仲間がコロナで死んだのさ ~故羽田雄一郎氏を偲ぶ~

仲間がバイクで死んだのさ
とってもいいやつだったのに
ガードレールに花添えて
青春あばよと泣いたのさ

お?と想った人は、40~50代の人(笑)
1980年代の流行歌の一節だ。

さて本題。

仲間がコロナで死んだのさ
とってもいいやつだったのに
駆けつけられない悔しさに
“ゆうちゃん”あばよと泣いたのさ

2021年、これが現実だ。
近しい友人をコロナで亡くした。
年末年始に報道された著名な人でもある。

元はといえば、親父同士が盟友だった。
立場はかなり異なるが、こと農業や平和については意気投合していたという。
2000年、私の親父が最後の大勝負に出るときに、彼の親父が応援しにきてくれた。
正直なところ負け戦だった。
それにもかかわらず、駆けつけてくれたその恩を、私は一生忘れない。
その後に彼が若くして勝負の場に出るという。
その時、私は彼のことを全く知らなかったが、親父が受けた恩を、私は彼に返した。
彼と考え方がすべて一致しているわけではない。
が、「こどもの未来に」についての想いは一致した。
そしてその後、急速に彼と近くなっていった。
年に一度会うかどうかのつながり。
それでも想いを分かち合うには十分だった。
グリーンウッドの顧問にも名を連ねていただいた。

一緒に映る最後の写真になった

5年前。
グリーンウッドの30周年記念の集いを開催した。
彼に乾杯の音頭をお願いした。
「自分が乾杯するのは恐れ多い。若いスタッフの皆さん、壇上に上がってください。この若い人たちに乾杯しようじゃないですか」
彼は、次世代のひとびとや裏方のひとびとに、やさしいまなざしを向けることができる政治家だった。

乾杯の発声が忘れられない

未だに信じられない。
が、コロナはこうして命を奪っていく。
当事者にならないとその深刻さがわからないのは世の常だ。
グリーンウッドの経営も、正直なところ立ち直れるのだろうか、と想うほど壊滅的だ。
焦りからあれもこれもと手を出したくなるし、動かなければとも思う。
しかし、今は「待て」だ。
信州の山間部もまた正念場を迎えている。

線香をあげにいきたい。
そのためにも、今はなんとしてでも抑えなければ。
自戒を込めて願う。
やはり止めよう。
愛する人、大事な人を失う前に。

NPO法人グリーンウッド自然体験教育センターの顧問である羽田雄一郎氏の早すぎるご逝去を悼み、謹んでそして心の底からお悔やみ申し上げます。
ゆうちゃん、今まで本当に、ありがとうございました。
合掌

代表 辻だいち