相談員のなるこです。
だいだらぼっちのこどもたちとつくる畑が私自身とても楽しいです。
私はだいだらぼっちに来る前はずっと神奈川・東京で生きていました。
雨の日に感じていたことと言えば「満員電車が蒸し暑くて気持ち悪い…」「湿気でやる気もおきない。気分も最悪…」と嫌なことばかり。
でもだいだらぼっちで時間をかけて手間をかけて畑をやるようになってからは、雨のおかげでしおれていた作物が見るからに元気になっているのを見てホッとしている自分がいます。
それはきっと「体験」だけでは出会えなかった感覚で、改めて「暮らす」ってすごいなと感じています。
さて今回は畑からだいだらぼっちの暮らしをのぞいてみます。
まずは話し合いから。
「どんな畑にしたいですか?」という問いかけから畑の話し合いが始まりました。
「みんなで楽しめる畑がいい!」「俺、カレーの具になる野菜を全部育てて自家製カレー作ってみたい…!」そんなワクワクする意見も出ます。
「ごはんづくりで使いやすい野菜がいい」「年中つかえるような常備野菜を育てたい」「できた野菜を無駄にしないで、ちゃんと使いたい」とごはんづくりを経験して思うことを伝えてくれる子もいます。
実は大学の授業でこの話し合いの様子を伝える機会があったのですが、「すごい…こどもたち、主婦みたい!」との反応もありました(笑)
「育てたい野菜は?」と言われればいくらでも植えたい野菜が出てきますが、
はじめにみんなで話した目指す畑の姿に何度も立ち戻りながら決めていきました。
師匠は村のおじいさん!
4月にはエンドウがだんだん大きくなってきたので、村の方のお家を訪ねて竹の支柱の組み方を教えてもらいました。竹の枝につかまりながらエンドウは大きくなります。
だいだらぼっちでも真似して実践!数日後に様子を見に来てくださり「こうやって結んだ方が風が吹いても倒れないでな」とひもの縛り方も教えてくれました。

自分たちでつくった支柱!何度見ても嬉しくてニヤニヤしてしまいます。
また植えたい野菜を話し合いで決めた後にはこどもたちが分からないことを教えてもらいに行きました。
疑問・質問はいっぱいです。
「じゃがいもは今からでも植えれますか?」
「じゃがいもは昔から二度芋と言われていて、いつ植えても採れるんだに。収量は少し少なくなるけど大丈夫だな」
「ナスを植える時にコツはありますか?」
「苗を植える前に土の中に藁を入れるといい。そうすると空気が入っていい土になる」
村のおじいさんの言葉は説得力がすごい。
本やネットで情報を調べるとたくさん情報が出てきて、何を参考にしたらいいか分からず、泰阜での畑づくりでは見当違いなことをしてしまうこともあります。
泰阜で長年暮らして、食糧をつくることに試行錯誤をしてきたからこそ、自分が暮らす地域の風土を身をもって理解しているのだと実感します。
「黒豆はつくったことはありますか?」という質問には
「昔こどもが小さい時には黒豆の煮汁に砂糖を入れて黒豆ジュースをつくってやったよ。なかなか美味しいんだ。」とのこと。
そんな素敵な思い出話もしてくれてさらに野菜づくりのモチベーションもあがりました。
放課後も畑仕事。
1年間の中でやりたいことは畑だけではありません。
ものづくり、川遊び、キャンプ、登山・・・とやりたいことがいっぱいです。
1ヶ月前に畑仕事の予定をがっつり調整したとしても、そんなにちょうどよく野菜が育つわけでもありません。
なので最近こどもたちは学校から帰ってきて夕飯までの1時間半ほどの時間を活用して畑仕事を進めています。
今日は畑を耕したい・・・が、草がボーボーなので並行して草とり!
そして三本鍬で耕す!
今日は大豆の種をポットにまく。
ひとつのポットに2粒ずつ・・・地道だけど着実に進むこの作業がはまる人にはハマる!
ごはんづくりの前に畑に行ってチリメン冬菜を収穫する日も。

チリメン冬菜はナムルが人気!
畑が暮らしの傍らに。
畑のある暮らしはとっても忙しい。
予定通りにいくことは中々ありません。
「急に雨が降って予定していた作業ができない!」
「すごいスピードで野菜が大きくなったから早く支柱で支えてあげないと!」そんなこともしばしば。
自分の都合では思い通りには育たない作物を相手にすること、ちょっとした変化に気づくこと、今この野菜に必要なことは何だろう?と考えること。
そんなことをこどもたちは日々繰り返してます。
そう考えると実は畑には自然や人と共に暮らす上で大切な要素がギュっとつまっている気もします。
手をかけた分畑に愛着が湧いたり、ほったらかして失敗したりしながら、
”自分で食べるものを自分でつくる!”
そんなこどもたちのチャレンジは続きます!