やまほいく実地研修事業「須坂市豊丘保育園」

長野県で推進している信州型自然保育認定制度「やまほいくの郷」。長野県にある公立、私立の保育園で自然保育を広めていこうという活動があります。

その保育士の先生方向けの研修を請け負っており、今回は須坂市の豊丘保育園で近隣の保育園の先生方や須坂市の教育長も参加され、大人20名、こども25名で研修を行いました。

午前中に豊丘保育園のみなさんがいつもお散歩に行っている「かくれ山」へ園児といっしょにお散歩へ行き、午後からワークショップを行います。

その研修の流れは、前回ご紹介したので(⇒やまほいく実地研修事業「長野市豊野東保育園」https://www.greenwood.or.jp/tane/?p=2608)

今回は研修に参加された保育士さんの感想や発見をご紹介します。

研修を受けた先生方の経験年数は2年目の方から30年近く保育士をされている方など様々でした。初めは緊張している様子でしたが、簡単なゲームで和やかに。

自己紹介を通して今日の発見を共有します。

Q.こども達とのお散歩で発見したことは?

・こども達がどんどん山を登る姿がすごい!

・道草って楽しい!自然って気持ちいい!

・ドキドキ・わくわくする体験がいっぱいあった。(どんな道があるのかな?どんな植物が見つかるかな?など)

こどもの姿を見ての発見はもちろんですが、先生自身がお散歩を楽しい!と感じられたことが何より大切なことだと思いました。一緒に遊ぶ大人のワクワクがこどもたちの発見をさらに広げるきっかけになります。

続いて、今日の気づきを実際にやってみよう!と前向きにとらえられるようワークショップを進めていきます。

Q.今日のこども達の様子をみてあなたがやってみたいことは?

縦軸に協力者の数、横軸に難易度のマトリクスをつくりやってみたいことを分布図に位置付けていきます。

A.マラソン大会、拾った木の実でものづくり(難易度の低いもの)

秘密基地づくり、キャンプ、まつぼっくりでたき火など(難易度の高いもの)

その中で実現したいもの1つ決めて、達成するにはどうすれば良いかを話し合います。

例えば、キャンプをしたい!と決めたこのチーム

課題として挙がったのは

「野外で火おこし難しいね」「道具(テント)もいるよね?」「ご飯は外で作る?お米どうやって焚く?衛生面大丈夫かな?」など。

課題を出しながら、初めは本当にできるのかな?と不安になっていたところを

課題=できないこと(マイナス)ではなく課題=どうやったらできるかな?とプラスの発想で考えると

「火おこしは消防署に連絡しておけば大丈夫だね」「ごはんはレトルトのもの使えるかな?」「山にテントを張ってお昼寝してもキャンプって言えるよね!」

どんどん発想がやわらかくなっていきました。

やりたいことが現実からすごく遠いものと感じてしまうと、実現までに時間がかかってしまったり、後回しにしてしまうことも多いですが「今の保育園の環境の中で、できるレベルで考える」ことで、ハードルが低くなるきっかけが生まれました。

研修では、毎日の散歩がいつもと違う散歩に感じるポイントはいくつもあります。

・大切なのは先生たちが楽しい!と思えることをこども達といっしょにやってみる気持ち。

・安心・安全にこどもたちを遊ばせるための安全管理のポイント(視点)を学ぶこと。

保育園の園長先生もその視点を踏まえた上で「”普段私たちがやっている保育でいいんだ”という安心感をもらえたように思います。」とお話されていました。