穫。たわわに実った枝豆を見たときの気分は最高でした!

 

 過程がみえる畑作業を通して、こどもたちは様々な“実感”を得ました。土づくりは大変である実感。収穫量アップのためには頭を使う実感。18人みんなでやっても草取りは心が折れる実感。何より、自分たちでゼロから育てる苦労の実感。スーパーで手に入れる野菜から、これらの実感を得ることは難しいです。実感には、学びや気づきが多く潜んでいます。だからこそ、どれだけ時間や苦労がかかっても“過程がみえる”ことが必要であり、大切であるのです。

 こちらは、畑で育てた野菜と村の方から頂いた野菜“だけ”で作った食事。

だいだらぼっちのこどもたちは、日々の暮らしの中で“美味しい”実感も存分に味わっています。今年度は、冬野菜にも力を入れようと動き出しています。これからの季節も、どんな実感に出会うのか?楽しみです。