スタッフ研修:リスクマネジメント編|野外活動の危険を判例から学ぶ

みなさん、この問題の答えわかりますか?
これはこどもの事故を起こさないための「こどもの行動特徴」の問題です。
答えはこの記事の最後に!

去る5月31日。山賊キャンプが始まる前に、重要な研修を行いました。

グリーンウッドではキャンプやだいだらぼっちから始まり、幼児向け、地元向け、大学生向けと1年を通じて様々な対象に体験活動を提供しています。安全に行うためのリスクマネジメントは最重要事項。川の研修を中心にして実地と知識から学ぶ場を年間を通じて設けています。その中で最も大切にしている研修がこの「事故事例から学ぶリスクマネジメント」です。東京から早川弁護士にお越しいただき、全国で起きたこどもに関わる事故をケーススタディとして学ぶ機会を設けています。

こちらが早川弁護士。自然体験活動の事故事例に造詣が深く、これまでの事故の判例はもちろんですが、「なぜ起きたか?」「どのように防ぐのか?」までを法律家の立場から教えていただきました。

「事故を起こした人たちは口を揃えてこう言います。『まさかこんなことが起きるとは…』『まさか自分が…』と。事故はまさかで起きるのです。」

様々な裁判や事故対応、そしてたくさんの被害者も加害者と出会ってきた弁護士の方の言葉はとてつもなく重いものです。新人たちはかなりの緊張。「こんなに怖いことが起きるの?」と驚いています。これまでこどもとの活動は楽しい面だけを見てきた彼女らにとって、早川弁護士の話しは刺激的であると同時に、恐ろしさを感じていました。

しかし、ひとつの事故が人の命や人生を大きく変えてしまうこともあります。我々指導者がそのリスクの本当の怖さ、大事さを理解し、真摯に向き合うことが大切なのです。

リスクマネジメントとは、起きた後の対応をいかにするかも大切ですが、起こさないことが一番です。2018年度の信州こども山賊キャンプは研修を受けたおかげもあり、無事に終えることができました。それが何よりの成果です。

さて最初の問題の答え。

  1. こどもは、大人の ① 予測できない  行動を取る。だから、大人はこどもが ①(大人の) 予測できない  行動を取ることを前提として安全対策をしなければならない。
  1. こどもに対する注意は、行為の ② 都度  行う。事前に注意を与えるだけでは足りない。なぜならば、こどもは遊びに夢中になるなどして大人の注意を忘れるから。
  2. こどもの危険認知能力
    こどもに対する注意は「危ないから」ではなく、 ③ なぜ危ないのか  を注意する。

全て正解した人はいますか?
どれも当たり前のようですが、これを徹底できるかどうかで事故やトラブルの数は大きく変わるのです。ですから、なにより大切なのは研修を受けることよりも「続ける」ことなのです。
「こどもを無事に保護者に引き渡す」のが、体験活動を行う上での最低条件。これからも気を引き締めて活動していきます。