オンラインも先生の最高に楽しい講義が聞けることを楽しみにしてます❤️❤️

「オンライン授業嫌だあああああああ!!孤独が辛すぎてやみそうです!この授業が対面でできないことが辛すぎて、苦しいです、、、」

私が受け持つ立教大のゼミ生の声だ。
昨年1年間、オンライン授業に耐えに耐えた2年生。
その姿を見て、私もまた心がつぶれる想いだ。

今年も受け持つゼミ。
立教大学が力を入れてる仕組みのひとつ。
企画提案型のチャレンジングな授業だ。
詳しく話すと長くなるので割愛するが、テーマに共鳴した様々な学部・学年の学生12人が集まり、多くのゲストを迎えて徹底的にダイアログを重ねる他流試合。
春学期(前期)は「リスクマネジメントの令和的意義を探る ~~多彩な現場の最前線から、君たちが生きぬくためのスキルを学べ~」(長い!)というテーマ。
ひと呼んで「辻ゼミ」。
そのまんまか(笑)

私に求められているのは「アクティブラーニング」型の授業運営。
当然ながら、学生と一緒に創り上げる運営を重視する。
昨年はこの授業スタイルを、なんとかオンラインで確立した。
一緒にチャレンジしてくれた学生たちには感謝したい。
みんな今、果敢に次のステージに進んでいるから微笑ましい。
いや、頼もしい。

話がそれた。
今年度は、大学の方針もあり、4月に対面授業でスタートできた。
大人数の授業は依然としてオンラインだが、少人数のゼミは対面授業開講が可能。
迷わず対面授業を選ぶ。
今回は冒頭コメントで紹介した一人の学生にフォーカスする。

「基本的にオンライン授業になってしまっている中で、この授業は原則ずっと対面で行ってくださって本当に嬉しいです。やっと思い描いていたような大学生になれそうです!これからもずっと対面でこの授業が受けられて、あわよくばみんなでご飯食べに行ったりできたらいいなと思っています(笑)これからよろしくお願いします!」

「初めに教室に入ったときは「知らない」ことが怖くて、緊張してしまいましたが、体を動かしながらお互いに自分のことを話していくうちに「知りたい!」という意欲的な気持ちに変わっていくのがとても面白かった。来週からももっとみんなのこと(もちろん先生のことも)知っていきたいと思った」

顔を合わせて、同じ場と時間を共有する。
体温や息吹を感じながら(もちろん距離とマスク)、学び合う。
その幸せに、学生たちが打ち震えている。
この学生もその一人だ。
学びへの真摯な渇望とはこういうことか。
その姿を見て、私もなんだかこころが震えている。
青臭いけれど、やっぱり「学ぶ」っていいな、と心から想う。

「この授業が今季取っている授業の中で一番楽しいので、毎回火曜の5限が楽しみです!コロナが増えてきて、また大学に来られなくなってしまいそうで怖いですが、どうにか春学期ずっと対面でこの授業が受けられることを切実に祈っています。。」

感染状況が危うくなった4月中旬。
学生の不安な想いに、LINEでつとめて明るく返答する。
するとこんなメッセージが来た。
「これからも一番楽しい授業であり続けてくださることを期待しています!! 緊急事態宣言出ても学校に来れますように、、」

2年ぶりに再開したのは、対面授業だけではない。
私の毎週の東京通いも再開だ。
一昨年前まではあたりまえの東京通いだったが、昨年オンライン授業でぱったりと東京に行くことはなくなった。
身体がそれに慣れてしまったかもしれない。
まあ、歳もあるんだろう。
身体はしんどいけど、学生のほとばしる学びを、私も全力で支えなければと強く想う。
どんな状況になっても「学びの楽しさ」を体感できるゼミにする、と、学生に約束する。

緊急事態宣言が出た。
残念ながら、6月1日までを完全オンライン授業に移行すると大学側は決定した。
切り替わる直前に、3回目のゼミが対面授業で開講できた。入学してすぐ1年間オンライン授業だったこの学生(2年生)。
大学での対面授業は初めてという不安。
友人ができるのだろうか、学年も学部も違う人とうまく議論できるのだろうか、私だけが変なことを考えていないだろうか、周りに合わせたほうがいいだろうか・・・
2年生はもちろんだが、他の学年の学生も、きっと不安だっただろうと心を推し量る。
それら不安や緊張のひとつひとつを、丁寧に溶かしていくのに、3回の授業を費やした。

「初めて授業日程を見た時は3回もお互いを知る時間があるのは多いなと思っていたが、3回やったからこそのアットホームな雰囲気や、みんなが自分を素直に表現できる場になっていることに気づけた。この3回の授業で見ること、聞くこと、話すことの大切さと難しさを初めてきちんと理解することができた。いつも当たり前に行っていることだが、今考えてみるとそれって本当に聞けていたのかなと思えることが多くあった。これからゲストスピーカーの方が来てくださるが、その時には習ったことを活かし、自分から進んで理解する姿勢を忘れず、楽しんで講義を受けたいと思った」

3回を通して、ゼミの「場」があったまった。
今まさに、安心感が共有されている。
この状況に持ち込むことこそ、ある意味リスクマネジメントだ。
そして大事なことは、私ががんばったのではなく、学生たち自らがこの状況を創り出したことだ。
オンライン授業に移行するこの状況でも、学生の学びを絶対に止めない。
学びの質は下げない。
愛すべきゼミ生にそう約束した。
必ず再会しよう、と誓って集合写真を撮る。
「会いたいねー」程度の想いでは二度と会えない。
必ず再会する。
絶対にまた会う。
その強い想いを胸に、信州に戻ろう。

学生からLINEが届いた。

「オンラインも先生の最高に楽しい講義が聞けることを楽しみにしてます❤️❤️」

ここからが私の腕の見せどころ。
まあ、見てろって。

代表 辻だいち