遊びを深める力|日本財団連携事業「里山山賊キャンプ」

こんにちは!スタッフのくるです。今回は日本財団が全国約250か所で展開している「子ども第三の居場所」事業との連携で行われた山賊キャンプについてお伝えします。第2回目の開催となる今回は「里山山賊キャンプ」と題して、1泊2日でグリーンウッドの敷地をアジト(活動場所)にして開催しました。参加者は名古屋にある「えがお咲く丘」から来た12人のこどもたちです。※日本財団と連携した事業の背景や第一回目の「森遊び山賊キャンプ」の様子はこちらをご覧ください。

お昼前にバスで到着したこどもたち。みんな元気いっぱいでやってきました。山賊カレーを食べた後は「山賊会議」。今日から始まる1泊2日のスケジュールを決める時間です。まずは、みんなでやりたいことを出します。鬼ごっこ、工作、焚火、焼き芋、石拾い、餅つき、、、そして、出てきたたくさんの遊びを全て2日間のスケジュールに落とし込みます。

会議が終わった後は、早速おにごっこと工作を始めるこどもたち。
初めはシンプルに鬼ごっこをしていたこどもたちですが、アジトの特徴を知り隠れられる場所があることを感じると、「ドロケイをしよう!」という声掛けに「いいねいいね!」となり、より戦略が大切になるドロケイを始めました。簡単につかまっていたこどもたちも、だんだんとチームで団結してなかなか終わらない戦いに!途中でみかんを食べながら休憩をする「みかん休憩」をはさみながら夢中で何時間も走り回っていました。
工作は竹を伐ってくる所から始まりました。お隣の土地に生えている立派な竹をいただきました。長く太い竹が倒れる所は圧巻!それをみんなで力を合わせて運びました。竹の枝も根元を叩くと簡単に外せることを知ったり、ノコギリを使って一生懸命使いたい長さに切ったり、自分の手で物を生み出すことに夢中になっていました。コップを作ったり、竹に絵を書いたり、釣竿を作ったり、みんなのアイデアから様々なものが作られていました。

山賊キャンプはごはん作りも自分たちでやります。食材を見て、メニューを決めて、役割分担をして、いざ開始!包丁を使い野菜を切ること、火にかけること、味付けをすること、低学年のこどもたちはなかなか普段からやる作業ではありません。それでもよく見て、慎重に手を動かし、材料を切り、調理して自分たちで決めた目指すものを作っていきました。その過程の中にはたくさんの小さなチャレンジが詰まっていたように思います。できあがったごはんはとっても美味しく、自分たちが作ったという誇りで満ち溢れている様子がとても頼もしかったです。

夜はキャンプファイヤーをやりました。この半日の中で、実行委員さんが練りに練った計画を形にしたキャンプファイヤーです。実行委員さんの元気な司会に沿って、みんなでゲームをしたり、歌ったりして、目一杯楽しみました。

次の日も朝からごはん作りです。ごはん作りの他にも朝づくり(泰阜村に昔からある、朝飯前に家の簡単な仕事をやってしまおうという風潮)をするメンバーもいます。遊ぶだけが山賊キャンプではなく、ごはん作りや掃除もみんなで暮らすためにとても大切なことです。自分たちの暮らしを自分たちで作っている実感は、自分はその場を作る一員であるということを改めて思い出させてくれます。

2日目もこどもたちはたくさん遊びました。登山に出かけたり、石拾いをしたり、焚火をして、マシュマロ、みかん、ジャガイモやさつまいもを焼いたりしました。
登山はアジトの裏にある山へ出かけました。1時間もあれば余裕をもって登頂できる山です。登山に出かけた子の中には高い所が苦手で、途中で歩みがゆっくりになってしまう子もいました。それでもみんなで励まし合って無事に登りきることが出来ました。
石拾いはただ見つけた石を拾うだけではありませんでした。地面から頭を出している石を発見すると、地面を掘って大きな石や特徴的な形の石を発掘します。まるで発掘調査隊が活動しているような光景が広がっていました。そして見つけた石と木を麻紐で硬く結びつけると、それを石器として活用していました。

お餅をついて、お昼ご飯を食べたら、五右衛門風呂に入って、もう帰る時間です。1泊2日のキャンプはあっという間に終わってしまいます。

最後の振り返りでは「登山はこわかったけど、一番楽しかった。また行きたい」「ごはんが美味しかった。特に自分が作ったごはんが一番だった」などそれぞれの実感から生まれた言葉を伝えてくれました。

このキャンプのなかで強く印象に残っているのはこどもたちの「遊びを深める力の素晴らしさ」です。山賊会議で出た「やりたいこと」は一見するととてもシンプルなものでした。しかし、おにごっこも地形や建物の配置、仲間との作戦で「いかに勝つか」ということに全力になり、石拾いも発掘調査の達人や土器職人の様な顔つきで向き合っていました。苦手かもしれない高い所に行く登山も行ってみたら楽しく「また行きたい!」と思えること、普段はなかなかやらない料理をして「やっぱり自分が作ったごはんが一番おいしい」と思えること。それはきっとその活動の中で小さなチャレンジを重ねて、心がわくわくしたり、どこかで自信がついたりして、またやってみたいと思ったのだと思います。そして、そんなみんなの様子を見ながら、このような時間を通して自分とは違う他者のことを知り、それが最後には他者への思いやりにつながるのだなと思いました。

「子ども第三の居場所」では、主に放課後の時間に「生き抜く力」を育むために、小学校低学年からの基本的な生活習慣、自己肯定感や人や社会と関わる力である非認知能力、発達段階に合わせた認知能力を高めることを目指しています。泰阜村での時間は日常から離れたたった2日間のことですが、日常に戻ってもここで感じたことや考えたことは彼らの中に残っていくのだと思います。これからもより多くのこどもたちにこのような場を提供し、一緒に時間をつくることを大切にしていきたいです。