2021教師指導者育成プロジェクト~モアイ2月の研修報告~

NPOグリーンウッドでは、次世代を担う教師を育てる「教師・指導者育成プロジェクト」を実施しています。育成プロジェクトでは山村留学だいだらぼっちや信州こども山賊キャンプなどグリーンウッドの様々な事業に関わり、こどもたちと生活を共にし、実体験を積む中で人間としての土台を拡げることを目的にしています。今年度参加者のモアイ(森 大樹さん)の2月のプロジェクト研修報告です。

ーまるやまキャンプー
学童でこどもたちと秘密基地づくり・木登り・フジヅルのターザン等の森遊びを繰り返す中、こどもたちから「ここでキャンプをしてみたい」と声が挙がり一緒に準備を進めてきた。 今回の企画では、1つ1つのアクティビティーをこどもたちと全力で楽しむことで、「泰阜の自然で遊ぶ面白さ」を共有したかった。それは、この一年間、山賊キャンプ・あんじゃね学校・いってきました・だいだらぼっち等の事業や、森の間伐作業・休日に野宿や野外炊飯を繰り返す中で自分自身「地域の自然で遊ぶことの面白さ」を知ったことで、世界が少し面白くなったと感じているから。

キャンプ中こどもたちは、「寒い中食べるうどん、温かくておいしい」と泰阜の厳しい寒さの中だからこそのおいしさを味わい、自分たちでつくった秘密基地での野宿では「星がきれい」「風が来なくて外より暖かい」と泰阜の夜を満喫。おやつ作りでは切った竹に生地を一層ずつ塗り、根気よく焼きあげたバームクーヘンを「大変だった分すごくおいしい」と味わっていた。事前に自分たちで出したやりたいことを、ひとつひとつ全力で楽しんでいた。

中でも印象に残っているのは、 いってきました でよく一緒にサッカーをしているけれど、今年度一回も あんじゃね学校 に参加していない高学年の男子が参加してくれたこと。
「意外と寒くなかったよ」と秘密基地での野宿を楽しみ、バームクーヘンを仲間と協力して焼き上げ、ご飯づくりでは餃子を黙々と包み続けていた。将来、このこども時代のキャンプを思い出して、自分でもやってみようかなーと思ってくれたらいいな。それで世界観が広がることもあるかもしれないから。このキャンプで自分が何を学んだかは分からないが、この経験が腑に落ち活かされる時がくると思う。

今回のキャンプ、プログラムディレクターとして至らない点が多々あった中で、こどもたちに、大きい怪我や事故等なく「泰阜の自然で遊ぶことの面白さ」を味わってもらうことができたのは、体制やそれ以外のスタッフの支えがあってこそ、コロナ下でもキャンプを開催できたことは保護者や地域の理解があってこそだ。この場を借りて感謝の意を表したい。泰阜での暮らしも残り1カ月。3月はまるやまを使わせて頂いている地主の方にこどもたちとお礼状を書くことと、まるやまの土止め等の作業をやりきり、今年度を結びたい。

担当者から
2月モアイが実現した「まるやまキャンプ」。このキャンプを実現するために毎日コツコツ淡々と進めてきた「まるやま」という場所の整備や、こどもたちの「やりたい」を引き出しながら彼らと一緒に進めてきた「プログラム」の準備、他にも自分で野宿してみたり、本当にたくさんの準備をしてきています。それらがあったからこそのこどもたちの笑顔だったのだと思います。そこからモアイが得たものは必ずあるはずです。ただ、今はまだモアイが気づいていないだけで、この先モアイが踏み出していく新しい世界の中で、この経験が活かされる時が必ず来るはずです。今回は言葉にできなかった「モアイの得たもの」が、いつか言葉になって、実感を伴ってモアイの中で腑に落とされる日が来ることを楽しみにしています。こどもたちとの生活もあとわずか。気持ちも時間もたくさんかけてきた「まるやま」を、こどもたちと一緒に最後まで楽しんでほしいです。