泰阜村長 立教大生にオンライン授業!

振り返れば激動だった。
毎年大学の授業を受け持つが、まさに手探りの運営。
完全オンラインだったり、オンラインと対面を繰り返したり、対面だけだったり。
すべての授業と成績評価も終えた。
少しずつ前期(春学期)の大学授業を紹介していきたい。

立教大学では「自然と人間の共生」という授業。
東日本大震災の時から受け持つから、もう10年目になる。
自然と人間との関係がどうあるべきか?
そんなことを「考える」授業が、震災と同時に始まったことは運命かもしれない。
そして全く別のカタチ(ウィルス)で自然と共生することに直面し続ける年に、10年目を迎えることもまた運命。

立教大学は首都圏の大規模大学だ。
緊急事態宣言が出た4月は休校。
私の授業は5月4日から始まった。
しかも完全オンライン授業。
以来、私も大学に足を踏み入れていないが、学生はもっと深刻だ。
すでに報道されているように、オンラインで授業は成立するが、大学生活が成立しない。
朝から夜まで、自分の部屋で一人きりの中で、本質的な学びを得ることができるのか、本当に心配だ。
とはいえ、まずはオンラインの授業を進めなければならない。

この授業のことは以前にもブログで紹介した。

立教大学で春学期(前期)の授業が始まった。 「自然と人間の共生」という授業だ。 この授業を受け持つようになってから9年の月日が流れた。 ...

オンラインで「自然と人間の共生」の授業なんて、絶対無理! と想っていた。
ところがやってみると、むしろ「いいかも」と想える
なにしろ、学生にリアルな泰阜村の自然や暮らしの営みを、そのまま見せることができる。
学生さんと直接会えないのは本当に残念だ。
しかし、それを補ってあまりあるほどの圧倒的な自然のリアリティを学生に届けることができた。
学生からの評価もすこぶる高く、この授業はコロナが収束した後もむしろオンラインで実施する方が良いのではないかと想う。

そんな授業に、オンラインならではのメリットを最大限にいかした。
この授業にはゲストを呼べる仕組みがある。
立教大学に感謝だ。
しかし、ゲストに東京まで来てもらうことがたいへんなのだ。
泰阜村からも毎年一人はゲストに来てもらうのだが、往復10時間をかけるとなると簡単に「お願いします」とは言えない。
今回、移動時間が(ついでに言えば交通費も)まるまる節約できるということで、泰阜村の横前村長にゲストとして登壇願った。

私が言うのもなんだが、見た目も内面もスマートな村長だ。
お願いを快諾してもらったものそうだが、学生に非常にわかりやすくコンパクトに話をしくれる。
さすが政治家だ。
オンラインといえども双方向性の運営にチャレンジ。
学生から多くのコメントや意見が集まり、それを瞬時に集計してみえる化するツールを使う。
途中の休憩も挟み、学生から集まる多くの質問に村長は軽快に答えてくれた。
この「丁寧に聴いて、応える」という姿勢が、小さな自治体を率いる「自律の政治姿勢」につながるのだな、と傍からみて感じた。
学生の評価が非常に高かったことは言うまでもない。

「山の村長が東京の大学生にオンライン授業」
そういうギャップが注目を集めたのか、長野県内のテレビ局や新聞社が何社も取材に訪れた。
そのうちの一つ、テレビ放映がYahoo!ニュースで扱われた。
ご笑覧いただきたい。

▼長野放送NBSニュース

▼新聞社も何社か記事にした

PCに向かって話す村長をカメラ撮影(笑)

そしてもう一人、とっておきの人物がゲスト登壇した。
村長登壇の日の翌週の授業。
新聞社の記者に、来週はその人なんだよ、と話をしたら「ぜひ行きます!」と即決だった。
その人の名は。
続く

代表 辻だいち