それでもあきらめない ~山賊キャンプ初の全面中止~

2020夏の信州こども山賊キャンプの開催中止について

平素は私どもの教育活動に格別のご支援ご理解を賜り、厚く御礼申し上げます。また、今般の新型コロナウィルス感染症につきまして、皆様におかれましてはたいへん厳しい暮らしを余儀なくされていることとご拝察申し上げます。

さて、「2020年 夏の信州こども山賊キャンプ」ですが、新型コロナウィルス感染拡大の中、本来の申し込み時期を遅らせつつ、開催実現に向けて多方面に検討を重ねてきました。一定の感染収束が確認されていますが、今夏の段階では集団移動・集団生活における感染症のリスクからこどもたちの安全を守ることができないと判断し、このたび「2020年 夏の信州こども山賊キャンプ」を全面中止とする決断をしました。主催者を代表しまして皆様にお知らせいたします。

山賊キャンプが始まって以来30年の月日が流れていますが、全面中止は初めてのことです。これまで山賊キャンプをご支援し続けていただいたこどもたちとご家族の皆様には、こどもたちの命を最優先に考えた決断をどうかご理解いただけますよう心からお願い申し上げます。

家の中で過ごさざるを得ない状況が続くこどもたち。君たちと一緒に夏に思いきりキャンプをできない、という決断は、身のひきちぎられる激烈な想いです。本当に申し訳ありません。コロナウィルス感染症が収束した後に、必ずもう一度キャンプしような。これは最長老からの約束です。

山賊キャンプではこどもたちに「想いどおりにならないことを楽しむ。それが山賊キャンプ」と常に伝え続けてきました。今夏は泰阜村でこどもたちに会うことができませんが、しかしそれはこどもたちに伝えることをあきらめる理由にはなりません。世の中が厳しい状況にある時こそ、こどもたちの未来にすべてを懸け、希望を語り続けることが、私たちが信州泰阜村にいてできる唯一かつ本質的な歩みと強く信じています。

若い長老(スタッフ)たちが動画を配信するなど、こどもたちに希望を伝え続けることに挑戦します。最長老(代表理事)の私の想いや考えを伝えるブログもあります。今まさに「想いどおりにならない」状況の中にいるこどもたちに、ご家族の皆様に、伝えたいことが満載の内容です。お子様とご一緒にぜひアクセスいただき、お楽しみいただければ幸いです。

そして私たちNPOグリーンウッドもまた創設以来の危機を迎えています。今こそ私たち自身の「自律のチカラ」が試されます。厳しい時こそ原点に立ち、山賊キャンプを必ずや再び開催できるよう、スタッフ一丸となってこの難局に立ち向かう所存です。皆様には、今後も深いご理解と力強いご支援を心よりお願い申し上げます。

最後になりますが、皆様におかれましては、一日も早く普段の生活に戻れますようご無事を心よりお祈り申し上げます。

2020.5.20

NPO法人グリーンウッド自然体験教育センター
代表理事(最長老) 辻英之(だいち)

コメント

  1. 用務員 より:

    まさに今、松本清張の唯一のSF小説「見えない明日」の舞台に立っているように思います。夏の山賊キャンプの中止、辛いけれど正解と思います。
    早ければ6月に、または7月に昨日今日の解除宣言の影響が現れます。
    少なくとも3年間は現在のような暮らしと仕事が求められるでしょう。
    その3年間をどう乗り切るかは、大人の知恵と責任。
    山賊キャンプの新しいスタイルの種は、子どもたちの知恵と思いに。
    頑張ろう!