その子が挑戦して失敗して学ぶチャンスを大人が奪わないためには|長期ボランティアのずっきー

-今回ボランティアに申し込んだ理由は?

まず、2026年の4月から10年間かかった学生生活の幕を閉じて、初めて社会に出ます。医者になることを目指し次は研修医という立場になる自分にとって、山賊キャンプに参加しこどもたちと自分らしく接することは自分の軸をさらに強くすることに大きく繋がると、2024年の夏・冬キャンプの長期ボランティアの経験を通して確信を持っていました。今の自分に必ず必要で、これからの私を支え、背中を押してくれる12日間になると確実に思えました。

2024年は編入で入った医学部の6年生を休学して一年日本をうろうろして過ごし、その中で山賊キャンプのボランティアとインターンをし、泰阜村で2か月半ほど泰阜村で過ごしました。真っ直ぐにこども達と向き合い、社会問題の解決を目指して動き続けるGWのスタッフやそのスタッフに育まれているこどもたちの中に入った時、今まで自分が向き合わず見て見ぬ振りをし、隠してたつもりだった自分の弱さを突きつけられて正直かなり自己否定思考に陥りしんどさを感じた時間がありました。でも、そんな私を見守り手を差し伸べ、時に厳しく時に優しく接してくれたスタッフやこどもたちのおかげで自分が29年間生きてくる中で溜めてきた膿出しが少しずつできるようになったことを感じました。

そんな膿出しの一つだったのか、2025年の4月、復学してから、今まで自分の感じた事のない不安や恐怖心のうずに飲み込まれ、歯止めが効かないほどに心の調子を崩してしまいました。今まで進んできた道を投げ出したくなる日々の中で、それをせずなんとかとどまることのできた支えの一つが、昨年度のキャンプで子どもたちが与えてくれた、子どもに寄り添うことの尊さ、幸せ、温かさでした。そんなものたちが消えてしまいそうな蝋燭の火をなんとかなんとか死守してくれていたように感じています。国家試験に受かれば、4月から医者になる。医者になる怖さが何よりも大きく自分にのしかかり、それが心を壊した大きな理由でした。そんな自分にとって、これからも支えになってくれるであろう経験を、今蓄えて、そして社会に出ていきたいと強く感じ、今回冬の長期ボランティアに応募することを決めました。

-こどもとの関りから学んだことは?

こどもが失敗するチャンスを無意識に奪わないことの難しさを実感しました。こどものことを見守り、安全を確保して、かついろんなことに挑戦して失敗して、学ぶ機会を大人の都合で奪わないことの大切さを学びました。工作を見ている時、竹の細工をしていた1人のこどもが、スタッフにすでに何度もお願いしていて言いづらかったみたいで、竹を割くために小刀を使ったんです。それに気づいた私は、「それやったら危ないしだめだよ!」ととっさに強く伝えてしまったんです。そうしたら明らかに、その後からその子の口数が減ってしまいました。それでもその子はちょっと萎縮した目をしながらもその後私の近くに来てくれて。その姿、その目を見たときに私としては「しまった・・・あの伝え方はしてはいけなかった」とハッとしました。「さっきはきつい言い方をしてごめんね。私もねあなたみたいに自分のやりたいことを叶えるためにやっちゃダメなことをいっぱいしてきたのに。あの怒り方はダメだったね。自分の力で、自分のやりたいことを、その場にある道具で実現させようと工夫したんだよね。それはとってもとっても素敵な能力。だからそれをすることはやめないでね。だけどその使い方すると、道具が壊れてしまわないか。ケガをしないか。そこは考えてみてほしい。竹を割ってほしいなら遠慮せず何回でも大人に声かければいいよ。」そう伝えることができました。それはその子が近くに来てくれたからで、そうでなかったら多分私は自分の過ちを見逃してしまったような気がします。こどもの能力を認めて、その子が挑戦して失敗して学ぶチャンスを大人が奪わないためには、大人が謙虚に学び続けること、こどもが受け取れる言葉で伝えられるようになる努力、気配り、思いやり、その子の出しているSOSや要求を真っ直ぐに受け止め、それを叶えるために動くこと、一緒に悩み時間を費やすことを厭わない心持ち、そしていざ何か子どもが危ない状況になった時に救うことのできる反射神経、強靭さ、しなやかさを身につけている必要があるなとこのキャンプで感じました。

-スタッフとの関りから学んだことは?

今回改めて、信頼を土台にした関係性と、その上で生まれる場の可能性は本当に大きいと感じました。今回のお年とりキャンプでは、だいちゃんが長老でした。最初はどんな方かわからず、理念を意識しながら少し探るように関わっていました。

キャンプ初日、族分けの際に泣いてしまった初参加の子がいました。以前の組から続けて参加していて関係性もあったため、そばで話を聞き、一緒に散歩をするなどして過ごしました。すると後で、だいちゃんと相談員の方から「助かったよ、ありがとう」と声をかけてもらいました。

その出来事をきっかけに、だいちゃんを信頼し、自分らしく意見を伝えながらキャンプに関われるようになりました。帰り道、だいちゃんが「トップが本気で人を信頼すると、人は想像以上の力を発揮する」という話をしてくれ、その言葉から、私がグリーンウッドで成長できた理由、関わり続けたい理由が腑に落ちました。失敗させてくれて、失敗しても見守ってくれる。そんな信頼の中で、人は自信を持ち、自分らしくいられるのだと実感しています。実体験を通してそれを教えてくれたスタッフの皆さんに、心から感謝しています。

-本部スタッフとして学んだことは?

お年とりキャンプに参加していた1人の相談員の子から、このお年とりのキャンプは、みんなで一個のキャンプを作っている感覚があってそれがすごく嬉しかったという言葉をもらいました。役割や与えられている任務は違えど、子どもが楽しかったと笑顔で、そして安全に帰っていってくれるという同じことを願って動く大人として、自分たちの任務責務をしっかりと把握し、その仕事をしっかりとこなした上で、助け合い、補い合って一つの場を作っていくことができていたのかなととても誇らしく嬉しい気持ちになりました。

今回のキャンプで改めて学んで感動したことは、「誰のことも1人にしない」そんな想いを胸に全力で動くスタッフの姿を何度も見られたことです。同じ長期ボランティアとして参加していたサスケのことは、同じ立場だからこそ彼の動きを気にしてみていました。そんな中でサスケが誰1人寂しい想いをしないようにしたいんだろうなと私が感じずにはいられない動きをたくさんしていることに気がつきました。私自身小さい頃から大学まで疎外感を強く感じてきてしまったからこそ、そのサスケの動きを見て感激したんだと思います。私もこんな風にして欲しかったのかもなと想ったし、私もこんなふうに動ける人でありたいと尊敬の気持ちを強く感じました。そしてそれを自覚した上で周りを見ると、そんな動きをする人がたくさんいて、すごく心がホッとして温かくなりました。人がやっている姿を見て、やり方をたくさん学ばせてもらった気がします。

-これから長期ボランティアに来るか悩んでいる人へ、一言!

長期ボランティアは相談員よりシンプルに期間も長いし、本部スタッフという少し子どもとの距離が難しかったり、複雑な立ち位置を任されるから大変な感じもあるけれど、裏方スタッフがどんなふうに動いていてくれているのかを少し垣間見ることができたり、職員のミーティングに参加させてもらって、キャンプの見えない部分でどんな人がどんな想いを持ってどんな風にキャンプをさせてくれているのかを知ることができるとても貴重な経験のできることだと今回改めて認識することができました。40年続く組織。こどもを守り、一緒に楽しみ、親がこどもの成長を感じられる場所。それがどんなに尊くて、だからこそ大変なことなのかを少しだけでも経験させてもらえることで、いろんなものの見え方が変わる気がします。そしてそうやって新しく見えてきたものを抱えて生きる世界はとても豊かです。ぜひ相談員もいいけど、、、と想っている人は勇気を持って長期ボランティアにチャレンジしてみてください!チャレンジが基本だ!チャレンジしたその先にしか見えない世界、出会えない自分が待ってます!