私たぶんめっちゃ段取りいいんですよね。多分だいだらぼっちでの何気ない暮らしの中で、逆算して段取りをとることの大切さが身に染みてるんだと思う。
だいだらぼっちの卒業生にインタビューするこの企画、今回はだいだらぼっち23期生のかなです。
かなは、だいだらぼっち二十三年目から二十四年目(2008・2009年度)に、中学1・2年生の二年間をだいだらぼっちで過ごしました。だいだらぼっちにいたときから料理やお菓子作りが大好きで、時間のある時にお菓子を作ってくれたり、丁寧な手順でご飯を作ってくれたりしていました。かなの作るお菓子や料理は間違いなくみんなを笑顔にしていました。年齢的に悩める少女だった時期もあり、口の悪いこともありましたが(笑)、実は誰かを責めるというよりは、どちらかと言うと自分が足りないのでは、と悩んじゃうタイプだったかな、と思います。今はどんなことをしているのでしょうか。それではインタビュースタート!
ーお久しぶりです!早速ですが自己紹介をお願いします。
2008・2009年度に、中学1・2年生で参加していたかなです。3年ほど前、山賊キャンプ相談員でもあった〝わっしょい″と結婚し、井上から鈴木になりました。実は現在妊娠中で5月に第一子を出産予定です!(無事出産されました!)
ーそれはおめでとうございます!安定期に入ったばかりですからまだまだお大事にしてくださいね。今は何をしているのですか?
今は事務職の本業をやりつつ、副業でフードデザイナーとしてスタイリストをやったり、カメラマンをやったり、レシピ開発をやったりして働いています。最近は副業の方が忙しいかも…?だいだらぼっちにいるときから料理が好きだったので、ようやく好きなことが仕事に繋がってすごく楽しみながら働いています!
ーフードデザイナーってどんなお仕事ですか?みけはあまり知らないので教えてください!
簡単に言うと食の仕事に対して、デザイン的観点からアプローチをするお仕事です!
基本的に料理家×フードスタイリスト×フードカメラマン×SNS発信の全てを一貫して担っています!たまに個々の仕事もあります。
ー副業について聞いた方が面白そうなので(笑)、フードデザイナーのお仕事は、どんな思いでやっていますか?
自分が一貫して担うことで、クライアント(お客様)の考えや伝えたい思い、イメージなどをダイレクトに再現できるのが今の私の強みなので、とにかく相手に寄り添って考え、最善を尽くせるように日々精進してます!
ーお仕事で大変だったことや困ったことはありますか?また、それらをどう乗り越えてきましたか?
2023年にフードデザイナーの勉強を始めたばかりで、とにかく経験値を積もうと必死に動いていたら、徐々に徐々に仕事が増えてきました。あとはこのフードデザイナーの仕事は副業なので、どうしても本業後の平日夜や土日にてんやわんやしちゃうんですよね。そんな時、支えてくれる夫や家族がいてほんとに助かっています!感謝しかないです…!
ーお仕事をしていてよかったと思うことや、一番の思い出などあれば教えてください。
大学を卒業してから4. 5年は全然興味のない仕事をしていたこともあり、ただただ目の前にあるタスクをこなすだけの日々でした。でも、今のフードデザインの仕事を始めてからは、目標が出来たり、やりたいことが出来たりと、未来に向かって生きている実感が湧いてきました!
ーその目標ややりたいこと、教えていただけますか?
目標は…料理と写真講座と掛け合わせた、私ならではの料理教室を開きたいな〜なんて思っています!
ちなみにInstagramで料理発信用( @kanp_kitchen )とフード写真発信用( @kanp_foodie )の2つのアカウントで活動しているので、よかったら覗いてみてください〜!更新頻度はのんびりですが…(笑)
ーみなさまぜひご覧くださいませ!
今のお仕事に就くまでに、かなが体験したことなどきっとたくさんあると思うので教えてください。
今思えば元々料理が好きで、高校も調理科の学校に通って、大学は家政系の大学に通って…と昔から私の中の”好き”は一貫していたなと思います。ただ、それがなかなか仕事に繋がらなかったというか動かなかったというか。
ーかなの”好き“は一貫していたのに、どうして動き出せなかったのでしょうか?
好きなことを仕事にすると、嫌いになってしまうのではないか…と思っていたのが動けなかった一番の理由ですね。あとは好きなことなのに上手くいかなかったらどうしようとか、失敗したら恥ずかしいとか、行動するのがめんどくさいとか…。(笑)とにかく自分の中のナマケモノを言い訳にして、動いてなかったかなって思います(笑)。でも実際好きなことを仕事にしたら、本当に人生が豊かになったと今実感しています!仕事にワクワクする日が来るなんて、思ってもなかったです!
ー仕事にワクワクできるのは幸せですよね!きっと毎日が楽しいですね! 動けたのはなぜなのですか?
本業の事務職も料理とは全く関係ないけれど、のんびりしていて居心地も良くて、まぁずっとこのままでもいいかな~、って思っていた時に、周りの友達がどんどんバリキャリになっていることにふと気が付いてしまったんですよね。そこでようやく自分と向き合うことが出来たんです。これからの人生において、仕事をする時間ってかなり長いこと、今の自分の年収も相当少ないということ、この先の未来があんまり見えていないこと。でもぬるま湯のような人生を歩んできた私はなかなか自分から行動することができず…。どうしようどうしようと悩んでいた私の背中を「一回やってみればいいよ!」と夫が押してくれました。
そこからはフードデザインスクールに通ったり、初めての仕事が舞い込んできたり、なぜかフードデザインスクールの運営に誘ってもらえたり、友人から仕事がもらえたりと、とんでもないスピードで1. 2年が過ぎました。こんなに生活が変わるなんて思ってもいなかったけど、あの時、勇気を出して夫にやってみたいことがあると相談して良かったなと、思いを汲んで背中を押してもらえてありがたかったなと、今でも感謝してます!
ーいいパートナーに巡り合えてよかったですね!
そんな素敵なパートナーと出逢って、家庭をもって、こどものころには気づかなかったことや改めて感じたことなど何かありますか?
3年前に姪っ子が生まれたんですけど、もうほんとに可愛くて可愛くて…。姉夫婦と家が近いということもあり、週に1回以上は会う生活をしていたら我が子のように思えてきて、夫婦でメロメロなんですよね。姪っ子でこんなにメロメロだったら、自分たちに子どもが生まれたらどうなっちゃうの?と思っていたら私も妊娠しまして…。ついに自分が親になるぞと、生まれてくる子どもの未来を考えたときに、両親はよく私をだいだらぼっちに入れてくれたなとほんとに思いました。(多分子どもがいるOBOGはみんな思ってると思う:笑)自分が子どものころは全然気にもしたことがなかったですが、側で守る優しさ以外にも、遠くから見守る優しさ、何かあったときに飛んできてくれる優しさ、信じて送り出してくれる優しさ、応援してくれる優しさ。色んな愛情があってだいだらぼっちに2年も居させてくれたんだなと感じました。パパ、ママ、ほんとにありがとう!!
ーほんと、お父さん・お母さんの愛情には頭の下がる思いです。みけも長いことだいだらぼっちにいますが、自分で来ると決めてきたこどもたちに対してはもちろん、その応援をすると決断したお父さんお母さんのことも本気で尊敬しています。みけが自分の子のやりたいことをどこまで応援できたのか、いまだに?マークはついてしまいますから。
そういえば、かなのお家の女性陣はみんなお料理が好きだと思うのですが、かなが今フードデザイナーになっていることにやっぱりひとみちゃん(お母さん)が丁寧なお料理・お菓子作りをしていてくれたことっていうのは大きくつながっているのかな?
幼稚園くらいから包丁を使わせてくれて、ナスやピーマンを切ったりしていたのは今でも覚えていますね!お菓子作りなんかも小さい頃から一緒にしていて、今でもそのレシピでケーキを作ったりもしているので、やっぱり何でもやらせてくれた母の影響は大きいと思います。
でも大人になってから知ったんですけど、実は母は結婚するまで全く料理ができなかったらしくて!(笑)しかも料理自体もあんまり好きな方ではないことも最近知りました(笑)。
母は母なりに一生懸命覚えて教えてくれてたんだなと思うと、頭が上がりませんね。
ーそれはみけもビックリです!母は強し!ですね。そんなお母さんににひとこと!
今では私の方が料理の腕が勝ってしまって、結構頻繁にあれ食べたいこれ食べたいとリクエストしてくるようになったよね!(笑)でもきっとママの餃子とハンバーグの味は超えられないし、どんなお店よりも美味しいと思ってるから、これからもたくさん作ってください!いつもありがとう!
ーみけが母なら泣けてしまうかも(うるうる:笑)。
話は変わりますが、かながいたころのだいだらぼっちはどんな感じでしたか?
1年目は継続歴の長い中学生がいっぱいいて、稀に見るレベルの高さだったと思います。もちろん新規で入った私は付いていくだけで必死で、あっという間に1年が終わったのを覚えています。でも、逆に2年目は新規の子や小学生が増えて、自分で考えて行動しないと変わらないなと思うことが増えて、その分悩みやもどかしい気持ちもたくさんあったけど、引き継ぎの時には最高の一年だったと思えるくらい成長できたので良かったなって思います!
ーいろいろありましたよね。でもこうやって言えるのが素敵!だいだらぼっちでの時間がいい時間でよかったです。
当時の出来事で一番印象に残っていることはなんですか?また、面白エピソードがあったら教えてください。
なんでか全然覚えてないんですけど、すごく落ち込んだ日があって。秋に入る前かな?ちょっと肌寒い夜に、なおみちと二人で外で仰向けになって話をしたのをすごく覚えてます。
多分話したのは20分くらいだったと思うけど、その間に流れ星が何回も何回も流れて。あの時はなおみちと泰阜の自然に慰めてもらったんだな〜って夏の終わりの肌寒い季節にいつも思い出します。現役時代はなおみちにたくさん話を聞いてもらったな〜!あの頃はありがとう!
ーお家を離れているから、その分心のよりどころになってくれる人は必要ですもんね。
そんなだいだらぼっちでの暮らしは今のかなにどんなふうにつながってますか、あるいはどんなふうに位置づいていますか?
自分で言うのもなんですが、私たぶんめっちゃ段取りいいんですよね。器用というか、なんというか、割とマルチタスクこなせちゃうタイプで(笑)。
多分だいだらぼっちでの何気ない暮らしの中で、逆算して段取りをとることの大切さが身に染みてるんだと思うんですよね。それこそ料理も段取りがすごい重要で、テンポよく進めないと温かいうちに食べられなかったり、食べる時間がなくなっちゃったりするので。だいだらぼっちでの暮らしがあったからこそ、日頃から何が優先順位が高いのか、やらなければいけないこととやりたいことのバランスなどを意識して考えるようになったのかなと思います。
ー素晴らしい!みけにも欲しい能力です。(笑)
かなが今夢中になっていることはありますか?あれば教えてください。その魅力も!
夢中になってること…仕事ですね(笑)。
あとは子どもが生まれたらもう夢中どころじゃなくないんだろうな(笑)。
新しいカメラ買って、子どもも上手く撮れるように勉強します!
ー趣味と実益がだいぶ連動するね(笑)。そんなかなの夢を教えてください。
家族みんながお腹いっぱいご飯を食べられて、それぞれのペースで楽しく協力して暮らしていける家庭を築くことです。
今思うと、それってだいだらぼっちみたいですね(笑)。
ーでも、わりとだいだらぼっちのOB・OGってこういうこと言う人多い気がしますよ。
最後に今のだいだらぼっちのこどもたちにメッセージをお願いします!
大人になって振り返ると、私の人生の最初の分岐点はだいだらぼっちに
行ったことだったのかなって思います。
でも何が人生を変えるかなんて今はまだ分からないし、もちろん人によって違うので、今現役でだいだらぼっちにいる皆さんは、楽しいこともそうでないことも、全部受け止めながら、悔いのないよう残りの日々を過ごしてください!
ーめっちゃ身に染みる言葉だと思います。今日はありがとうございました!
今回、このインタビューに先立って、かなが現役のころの写真を見返していたのですが、どの写真を見てもとにかく笑っているか変顔しているかのどちらかで(笑)、こちらまで笑顔になってしまいました。途中、辛いことも悩んだこともあったはずなのですが、外には出さないようにしていたのでしょうか、写真からは微塵も感じられませんでした。改めて頑張り屋さんだったことを思い出しました。今の写真のかなも笑顔なのですが、とにかく表情が柔らかい!頑張り屋さんに変わりは無いけれど、きっと肩肘張らずにいられるのだな、幸せなんだな、とみけは感じました。無事に出産されたお子さんも一緒に、ぜひ家族であそびに来てくださいね!いつでも待っています!

こどもと大人が力と智恵を出し合って暮らしをまわしていることに魅力を感じ、グリーンウッドに参画して36年目。今もだいだらぼっちのこどもたちや地域のこどもたちと日々奮闘中!寄る年波には勝てないので一緒に走り回ることはできないが、こどもたちと一緒にあちこち歩き回ったりキャンプしたりするのはできる。今のお気に入りは虫のいない季節に野宿して夜空を眺めることと、帰ってきたOB・OGと一緒にお酒を飲むこと!。