トノ、遠方より来たる またうれしからずや

秋田県横手市から来訪者があった。
2泊3日で。
NPOグリーンウッド元職員の金沢君(愛称:トノ)とその仲間たちだ。
4年間泰阜村に住んだことがあり、夫婦(“トノ”と“マメ”)とも私の職場の同僚だった。

思い起こせば、トノは2002年に正職員としてNPOグリーンウッドに来た。
NPOグリーンウッドが創生期の苦しい時代を経て、新たなステージに駆け上がろうとしている時。
私は1993年にNPOグリーンウッドに職員として入った。
それ以来、初めて男性職員を迎えたのだった。
ということは、それまで約10年間は私はずっとぺーぺーだったということになる(笑)
初めて部下ができたというよりは「仲間ができた」という想いが強かった。
トノはそれまで、宮城県のくりこま高原自然学校というところでスタッフとして働いていて、こちらに来てからは即戦力として働いてもらった。
見てのとおり豪快な働きぶりを見せてくれた一方、見てくれからは考えられない繊細さも持ちあわえていた。
今想えば、笑えるできごとしか思い浮かばない。

トノはその後、故郷の横手市にUターンする。
今は横手で一番大きな福祉施設の責任者。
いちはやく老人と幼児をつなげる運営も手がけた。
今ではなんと、障がい者が催場する野菜を使ったラーメン屋まで経営している!
実にマルチな青年実業家である。

昨年の11月、東北の仕事のついでに8年ぶりに彼のもとを訪ねた。
トノ&マメ夫婦の一番上の娘さんは、私の娘と幼なじみ。
年に一度くらいは顔を合わせる機会をつくろうとするが、これがなかなか実現できない。
11月は私1人の訪問になったが、思春期に突入した3姉妹の歓迎を受けて(笑)、夜遅くまでなつかしい話に花が咲いた。
その際に、互いのスタッフ研修や、次の展開についても意見を交わした。
そして、トノが役員を連れての泰阜村訪問となったわけだ。
まあ、今後の作戦会議ということになる。

自撮りで

トノのことを、泰阜村のひとびとは覚えている。
短い滞在ではあったけれど、彼は挨拶をしてまわっていた。
第2のふるさとに帰省してきた彼をみて、きっと村のひとびとも大喜びだっただろう。

体調を崩しているスーパー漁師も喜んだ

整骨院の先生も、いぶりがっこを手に大喜び

夜はNPOグリーンウッドのスタッフとも懇親を深めた。
役員のひとりが、まさにラーメン屋の担当ということ。
わざわざ横手市からラーメンの材料いっさいがっさいを持ってきて、目の前で作ってくれた。
これがうまい。
こだわりのスープと麺は、惜しげもなく手間がかかっている。
その歩みは、われわれNPOグリーンウッドが大事にしているものと似通う。
ラーメンもおいしかったが、その心意気に共感した。

ラーメン屋ののれん。検索してください

今後、どのような連携・協働ができるか。
ワクワクしながら、別れを告げた。
遠く離れていても、お互いが地道に活動を実践し、励ましあえる。
そしていつしか、社会をよりよくする仕事のパートナーとなる。
そんな関係性が、これからもがんばろうという原動力のひとつだと、つくづく想う。

トノ、遠方より来たる、またうれしからずや

代表 辻だいち