こんにちは!ぱるです。
今年、泰阜村は150周年を迎え、先月150周年記念フェスティバルなるイベントが開催されました!今回私は企画から運営に至るまでかかわらせていただいたので、その経緯や想いを綴ろうと思います。
実行委員会立ち上げーきっかけは村行事への課題感
昨年、村政150周年を迎えるにあたり、記念事業を行うための検討委員会が開かれ、私はそれに検討委員として呼ばれ参加しました。
検討委員会では様々な立場の方が集まり、150周年記念事業として何をいつやるか?などを話し合いました。そこで出てきたことは、記念事業をやろうとはいうものの近年泰阜村は人口も減り行事の運営自体が厳しくなっている中、これ以上イベントを増やせないのでは?という話があがりました。
村では例年開催しているイベントがいくつかあるのですが、年々スタッフの人手不足や偏りがあり課題となっていました。そこで、毎年開催している芸能発表会という村民によるステージ発表や作品展示を行う行事と抱き合わせで行い、その他の企画も含めた1日フェスティバルの形式で開催することで決定しました。
ではその他に何を行うか?という話し合いでは、パンフレットは作成した方がよいのでは、植樹はどうだ、隣村はマグロの解体ショーやって人が集まったらしい…など、色々アイデアが乱立する状況に。
このままプログラムだけを決定すると、結局課題は解決できないままになってしまう… 誰のため、何のためのイベントなのか今一度考えつつ、どうせやるなら楽しくやりたい!と思い、同じ検討委員の保護者さんと話をしたところ、同じ課題感を持っていたので、ならば一緒に実行委員会形式でこの事業の詳細を企画させてもらおう!と検討委員会にお願いしました。
想いのある村民が集まって企画してくれるのは一番理想の形です!と副村長さんにも言っていただき、実行委員会を発足することになりました。
意識したのは”かかわりしろ”を増やすこと
実行委員会には少しずつ立場や世代の違う方にも声をかけ、総勢8名で企画会議が始まりました。「歴史をふりかえり、未来について共に考えるきっかけとなる」を目的とし、「村民みんなでつくる、みんなが楽しめる」をコンセプトとして、どんなプログラムをやったらよいのか?たくさんのアイデアを持ち寄ったり、周りの方々に意見を聞いたりしながら検討していきました。多様な意見が出てなかなか決まりきらずにいましたが、紆余曲折の話し合いを重ね、ようやくイベントの概要が決定しました!
準備段階で常に意識したのは、できるだけ多くの村民の”かかわりしろを増やす”ということ。
企画する人、準備する人、(受身的に)当日楽しむ人ー ではなく、少しでもなんらかの形でかかわってもらう機会をつくろう。そう考えて、色々工夫を重ねました。そのいくつかをご紹介します!

村民誰もが出演・出展できる「芸能発表会」に!
村民の“今”を互いに知り、共に“未来”にワクワクしたい!
プログラムの一つとして行うことになった毎年恒例の村行事、芸能発表会(ステージ発表と展示)ですが、実は年々参加者が減り、来場者も少なくなっていました。そこで、例年は公民館に登録されている団体のみ参加可能となっていましたが、今回は多くの村民のかかわりしろを増やすべく、全村民参加OKとして募集してみました!
…ところが、申込始まってもほとんど申込は来ず。(まぁそんなところかなと思っていましたが(^^;))それならばと、ものづくりをしている友人や、村内で地域活動をされている方に直接声掛けしたところ、予想以上に多くの方が出展してくださることになりました!
そしてものづくりといえば、だいだらぼっちのこどもたち。イベントへの想いを伝えてぜひ一緒に盛り上げてほしいとお願いしたところ、みんな力作を持ち寄ってくれることになりました!また私たちのものづくりの先生、ギックとマルちゃんにもお願いし、出展いただくことになりました。
声をかけて改めて思ったのは、皆さん多彩なものづくりや様々な活動をされているということ。「えーっこんな作品も作ってるの?!」という驚きの連続でした!そう、お互い知らないことも多いのです。
水引細工や村の草花を活かしたアクセサリー、地域のキャンプ場再生活動などなど、今それぞれがハマっていることをシェアできたら、お互いの世界が広がってものづくりを教えてもらったり、活動の輪に加われたりできたら、これからも泰阜でワクワク暮らしていけるのでは?そんなことを願い準備を進めていきました。
前日の会場準備に足を運ぶと、たくさんの村の方たちがぞくぞくと作品を手に集まり、それぞれに展示されていっていました。そのクオリティの高さと膨大な作品の数々に感動!!
当日は出演者・出展者も増えた分、それを見に来る来場者も確実に増えていたと思います。(身内や友人知人が作品を出していると知れば、見てみたくなりますよね!)そして「あの人の作品すごかったね~!」「今度作り方教えてもらいたい!」そんな会話が聞かれたのはよかったなと思います。
フェス記念品は泰阜村ステッカー!
村民によるデザインコンテストで遠方の方もかかわる機会に
150周年記念なので、今現在村にいない方にもなんらかの形でかかわってもらえたらー
また、当日足を運べない方(高齢者の方々など)にもかかわってもらえたらー
そんな想いから、フェスティバル記念品として作成することになったステッカーのデザインは、村民や村出身者、かつて村に住んでいた方たちがデザインを応募できることにしました。
そしてデザインの決定も、村関係者による投票で決めることに!
ただこのアイデアを形にしていくには、もう少し色んな人の視点で詳細を詰めていった方がうまくいくのではないか、そしてなにより企画からかかわってもらうことでより主体的に参画してくれる仲間が増えることになるのでは?
そう思い、また立場の異なる面々に声をかけステッカー企画チームを結成しました。
グリーンウッドスタッフでだいだら卒業生のスタッフくる、今年度のみどりのふるさと協力隊の方、そして県外に住む村出身の大学生の3名+私です。
コンテストや投票のやり方、応募チラシの作成、当日のコンテスト結果発表に至るまで、オンライン会議とLINEでのやりとりを重ねて、詳細を詰めていきました。
デザイン応募では、なんと泰阜中学校の生徒全員が作品を寄せてくれたり、遠方に住む村出身の大学生たちが送ってくれたり、プロのデザイナー?!と思うような作品も集まったり…力作が多数集まりました!
続いての投票では、村内各所に投票所を設置してよびかけたところ、「投票箱が一杯なので投票用紙を回収しに来てください!」という連絡が入るほど、多くの方に投票していただきました。聞けば、デイサービスで施設に寄られた高齢者の皆さんが面白がって全員投票してくださったようです。そして「当日足を運べないけど、ステッカーはもらえるかな?」との問い合わせもいただき、やはり工夫してかかわれる機会を作ってよかったと思った出来事でした。

フェス当日!村民から里帰りの方まで大勢が来場!
当日は残念ながら完全な雨予報…
が、オープニングのバルーンリリース前に急に晴れてきて、なんとか霞空の中一斉にバルーンを放つことができました!空をみなで見上げて歓声が挙がったところで、フェス開会!
ここからはフェスティバルの様子を写真と共にご紹介します👇️


※よろしければぜひ、泰阜村150年の歴史をじっくりご覧ください
泰阜村HP掲載:150周年記念パンフレット
https://www.vill.yasuoka.nagano.jp/docs/318205.html

保育園、小中学校の皆さんにもかかわってもらい、小学校からは「50年後の泰阜村」と題した全校児童による壮大な絵を展示してくれました。これがまた本当に素敵なのです💛
(50年後なのにビルは全然なくて、山がたくさん描かれてるのがさすが泰阜村♬)

中学校では今積極的に進めている地域の探究活動をまとめたものをぜひ掲示していただければ!とお願いしました。こどもがいる保護者はこどもたちがどんな活動をしているか、参観などで知っていますが、地域の方々は知らないもの。「村の中学生たちはこんなこと取り組んでるんだな」と地域の皆さんに知っていただく機会になったかと思います。
また芸能発表会の展示では、素晴らしい作品が会場の半分を埋め尽くしていました!!
(残念ながら写真があまりないので、よろしければ泰阜村のinstagramを見てみてください👇️)
https://www.instagram.com/p/DQbplCfkk__/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==


当日はこどもたちはもちろん、久しぶりに帰省して来たという方や、普段はあまり外出されないご高齢の皆さんも大勢足を運んでくださっていました。
またステージを楽しんだり、作品を味わったりすることで、「今村にはこんな方たちがいるんだ!」「こんな活動が行われているんだ!」と互いを知り、刺激をもらったりワクワクしたりして、そこから「私もこれやってみたい!」という声も色々と聞こえてきました。
村をつくっていく一員として
泰阜村が発足して150年。「自分たちでなんとかする」そんな気概のある村だからこそ、合併せず自立の道を歩んできました。そして、その生き抜く力を信じ、私たちはここで活動しています。
ただ、人口減少も一気に進み、時代を担ってきたたくましい世代の皆さんは高齢化し、その世代の方たちが育んできたものをそのまま継承するのは段々と難しくなっています。
そのまま継承することが価値なのではなく、今いる人達で、身の丈にあった自分たちらしい暮らし方、生き方を作っていくことが必要なのだと思っています。
今回はそんな過渡期の中で、いかにこれまで通りや横に倣うのではなく、ここ泰阜村らしい、身の丈にあった行事ができるのかというチャレンジでもありました。
まだまだ足りないこと、できたことはあったかと思いますが、仲間と一緒に声を挙げてチャレンジしたことはこれからに向けての一歩となったのではないかと感じています。
…と、大真面目に綴りましたが、ただ純粋にやるなら楽しみたい!と思って、大変さもありながらめちゃくちゃワクワクしてやってたのは私自身!この”ワクワク”をみんなで味わうのがとにかく大好きなのです。
これからも変化の時代、常に”どうにかしなきゃならない”状況は迫ってきます。そんなとき、「自分たちでなんとかしよう!」「どうせやるなら楽しく!」の心持ちで、私たちグリーンウッドのこと、地域のこと、社会のことに取り組んでいきたいと思います!

泰阜村に来て20年。体を動かしてないと体調を崩すおてんば少女タイプ(?!)の一男二女の母。グリーンウッドスタッフとして・子育てママとして、村の様々な活動にかかわりながら、豊かな子育て環境を創り広めるべく日々奔走中。
