こども企画!大峰山キャンプ!|放課後児童クラブ「いってきました」

こんにちは!放課後児童クラブ「いってきました」スタッフのくるです。

10月25日から26日の1泊2日でこどもたちが企画した「大峰山キャンプ」が開催されました。小学校4年生から6年生の女子8人で行われた今回のキャンプは、最初から最後までみんなが役割をもち、自主的に動き、何よりたくさんの笑顔であふれていた素敵なキャンプでした。今回はそのキャンプで感じたことについて書こうと思います。

【1日目夕方】夕方の綺麗な光を背にパシャリ

キャンプの概要

 このキャンプの企画が始まったのは、今年度5月、「まるやまキャンプ」が終わってからのこと。キャンプ熱が冷めやらぬまま、「次は大峰山でキャンプをする!」と早速計画が始まりました。内容は、グリーンウッドの裏にある大峰山に登り、そこでごはんを作り、泊まるというものです。準備から片付けまでこどもたちが主体となって進める、こども企画として行いました。

【1日目】準備の様子。どうやったら入るかな~と考えながら荷造りをしています。

まず頭に浮かんだクマの心配

 スケジュールや食事メニューをどんどん決めていくこどもたちのやる気を感じつつも、心配だったのは「クマ」のこと。山に登ってキャンプや野宿をするとなるとどうしてもその危険が伴います。一方で「クマが出る可能性があるからやめよう」というのは、理にかなっているようで、その危険を正しく回避する方法を考えないままやめるということでもあり、それは避けたいと思いました。

 「一生懸命企画したキャンプでも直前にクマの情報が出たら大峰山でのキャンプは中止になる」ということを伝えたうえで、「どうしたらクマを寄せつけずに安全にキャンプをできるのか」ということを大人もこどもも真剣に考えました。その結果、いくつかの対策をすることになりました。例えば、クマは基本的に人がいる方に寄ってこないという特徴から、クマ鈴やラジオの携帯、懐中電灯やランタンの点灯、クマよけを置いたり、焚火をして煙を出したりする対応をしました。また、食べ物の匂いに寄ってくるという特徴から、極力生ごみが出ないメニューを考え、食材が入っていた袋や使った食器等は必ず口が閉まる袋に入れて、さらに密閉バッグにしまうようにしました。

 そして、何よりも効果的な対策だと思ったのは、こどもたち自身が自ら危険を回避するための声掛けや行動をしていたことです。準備の段階からクマ対策について考えていたことと出発前に「セーフティートーク」を行ったことが大きかったのではないかと考えます。 「セーフティートーク」とは、これから始まる活動の際に想像できる危険なことは何か、どうしたらその危険を回避できるのかこどもたちと一緒に考え、話をすることです。今回はクマの話を始め、重い荷物を持った登山をするときの注意点や秋の山に住んでいる危険な虫や植物について一緒に話をしました。その時間を経たことで、自ら考えることに繋がり、「ゴミはどこに集めているの~?」「使ったお椀はここにしまおう!」という声掛けが聞こえたり、トイレや少し離れた場所に行くときも仲間に伝えてから行ったり、きちんと自分たちの身を守る意識を持っていることが伝わってきました。

 最後まで無事に、クマに会うこともなく、けがや病気、事故等もなく、みんなでキャンプを終えることができたのは、こどももおとなもきちんと危険と向き合い、対策をし、危険を回避する意識を持っていたからだと思いました。

 この社会の現状を考えてみると、危険だからと考えるまでもなく禁止されていることがたくさんあると感じます。もちろん様々な人がいる中で秩序を守るための必要な禁止事項もあります。しかし、それが行き過ぎると、その場における危険は何か、なぜそれが危険なのか、どうしたらそれは危険ではなくなるのか、などを考える機会も奪うことになってしまいます。本当に危険なことが起きた時、物事を自分の頭で考えられない、自分の意思で行動できないというのはとても怖いことのように思います。また、安全とされている環境の中で誰かが示した方向を向き、自分の頭で考えずに物事をこなしていくような社会になってしまうことも想像できます。そのように社会を考えてみても、今回のキャンプで、自分たちのやりたいことを安全に実行していくために、「危険」について考えることができたのは、とても大きな経験になったのではないかと思いました。

【1日目出発前】セーフティートークの時間

 

みんなに役割があるということ

 キャンプを進めていく中で、参加している全員が自主的に働き、輝いているなと思う瞬間がたくさんありました。その根底を探ってみると、「段取り」の時間がとても大きいように感じました。例えば、準備の際、物品の集め方や集めた後のことを決めたり、持っていく物品の分担をしたり、キャンプを進める中で細かい流れや係を決めたり、、、そのように全員が「この時間について自分たちで決めた」という感覚と、時間や役割に対する認識が揃っている状態が都度作られていました。

 みんなで決めたという前提の中で、役割を持つということは、その場で自分が仲間のために発揮できる力があるという感覚に繋がるように思います。その感覚は、集団のなかで安心してその場にいられることに結びつくのではないかと考えました。今回4年生から6年生までいる中で、持てる荷物の量も、山を登るスピードも、キャンプの経験も、企画の経験も人それぞれでした。それでもみんなが一丸となって最後まで過ごすことができたのは、その安心感があったことが大きいように思います。失敗しても大丈夫。またみんなで話し合えば大丈夫。そんな感覚が心のどこかに生まれるのではないのでしょうか。

【1日目昼】みんなで分担した荷物を持って出発!
【1日目昼】掃除担当になったこどもたちが自然の中からほうきを見つけていました。
【2日目朝】焚火の周りで紅茶を飲みながら、朝の段取りをとっています。
【2日目朝】朝ごはん隊がコーンポタージュを作っています。

「聞く」こと

 私自身、このキャンプ企画の担当者として上に書いたことを始め、たくさんのことを学びました。その中でも特に大きな発見だったのが「信じることと、任せっきりは違う」ということです。この企画の担当になった時、リーダーとして頑張っていた子と話をしました。その中で、私のどこかで「この子はしっかりしているから大丈夫。」という意識がありました。しかし、その意識はなにか相談されたときに、「一緒に考える」ではなく、「初めからその子に任せる」というスタンスを生んでしまいました。そのスタンスで向き合っていた時のその子の表情は、なんだか緊張している様で楽しさからはほど遠く、すぐに反省し、どうしたら良かったのか考えたのを覚えています。考えた結果、私には「聞く」ということが足りなかったのだということに気づきました。きっとその子は自分で考えて答えを出せるけど、聞いて一緒に考えることで得られる自信や安心感もあり、それがその子に与える力はきっと大きいなと思ったのです。そこからは、常に「聞く」ということを意識しました。「聞く」を意識し始めて、私自身も一人の人として、一人の大人として、このキャンプに関われているような感覚を得ることができました。これからも色々な人と関わっていく中で「聞く」ことを大切に、一緒に作っていくことを忘れずに過ごして行きたいです。

【1日目夜】焚火を囲みながらマシュマロを焼きました
焚火あたたか~い!
キャンドルランタンを囲んで恐い話、、、
おしゃれに飾り付けをしました~
帰りの方が楽!とみんな元気に下山しました

 キャンプが終わり、こどもたちは帰り際、「え~もう終わっちゃうの?」「早すぎる!」「楽しかった!!」と話しながら帰っていきました。次はどんな企画が生まれるのか、楽しみにしながら待とうと思います。


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