平和な社会へ、また一歩。6か国こども山賊キャンプ。「遊び」から「人材の還流」 南信州新聞

地元の南信州新聞で、「アジアこども山賊キャンプ」=「Kids’ AUキャンプ」が紹介された。
18年間の歩みにも触れていただいている。
ウエブサイトでは紹介されなかったため、記事の書き起こしで以下に紹介したい。

2018年11月18日 南信州新聞

平和な社会へ、また一歩
6か国 こども山賊キャンプ
「遊び」から「人材の還流」

モンゴル、ロシア、中国、韓国、北朝鮮、日本-の6か国のこどもたちが集い、自然体験を通して交流を深める「アジアこども山賊キャンプ」。泰阜村で有名な「夏の信州こども山賊キャンプ」を主催するNPO法人グリーンウッド自然体験教育センター代表理事の辻英之さん(48)が、「遊びを通じて平和な社会をつくりたい」と18年前、仲間とともに立ち上げた多国籍キャンプだ。今年は中国大連市の小さな離島を舞台に102人のこどもたちが集い、広げた両手で大きな輪を作り上げた。
 主催は辻さんが副代表理事を努めるNPO法人「Kids’ AU(こどもたちのアジア連合)」。言葉は通じなくても、食べて寝るという暮らしの原点を共有して互いに心を開き、一緒に笑い、涙し、共感する力を養う。
 根底にあるのは「世界平和」を一歩でも二歩でも前進させること。「大人の世界では一筋縄ではいかなくても、子どもたちには理屈抜き思い切り遊んで、身体で平和を感じてほしい」と辻さん。「子どものころに仲良くなろう。友達のいる国とは戦争しないでしょ」と表情を緩める。シンプルな想いを寄せたアジアの若者たちが18年前に夢を語り合い、遊びを通じて「世界を広げる場」を作り上げた。
 01年、初回の日本での開催を皮切りに、これまでに韓国、モンゴル、ロシア、中国を舞台に開催。ゲルやテントに寝泊まりし、運動会や海水浴、手遊び、料理大会で交流を深めてきた。
 今年も各国の実行委員で連携を図り、10月2日~7日の日程で開催。泰阜村をはじめ国内から17人の小中学生が参加した。6か国全体では102人の子どもたちが集い、サッカーをしたり自国の料理を振る舞ったり。餃子や韓国風のり巻き「キンパ」、おにぎりが並んだ会場で「飛び交う言葉と歌は平和の音に聞こえた」

 少子高齢化で過疎化が進む地方では、何とか人を集めてコミュニティーの維持を目指す取り組みが盛んだ。辻さんは「人材を3日、1週間、1年でも他地域に輩出することは、巡り巡ってこの地にも人が訪れることにつながる」と「人材還流」に注目する。国内外で積極的に仲間をつくり、賛同する地域を増やし、互いに行き来できる仕組みを構築しようと試行錯誤を繰り返す。
 「正直、ここまでキャンプが続くとは思っていなかった。各国の責任者たちが夢をあきらめなかった思いの強さ」。立ち上げた当初30歳だった辻さんは、担当したモンゴルに飛び、信頼できる仲間作りに奔走した。事業費用は国が負担したり、それがなければ民間や市民によるファンドを創って継続してきた。
 「平和とは、多種多様な子どもたちが一緒に遊べる状況そのもの」。さまざまな気づきが違いを違いとして受け入れる土壌を育てると信じている。来年度はモンゴルの大草原での開催が決まった。「また一歩、平和な社会に近づく」。   (中島和浩)

▼夢を追うアジアの仲間達

南信州新聞の皆様、ありがとうございました。
全国誌でも紹介してほしいくらいの内容でした。

代表 辻だいち