-今回インターンに申し込んだ理由・経緯は?
だいだらぼっちのOGの人との出会いをきっかけに、参加を決めました。フィンランドの教育ツアーに参加した際にその方と出会い。その時に、軽やかにいろいろなことに飛び込んでいく姿を見て、その人の根底にだいだらぼっちで学んだことが流れているということを知り、自分の感動を追いかけるかのようにだいだらぼっちをのぞいてみたいと参加を決めました。
自分自身が教育に携わってきた中で、「家庭」と「学校」以外の人が子育てに関わるやり方や自然の中で遊ぶということが大事だと考えていたことも、参加の後押しにつながりました。
-こどもとの関りから学んだことは?
いってきましたに参加した際、こどもたちは自分の「やりたいこと」に対してとても素直だったのが印象的でした。その背景には、やりたいことを実現させてあげたいというスタッフの想いがあり、こどもたちの自由な活動を実現させる場に繋がっているのだと感じました。
例えば、小学校2年生の男の子が手裏剣を作りに挑戦しようとしていた時に、それに対して、「刃物は危ないから大人が作ってあげる」と止めるのではなく、木と鋸を使って、すべて自分で作らせてあげていました。最終的には完成したものも本人が目指した完璧な形ではなかったものの「ここの刃は欠けちゃったけど、八法手裏剣全部自分で作ったんだよ!」と嬉しそうに教えてくれました。当然、手裏剣を作ったら投げたくなりますよね。その際も投げたら危ないから、投げないでねと言うのではなく、周りが危なくならないように、自分たちでルールを作り、的あてゲームが始まる。
この光景が「いってきました」では当たり前の光景であり、こどもたちは当たり前に自分のやりたいことを自由に実現させている様子を目の当たりにしました。
また、だいだらぼっちの活動ではこども達主体で行う「だいだらぼっち説明会」の話し合いにも参加しました。何を伝えたいか、休日の3時間を使ってとことん話し合います。そんな中でこども達がだいだらで面白いと思うことは「自分たちで何をするか決められること」「自然の中で遊べること」「やることがあること」と言っていたことに驚きました。それはまさにグリーンウッドの教育事業が伝えたいことそのままで、しっかりその思いがこどもたちにも伝わっているのだと感じました。
こどもたちの話し合いを見て、みんなで暮らす覚悟が伝わってきたことも印象的でした。ただここに来たわけじゃなくて、みんなでこの場を楽しくするために来ているということです。自分だけが楽しければいいという場じゃなくて、みんなで楽しく暮らすにはどうすればいいかという思いが根底にあるのだと感じた時間でした。
-スタッフとの関りから学んだことは?
皆さん教育への夢や想いを胸に働いているのが伝わってきました。キャンプの振り返りを全体で集まって行う場面で、それぞれが思ったがんばったこと、できなかったこと、改善方法を全員が発表していました。その場で思ったことは、全員が何かしらの挑戦をしていること、そのうえで本気で出来たこととできなかったことを分析しているんだということです。その正直さと熱意が素敵だと感じたと同時に、一人一人が自分にできる仕事を全力でやっている一方で、全員が目指している先は同じだという雰囲気を感じました。
-こどもがいない時間の業務から学んだことはありますか?
キャンプに使うお野菜をご近所の農家さんからいただいたということで、ご近所の農家さんにお礼を伝えに一緒に向かうことになりました。実際にお会いしてみると、村の人々のことを想う、優しい方たちで、長い歴史の中で、寄り添い合い、支え合った歴史があったことをお話を通して感じることができました。
ここでは大事にしている価値観が都会とは違います。都会では、コスパ重視。資本主義。人間も物も時間きっちりに動き、金銭のやり取りでみんなが動いています。それに比べ、だいだらぼっちと周辺の村では、人の想いやくらしに重きを置き、みんなで生活しています。「こどもがやりたいことはやらせてあげたい」「おいしい野菜を食べてもらいたい」「豊かな暮らしをみんなで作りたい」お金や時間では区切らない。人の想いで成り立つかかわりがそこにありました。
このことが、お金が第一優先で生きてきた私にとっては、大きな衝撃でした。このインターンに来た時もお金を払ってきているけど、この体験にそれに見合う価値があるのか?そんなことを思いながら仕事に取り組んでいました。その想いを抱えながらの時間は、自分も楽しくなかったし一緒に仕事をする人にも気を遣わせてしまっていたと思います。ただ、ここでいろんな人と出会うことで、ここに来ている人はお金で動いていないことに気が付きました。グリーンウッドに関わっている人は、「ここに来たい。」「本当に大事なことは何かを感じ取りたい」「ここが実家のように居心地がいい」そんな思いをもって来る人が大半です。そんな話をキャンプボランティアの方や、スタッフの方に聞かされた時、私は恥ずかしくなり、自分を反省するきっかけを得ることができました。金銭では片づけられない大切な価値観がそこにはあると気づかされたことが今回のインターンの私の大きな学びです。
-これから短期インターンシップに来るか悩んでいる人へ、一言!
悩んでいるなら動いてみたほうがいいです。自分の視野が広がり、知らなかった人の想いを知ることが出来、自分についての理解が深まります。たとえ、飛び込んでみた先に何もなくても、それも学びだと思います。是非、チャレンジしてみてください。

地域での子育てに関心を持ち、2014年に新卒でグリーンウッドに就職。大学時代、間伐ボランティアをやっていたことから、現在は泰阜村の森林を生かした活動に関心がある。また妊娠・出産を経て、子育てに奮闘中。2児の母。