安心してチャレンジできる場所|放課後児童クラブ「いってきました」

 2021年も1年間を通じてたくさんのあそびが生まれチャレンジがありました。特に先月12月は早下校の日が多く、放課後児童クラブで過ごす時間も長くあり、たくさんのチャレンジができました。薪割りをしたり、おやつづくりをがんばったりと普通下校の時にはできないことをたくさん行いました。

 11月から始まった放課後児童クラブ施設の近くにある森で、探検やあそび場づくりも存分に取り組むことができました。間伐をしたり、森の中を歩けるように道を作ったりとこどもたちとどうしたら楽しく遊べるか考えながら整備しています。こどもたちからも、「ここはすべりやすいから低学年の子でも歩けるように階段をつくりたい!」といった声があり、大人だけではなくこどもも一緒に楽しく遊べる森を作っています。

 また、12月からは放課後児童クラブで使っているストーブ用の薪を確保するために、薪割りをこどもたちが行っています。今までは、山村留学だいだらぼっちのこどもたちが山から運び出して、薪割りをしてくれていたものを使っていましたが「自分たちで割って用意したい」との声がこどもからあがりました。そこで、斧の使い方のレクチャーを行い、スタッフが安全を確保して実施しています。小学2年生の男の子も始めは斧を振ることの練習から行い、次第に大きな薪にも挑戦して割れるようになってきました。自分たちで薪を運んできて、割り、積むという作業を通じて、薪割の楽しさを実感すると同時に、暖をとることの大変さや木の存在、自然のありがたみを身をもって感じることができます。だんだん寒さが厳しくなってきていますが、薪ストーブを自分たちで焚くことによって、身も心も芯から温まっています。

 

 今年度も残すところ、3か月。だんだんとこどもたちだけで遊べるようになってきて、さまざまな遊びが展開されています。我々がやっている放課後児童クラブは、どの学年でも参加できる学童保育です。一般的な学童だと、3・4年生までの限定されたこどもたちが通うところも多くあるようですが、高学年から低学年まで幅広い学年のこどもたちが通えることもいってきましたの特徴です。何年も通っている子や高学年がチャレンジできる場をどう作るのかが今のいってきましたの課題でもあります。初めて通う子にとってはすべてのことが新鮮です。火おこしや工作など毎日存分に遊んでいます。ですが、最近「やることがなーい」「なんかやりたいけど、分からない」と高学年や長く通う子の一部から聞こえてくることがあります。既存のものや繰り返しで遊ぶことの面白さは、その遊びのゴールがわかっているため安心して遊ぶことができますが、一方でゴールが分かるからこそ面白くないと感じることもあるようです。

 

今の社会では大人もこどもも同じだと思いますが、失敗しないことや間違うことを恐れる傾向があるように感じます。その根本には自己責任や孤独感があるのではないでしょうか。そういった意味で、今年度取り組んでいる、こどもたちがキャンプを企画することや森の整備を含めた森遊びの取り組みは、規定のレールからはみ出して遊ぶことの面白さ、ゴールが分からないものに向かって自分たちで生み出していく面白さを感じるという点で非常に重要な取り組みです。活動の中で失敗したとしても、どうしたら上手くいくかをみんなで考えること。一人ではない安心感の中で失敗できること。そうした積み重ねが、次へのチャレンジのハードルを低くしていくことや高いハードルであったとしても、乗り越える原動力になるのではないかと思います。

より自由に、そして楽しい場所にしていけるように今後も生み出していく面白さを感じる環境づくりに取り組んでいきます。