先日、児童養護施設 一宮学園の職員の皆さんを対象に、研修の時間をいただきました。
本研修は、今年度も実施した一宮学園のこどもたちを対象とした山賊キャンプからつながった取り組みです。こどもたちとの活動を通して得た学びを、園での日々の実践に生かしたいという想いから実現しました。
いつもは泰阜のキャンプ場でこどもたちを迎える立場ですが、今回は私たちが学園を訪れる、いわば逆の立場。私自身、一宮学園を訪れるのは今回が初めてでした。
高速バスや電車を乗り継いで約8時間。遠いとは分かっていましたが、さすがにお尻が少し痛くなりました。それでも、東京駅から1時間ほどの距離にある場所でもあり、改めて泰阜が田舎にあることを実感しました。いつもこどもたちは園の中型バスで直接泰阜へやってくるのでこれほど時間はかからないと思いますが、その移動の大変さを思うと、改めて感謝の気持ちが湧いてきました。
今回の研修テーマは
「児童養護施設における自己決定を育む関わり」。
といっても、何か新しい技術やノウハウを学ぶ研修ではありません。
職員の皆さんが日々大切にしている関わりを、少しだけ違う角度から見つめ直す。
そんな時間になれば、という思いで場をひらきました。
一宮学園とグリーンウッドのこれまで
一宮学園の皆さんとは、山賊キャンプを通じて長いご縁があります。
20年前に山賊キャンプのボランティアとして参加していた方が施設職員として勤められていることがきっかけで、団体同士の職員研修など交流が生まれました。施設のこどもたちに「こどもが主役」の山賊キャンプを味わってほしいという想いから受け入れにつながり今年度で4回の受け入れを行ってきました。
「自己決定」が難しくなる背景
研修の前半では、施設で暮らすこどもたちの置かれている前提について、改めて考えました。
多くのこどもたちは、
「自分の意思でここに来たわけではない」
という経験を重ねています。
入所、環境の変化、人生の大きな出来事。
それらが大人や制度によって決められてきた中で、
「どっちでもいい」「別に」「やりたくない」
そんな言葉が増えていくことがあります。
それは性格の問題ではなく、
その環境で生き延びるために身につけてきた“適応”なのかもしれません。
自然体験教育の現場から伝えたこと
自然の中では、大人が正解を用意できない場面がたくさんあります。
どこを歩くか、どこで休むか、どうやって火を起こすか。
小さな選択を、自分の感覚で決めていく。
私たちが大切にしているのは、
・選択肢を整えること
・決めるまで待つこと
・感情を言葉にする手助けをすること
「一人一票の話し合い」で暮らしを決めるだいだらぼっちや山賊キャンプでは、
自由と同時に責任があり、思い通りにならないことも日常です。
だからこそ、仲間の中で自分の感覚を確かめ、選び直す力が育っていきます。
明日から一つだけ
研修の中では、
「明日から一つだけ、変えてみたい関わり」
をそれぞれが考える時間を持ちました。
特別なプログラムよりも、
日常の何気ない関わりの積み重ねが、
こどもたちの「自分で生きる力」につながっていく。
そのことを、改めて共有できた時間だったと感じています。
2027年度クラウドファンディング達成のご報告
そして最後に、大切なご報告です。
次年度のキャンプの受け入れや今回の研修など、実践や学びの場を続けていくために挑戦していた
クラウドファンディングが、無事に目標金額を達成しました。
ご支援くださった皆さま、応援の声を寄せてくださった皆さまに、心から感謝いたします。
今回の研修のように、施設の現場と共に考え、学び合う機会を続けていけるのも、皆さんの支えがあってこそです。
自己決定は、一度の関わりで育つものではありません。
毎日の暮らしの中で、丁寧に紡がれていくものです。
これからも、こどもたちが
「感じていい」「選んでいい」
そう思える社会を、皆さんと一緒につくっていきたいと思います。
引き続き、NPOグリーンウッドの活動を見守り、関わっていただけたら嬉しいです。

埼玉県上尾市出身。高校までの9年間野球漬けの毎日。2013年に長野県下伊那郡泰阜村へ移住。村内でも山奥とされる集落で住み始め、結婚。家族7人と動物たち(黒柴・猫・山羊・烏骨鶏たくさん)で田舎暮らし実践中!



