中国:大連でアジアのこどもの未来を語る ~中国東北地区自然教育フォーラムで講演~

中国大連に行ってきた。
大連には、かれこれ4回目となる。
アジアの仲間有志たちと約20年続けてきたKids’ AU(Kids’ Asian Union)キャンプ
大連にも支部がある(本部は日本の名古屋市)。
昨年、大連の離島で開催されている。

今回は、大連の仲間達から声がかかり、講演に来てくれということ。
日本から近いとはいえやはり海外。
日程をやりくりするには限界があったが、それでも弾丸往復で行ってきた。

飛行機から大連の街を見下ろすと、来るたびに発展している。
それはハルピン(ハルピンにも5回ほど行っている)など地方都市にもあてはまり、90年代に訪れたころに比べると腰を抜かすほど変貌している。
大連は旅順という港もあり歴史的に日本とは交わりがある。
だからだろうか、日経の企業が多数進出していて、街では日本語が飛び交うことも珍しくない。
日本の主要都市と直行便があることも、今回のような弾丸往復にはありがたい。

呼ばれた講演は、中国東北地区の自然教育ネットワーク設立のシンポジウム
午前に基調講演、午後に安全管理講演。

今、中国では自然体験や環境教育が大きなうねりになっているらしい。
中国南部に本部がある全国ネットワークが、今年地方に6つの支部を創ることになった。
Kids’ AUキャンプの大連支部長(女性)が、東北地区ネットワークに深く関わっていることから、私に声がかかったということだ。

当日の会場には200人を超えるひとびとが集まった。
東北地区は、遼寧省、吉林省、黒竜江省という3つの省を抱える、非常に広い地域だ。
それでも新幹線など高速交通インフラが飛躍的に発展を遂げていて、移動・交通の壁が低くなっているのだろう。
遠くから集まったひとびとが、とにかく収穫して帰るぞ、という熱気に包まれていた。
30年ほど前にこのような熱気に包まれた日本を見ているようだ。


NPOグリーンウッドの事例を紹介しつつ、質の高い自然体験教育の設計に必要なことや、指導者や経営者としての資質、心構え、そして安全管理のイロハを話したつもりである(それをリクエストされていたが果たして伝わったかどうか)。
残念ながら、今の中国のプログラムは管理的だということ。
指導者(大人)の介入が強く、こどもの自主性は極力控えられている。
安全管理も極度に管理的なアプローチが目立つ。
日本にもそういう時代があった(今もそうかもしれない)。
それを乗り越えて、こども本位の自然体験教育にどのように到達していくのか。
それは、決して日本が先進事例ではないことを物語る。
日本と中国が叡智を集めて乗り越えていきたい、と想うのは不思議なことではなかった。

▼私の左横が、私に声をかけてくれたKids’ AU大連支部長の金花子氏

▼泰阜村の木下藤恒さんが、中国デビュー

シンポジウム終了後、多くの参加者に囲まれた。
多くは握手と記念撮影だが、なんとか通訳をつかまえて深い質問を投げかけてくる参加者もいる。
国際的な会合に参加するといつも思うことだが、私に語学力があればもっと相互理解が深まるのになあと。
シンポジウムを支える若い実行委員会も、熱気を帯びている。
中国のひとびとが本気になったらきっとすごいんだろうな、と感じる。
実行委員長(東北地区ネットワーク会長)は、とまらない想いを私に語ってくれた。
今回は一緒にお酒を飲むことはなかったが、それでもすでに“朋友(日本語で親友の意味)”である。
強くハグをして「再見」(また会おう)を誓った。
参加者も実行委員も皆、日本に視察研修に来たいと強く願っていた。
ぜひ来ていただきたい。
オールアジアでこどもの未来を考えていこう。
また一歩、階段を上がることになるかもしれない。

▼実行委員会。熱い委員長は右端

今回は、大連に午後2時に到着したのだが、そのまま大連市内の小学校に連れていかれた。
そこでもこどもたちに講演したのだが、その話はまたいずれ。

代表 だいち